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「PG-12にしてはかなり攻めたな…」“想像を超える過激シーン”にザワついた『衝撃映画』

  • 2026.1.12

一度観たら、簡単には忘れられない作品があります。物語の衝撃的な展開や、登場人物の選択、心に突き刺さるラストシーン——時間が経ってもふとした瞬間に思い出してしまうような作品は、観る者の人生や価値観にまで影響を与えることも少なくありません。

今回はそんな“一度観ると忘れられない作品”の第1弾として、常識も倫理も軽々と踏み越え、観る者の価値観を揺さぶる劇物級サスペンス映画『怪物の木こり』(ワーナー・ブラザーズ映画)を紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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レッドカーペットで撮影に応じる吉岡里帆(C)SANKEI
  • 作品名(配給):『怪物の木こり』(ワーナー・ブラザース映画)
  • 公開日:2023年12月1日
  • 出演者:亀梨和也、菜々緒、吉岡里帆、染谷将太 ほか

絵本『怪物の木こり』に登場する怪物の仮面を被り、被害者の脳を持ち去る連続猟奇殺人事件が発生。犯人は人知れず、しかし確実に犯行を重ねていました。事件の捜査線上に浮かび上がったのは、唯一、犯人に殺され損ねた男である弁護士・二宮彰(亀梨和也)

犯人はターゲットとして狙われた二宮。しかし彼は、被害者であるはずの立場にいながら、犯人を前にして一切の恐怖を見せません。なぜなら二宮は、目的のためなら殺人すら厭わない冷血非情なサイコパスだったのです。

犯人を追う警察。その裏で、密かに“返り討ち”を狙う二宮。追う者と追われる者の立場は、物語が進むにつれ何度も入れ替わり、観る者の予想をことごとく裏切っていきます。

サイコパス・二宮VSシリアルキラー・怪物。狂っている方が生き残る、怒涛の展開とまさかの驚愕の結末が待ち受けています。

倫理を破壊する“主人公”という存在

本作最大の特徴は、主人公・二宮彰が一切共感を誘わない存在として描かれている点にあります。彼は正義の味方でも、復讐に燃える被害者でもありません。ただ冷静に、効率よく、自分の目的を遂行するだけの男です。そこに葛藤も良心もなく、あるのは歪んだ合理性のみです。

この二宮を演じるのが、亀梨和也さんです。端正な外見と静かな語り口が、かえって底知れぬ狂気を際立たせ、“何を考えているかわからない怖さ”を完璧に体現しています。観客はいつの間にか、警察よりも、被害者よりも、“サイコパスの行動”をつい追いかけてしまう。目が離せなくなってしまいます。

その倒錯した視点こそが、『怪物の木こり』という作品の恐ろしさなのです。

三池崇史が描く“躊躇のない世界”

監督を務めるのは、世界中に熱狂的ファンを持つ鬼才・三池崇史さんです。本作でもその持ち味は全開で、暴力描写、アクション、残酷表現に一切の遠慮がありません。

SNS上では、その過激さに「予告編だけでトラウマ」「アクションも残酷さも躊躇がない」「PG-12にしてはかなり攻めたな…」といった声が相次ぎ、いまだに話題を集めています。ただし、本作の残酷さは単なる刺激では終わりません。暴力が“娯楽”として消費されるのではなく、確実に観る者の心に引っかかりを残します。

その不快感ごと、作品の一部として突きつけてくる点に、三池作品ならではの覚悟が感じられます。

吉岡里帆がもたらす“歪んだ日常感”

本作において、狂気に満ちた世界の中で異彩を放つのが、吉岡里帆さん演じる二宮の婚約者・荷見映美の存在です。彼女は、二宮の“本性”を何も知らないまま、ごく普通の日常を生きています。だからこそ、その笑顔や優しさが、観る者に強烈な違和感を与えるのです。

吉岡里帆さんは、“何も知らない側の人間”を決して記号的にせず、あくまで現実的で、生々しく演じ切っています。その存在があるからこそ、二宮の狂気はより鮮明に、そして残酷に浮かび上がるのです。

一度観たら、忘れられない“狂気の映画体験”

『怪物の木こり』は、決して万人におすすめできる作品ではありません。しかし、倫理が崩壊する瞬間を直視したい人、物語に“安全地帯”を求めない人にとって、これほど強烈な映画体験はそう多くないでしょう。

観終わったあと、自分の中に残った“感情の正体”を考え続けてしまう。それこそが、“一度観ると忘れられない作品”である証なのかもしれません。

覚悟を決めて、ぜひ体験してみてください。あなたの中にも、“怪物”が残り続けるはずです。


※執筆時点の情報です