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おにぎりは200円時代…それでも専門店が続々オープン「先安感」で今後どうなる

  • 2025.12.10

炊きたてのご飯をふっくらと握った日本のソウルフード「おにぎり」。
平均価格が、ついに200円を超えました。

実際に、スーパーの買い物客に聞いてみても…

「おにぎりは100円があったら買えるかなというイメージだったが、いま200円」
「コンビニのおにぎりは高くて買っていない。海苔も乗っていないのも多いし」

そんななか、札幌では「おにぎり専門店」が続々とオープンしています。2
コメ価格が高騰しているのにもかかわらず、こうしたおにぎり専門店が登場しています。おにぎり200円時代を深掘りします。

連載「じぶんごとニュース」

半年ぶりに最高値

札幌市内のスーパーです。20日のコメの店頭価格は道産米5キロ税込み4000円を超えていました。

キテネ食品館の中塚誠社長は頭を悩ませていました。

「1年半前から比べると倍の値段に。東北や関東のコメを持ってきて、北海道のコメよりも安く出せるのであれば、そっちを優先に特売するとか…」

買い物客も「おにぎりというかコメが高い」「コメなどすべてに対して上がっているから」と話します。

Sitakke

今月9日までの1週間に全国のスーパーで販売されたコメ5キロあたりの平均価格は、前の週から81円上がって4316円となり、半年ぶりに最高値を更新しました。

生産者の危惧

北海道上川地方の米どころ、当麻町の舟山農産です。
2025年の収穫は終わり、いまはネットで注文を受けた新米を全国に発送しています。

舟山賢治社長は「注文は関東や関西が圧倒的に増えてきている。関東や関西の方が北海道の店頭価格より500円から1000円くらい高く流れている」と話します。

Sitakke

新米が流通しても価格が下がらない現状に「コメ離れ」を危惧しています。

「包装資材とか、いろいろな原料があがっているので価格も上がるのは仕方がないが、ちょっとエスカレートしている。私たちが秋に販売したコメですが、いま売っている価格はそのときの価格より何割も割り増しな価格で店頭に並んでいる。このような状況が続いてコメ離れが進むのは、私たち生産者も本望ではない」

おにぎりもぜいたく品に…

Sitakke

コメ価格の高騰で値上がりしているのが「おにぎり」です。

おにぎり1個あたりの平均価格は、この5年で大きく上昇。函館ではことしの平均価格で200円台に突入。札幌も200円に迫る勢いです。

いまではちょっとしたぜいたく品になってしまった「おにぎり」ですが、札幌では9月以降、少なくとも4軒の「おにぎり専門店」がオープンしているんです。

10月10日、二条市場の近くにできたレトロな佇まいの「おにぎり屋うたり」。

Sitakke
鮭おむすび 350円

芦別産ゆめぴりかを使用したサケのおにぎりは1個350円。
なかでも人気なのが海苔をさっと炙って巻く塩結びが2個と、汁物、小鉢がセットになった『おにぎり御膳』です。

Sitakke
おにぎり御膳 1100円

試食した堀内大輝キャスターによると「シンプルだけど、非常においしい」とのこと。

「うたり」はもともと同じ場所で海鮮丼の店を営んでいましたが、ベテランの職人が引退したことで閉店。

コメ価格の高騰に不安を感じながらも、職人がいなくても参入できる「おにぎり専門店」を始めました。

工藤真夕店長は「お米が高くなっていくニュース見ながら開店には葛藤はあった」と言います。

店長の母親であるかおりさんは「昔から見たらコメは倍近くなっている」と話します。
「どこまで値段あがっちゃうんだろうと不安あるが、この辺でコメの価格も止まるんじゃないかと、ここをがんばれたらあとはそんなに苦労は少ないと、娘と協力しながらやっている」

今後のコメ価格の見通しは?

Sitakke

手軽に食べられる日本食として外国人観光客にも人気のおにぎり。
取材したお店も客の半数が観光客で、その多くが外国人観光客ということです。
20合のお米を炊いても、昼にはなくなってしまうほど反響があるとのこと。

大手コンビニエンスストアの価格をみてみると、高級路線のおにぎりなど、各社の商品ラインナップによっても変わりますが…3年前は、おにぎり1個=160円から170円台だったものが徐々に価格が上がり、ことし6月以降、各社200円を超えています。

気になるのは今後のコメの価格です。

コメの小売業者などでつくる団体は、新米の収穫量が高水準になる見通しであることから、向こう3か月の価格の見通しとして値下がりする「先安感」が強まるとしていますが、キテネ食品館の中塚社長はこんな話をしています。

Sitakke

・次の新米時期が見えてきたときに今年度産の在庫が残っていると、価格が下がる可能性も
・ただ高い価格で買い付けた問屋がどう判断するか。当然、業者側も赤字を出すわけにはいかないので、需要と供給のバランスをみた上での判断になる

今後、農家と消費者の双方が納得できる価格は実現するのでしょうか。

連載「じぶんごとニュース」

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年11月20日)の情報に基づきます。

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