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余命宣告を受けた夫が突然の告白「家族は君じゃない」残酷なひと言に凍りつく…夫が迎えた孤独な最期

  • 2025.12.5

私たち夫婦には子どもはいません。だからこそ、2人で支え合って生きていくつもりでした。ところが、そんな思いは音を立てて崩れて去ったのです――。

夫が会社員を辞めて独立した当初、「事業を軌道にのせるまでの間だけ」と言われ、私たちの家計も独立資金に回す生活が始まりました。私は「今だけの我慢」と自分に言い聞かせ、文句も言わずに黙認。家のことを切り盛りしながら、夫の事業が少しでも早く安定するよう、裏方に徹してサポートしてきたのです。

ところが、数年が経ち、仕事がようやく軌道に乗り始めた頃から、夫の生活は大きく変わっていきました。

「顧客との打ち合わせが長引きそう」「接待が入った」「人脈作りも仕事のうちだ」そう言って、外食や飲み会が増え、家に帰るのは毎晩のように夜中。以前のように顔を合わせる時間も、ほとんどなくなっていきました。

心配になって「そんなに外食続きで大丈夫? この前も体調崩してたし、少しは休んだほうが……」と声をかけても、「心配してくれるのはありがたいけど、今は仕事のことで手一杯なんだ。あまり口出ししないでほしい」と、以前よりもきつい口調で返されることが増えていったのです。

夫の病気

そんな生活が続いていたある日、平日の昼間に、夫から珍しくメッセージが届きました。

風邪だと思って病院に行ったところ、急遽精密検査になったそう。結果があまりよくないようで、これから医師の話を聞くとのことでした。


「大事な話かもしれないし、一緒に行こうか?」と私が申し出ると、夫は「ひとりで聞きたい」と言って拒否。結果は後から連絡すると言われてしまいました。不安はありましたが、本人がそう希望するなら仕方がありません。私は夫からの連絡を待ちました。

数時間後、夫から届いたメッセージは、想像以上に重いものでした。


夫は重い病気が見つかり、医師から「完治は難しい」と説明を受けたそうです。夫のもとに駆けつけようとしましたが、夫はここでも「ひとりで向き合いたい。情けない自分は見せたくない」と拒んだのです。

突然の告知に動揺しているのだろうと思い、私も怖さや不安を押し殺して夫の気持ちを受け入れようとしました。しかし、入院してからも夫は一貫して「病院には来なくていい」「着替えや日用品も自分でなんとかする」と、私を遠ざけ続けたのです。


「顔を見て話したいし、必要なものがあるなら持って行きたい。少しだけでも会いに行かせて」と訴えても、返ってくるのは「今はひとりにしてくれ」という冷たい言葉でした。

もう1人の奥さんの存在

夫が入院してから2週間、あまりに連絡がなく不安になった私は、ついに意を決して、病院へ向かいました。


受付で夫の名前を伝えると、「少しお待ちください」と言われました。そしてしばらくすると、受付の方は「申し訳ございません、面会はできません」と困った顔で伝えてきたのです。おそらく、夫本人に確認してきたのでしょう。

妻であることを伝えても、「現在はご本人の希望で面会を制限しております」と、事務的に繰り返されました。

まさか会えないとは思っておらず、私は病院を出た直後、「病院に行ったら、『面会できない』って言われたんだけど」と夫にメッセージを送りました。

しばらくして、夫から「勝手に来るなって言っただろ? 迷惑だから『知らない人だ』って言っておいた」と冷たい返事が……。

ここまで拒まれ続けると、違和感を覚えてしまいます。「体調が悪くなってきた」「また今度話す」と、私とのやりとりを切り上げようとする必死さが、かえって私の中の不信感を強めていきました。

夫の身勝手な遺言

その数日後、夫から電話があり、「話したいことがある」と言われました。夫の口から出てきたのは、あまりにも身勝手な告白でした。

独立したころから浮気相手がいたこと。その彼女との間に子どもがいること。病気がわかってからは、その彼女が妻を名乗って病院に通い、家族として説明なども受けていたこと——。


