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「間違いなく日本最高のドラマ」9年前 NHKだから実現した“別格の完成度”…「神作」として君臨する“圧倒的存在”

  • 2026.1.7

NHKが制作するドラマは、その丁寧な作り込みと深いメッセージ性で多くの視聴者から高い評価を受けています。

今回はその一本として、2017年放送の特集ドラマ『眩~北斎の娘~』(NHK総合)をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品を選定し、執筆しています。
※一部、ストーリーや人物関係に触れるため、ネタバレを含みます。

あらすじ

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映画の初日舞台あいさつに登壇した宮﨑あおい(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『眩〜北斎の娘〜』(NHK総合)
  • 放送期間:2017年9月18日

舞台は江戸。絵に人生を預けた女性絵師・お栄(宮﨑あおい)は、家に収まる生き方よりも、描くことへの衝動を選びます。やがて彼女は、父であり師でもある葛飾北斎(長塚京三)の制作の場に身を置き、仕事を手伝いながら自分の表現を探していきます。北斎の名声と才能は、近くにいるほど眩しく感じられます。その一方で、そばで見続けるからこそ見えてくる弱さや老いもあり、お栄は支える立場として揺れ動きます。

そんな日々の中で、北斎の門人でもある絵師・善次郎(松田龍平)との交流は、お栄にとって数少ない心のよりどころになります。言葉にしづらい焦りや迷いを共有することで、彼女の内側にある感情も静かに輪郭を持ちはじめます。そしてお栄は、“色”と“影”へのこだわりを深め、自分だけの到達点を目指して描き続けます。人生の終盤に至っても、彼女の手元に残るのは結局、絵筆でした。

海外でも注目を集めた圧倒的な完成度

本作は放送直後から大きな反響を呼び、国内外で高く評価されました。受賞面では、第72回文化庁芸術祭賞 テレビ・ドラマ部門 大賞第68回芸術選奨文部科学大臣 新人賞をはじめ、東京ドラマアウォード2018では単発ドラマ部門のグランプリに選ばれています。また、フランス・カンヌで開催される国際映像見本市MIPCOMの関連企画として、本作が4K作品として紹介・上映された旨が、MIPCOM側のブログで取り上げられています。日本のドラマとして高い評価を獲得しました。

Xでは、「間違いなく日本最高のドラマ」「きっとカンヌでも絶賛されると思う」「神作」という声が寄せられていました。また「あまりに良い」と、その完成度の高さを称賛しています。わずか73分という尺にもかかわらず、脚本、演出、演技、映像美のすべてが高次元で融合した本作は、まさに“最高傑作”の名にふさわしい作品となりました。

北斎と応為の世界を映し出す映像美の魅力

本作の大きな魅力の一つは、映像表現の美しさにあります。本作は4Kで撮影された作品として紹介されており、光と影の扱い方や質感の描写に強いこだわりが感じられます。 演出は加藤拓さんが担当しており、場面ごとの陰影や空気感の作り方によって、絵師たちが生きた時代の手触りが立ち上がります。背景や室内の佇まい、人物の配置なども含めて、浮世絵を思わせるような画面づくりだと受け止められる場面があります。

また、主人公・お栄(葛飾応為)が向き合い続ける“光と影”への執念は、台詞や出来事だけでなく、画面の明暗設計を通しても印象づけられています。そのため、視聴者を江戸の絵師の世界へ誘うような没入感につながっています。Xでは、「光と影にこだわった映像美で魅せる演出が巧い」という投稿が見られました。また別のユーザーは「何度観ても美しい作品」と、繰り返し視聴したくなる映像の美しさを評価しています。

原作は朝井まかてさんの小説『眩』で、脚本は大森美香さんが担当しています。音楽は稲本響さんが手がけており、物語の余韻を支える要素になっています。

役者たちの熱演が生み出す感動

本作の魅力を支えているのは、豪華キャストによる圧巻の演技です。主人公のお栄を演じた宮﨑あおいさんは、絵に全てを捧げる女性絵師の情熱と葛藤を繊細に表現しました。父・北斎役の長塚京三さんは、天才ゆえの奔放さと娘への愛情を見事に演じ分け、二人の親子の絆が物語に深みを与えています。また、松田龍平さん演じる渓斎英泉(善次郎)とお栄の淡い恋の物語も、視聴者の心を捉えて離しませんでした。野田秀樹さん演じる滝沢馬琴、余貴美子さん演じる小兎など、脇を固める実力派俳優陣も素晴らしく、作品全体のクオリティを高めています。

Xでは、「何度観ても良い」「宮﨑あおいさんは素晴らしい役者さん」という声が寄せられ、役者たちの演技力を絶賛する投稿も見られます。第44回放送文化基金賞で演技賞を受賞した宮﨑さんをはじめ、キャスト全員が作品に命を吹き込み、視聴者の心を揺さぶる名演を披露しました。

芸術性と娯楽性を兼ね備えた傑作ドラマ

『眩〜北斎の娘〜』は、朝井まかてさんの原作小説を映像化した、芸術性と娯楽性を兼ね備えた傑作ドラマです。葛飾北斎の娘・お栄という実在の女性絵師に光を当て、彼女の知られざる人生を丁寧に描き出しています。宮﨑あおいさんをはじめとする実力派キャストの熱演、4Kで撮影された圧倒的な映像美、そして父娘の絆と芸術への情熱を描いた心揺さぶる物語が、国内外で高く評価されました。

第72回文化庁芸術祭賞テレビ・ドラマ部門大賞をはじめ数々の賞を受賞し、その完成度は“最高傑作”と称されるにふさわしいものです。わずか73分という尺の中に凝縮された芸術と人間ドラマの結晶を、ぜひ一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。きっと、何度も繰り返し観たくなる作品となることでしょう。


※執筆時点の情報です