そして極めつけは、「俺に何かあったら、財産は全部、彼女と子どもに渡してほしい」というお願いでした。


「もちろん感謝はしてる。でもさ、やっぱり血のつながった子どもに残してやりたい気持ちが強くてさ……」その瞬間、胸の奥で、何かがプツリと切れる音がしました。

「……今、あなたの名義で残っている預金って、どれぐらいあるか覚えてる?」私がそう聞くと、夫は得意げにこう答えました。「独立してから結構稼いだからさ。貯金、3,000万くらいはあるはずだぞ? 頼むよ、全部俺の子に渡してくれ」


私は深く息を吸い、淡々と告げました。「その通帳、残高ほとんどないよ。独立するとき、どれだけ家計を使い込んだのか自覚がないの? それに、稼いではいたかもしれないけど、出て行くお金のほうが多かったけど……」「結婚後に築いた財産は夫婦2人のもの。それを『全部渡してほしい』なんて……あまりにも一方的すぎると思う」

それでも「半分は俺のだろ!? だったらその半分を、あの子に残してやってくれよ!」と返してきた夫に、私は追いうちをかけました。

「私は妻として慰謝料を請求できる立場です。離婚するなら、財産分与だってある。隠し子に渡せるほどのお金、残ると思う?」電話の向こうで、夫は言葉を失っていたようです。

病気の自分が訴えかけたら、私がすべてを許すとでも思ったのでしょうか……。なんだかガッカリしてしまいました。「あなたが遺言を残すのは勝手だけど、私は私の人生と気持ちを、きちんと守らせてもらいます」私はそう告げ、離婚と慰謝料請求について本気で考え始めたのです。

浮気相手の言い分

夫からの電話からほどなくして、見知らぬ女性からメッセージが届きました。

「彼は、財産を私と息子に全部残したいって言ってます。身を引いてください」メッセージの送り主は、夫の浮気相手でした。夫のスマホから連絡先を探したのか、夫公認で送ってきているのかわかりませんが、失礼な話であることには違いありません。

「今、彼が家族だと思っているのは私と息子。彼は経済的に大変だし、子どもだって父親を失うかもしれません。あなたは1人でもなんとかなるかもしれないけど……私たちの将来を考えてください」


あまりの言い分に、思わずため息が出ました。


まず前提として、私はまだ法律上の妻です。どんなに気持ちの面での主張をしたとしても、あくまで彼女は配偶者がいると知りながらお付き合いしていた浮気相手。「何を主張しても、私には慰謝料を請求する権利がある」と伝えました。


それに対する相手の返信は「こっちには子どもがいるのよ! これから大変なのに、なんで慰謝料なんて言われなきゃいけないのよ!」と感情に全振り!


たしかに、子どもに罪はありませんが、それとこれとは別の話。このメッセージのやりとりはすべて記録し、弁護士に相談すると言って返信する手を止めました。


私は宣言通り、弁護士に相談し、夫との離婚と、夫や浮気相手への慰謝料請求の手続きを進めました。

ひとりになった夫

弁護士を通じて話し合いを進める中で、夫は何度か「やり直したい」と言ってきました。幸い夫は薬があっていたようで、深刻な状況からは抜け出せたものの、完治は難しくこれからも治療が必要なのだそう。それを知った彼女の態度が冷たくなり、結局彼らは別れたのだそうです。

「浮気は間違いだった。やっぱり最後に頼れるのはお前だけだ」「病気で仕事も続けられないし、事業もたたんだ。金もなくて、このまま1人で闘病するのは怖い」と夫は言いますが、今更私には情すらも残っていません。


難病になったから、見捨てたわけではありません。むしろ病気がわかったあとも、本気で支えるつもりでいました。けれど夫は、自分にとって“都合のいい相手”を選び、私を遠ざけ、「血のつながった子どもに全部残したい」と平然と言い放ったのです。


私は弁護士と相談し、長年の不倫に対する慰謝料と婚姻期間中に築いた共有財産の分与についてきちんと取り決め、協議離婚を成立させました。


相手の状況に同情することと、自分の人生まで差し出すことは別の話です。自分の尊厳と人生を守る選択は、決して冷たい行為ではありません。これからの自分を大切に生きるための、まっとうな決断なのだと思っています。

♢♢♢♢♢

支える覚悟と、耐え続けることは別物です。相手の弱さに寄り添うことは尊いことでも、それで自分の人生まで崩れてしまっては意味がありません。


自分の尊厳と人生を守る決断は、決して冷たいものではなく、自分自身への誠実さなのかもしれませんね!

【取材時期:2025年11月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

ベビーカレンダー編集部

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