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「NHKさんには感謝しかない」「よくぞここまで完璧に…」“至高ドラマ”と称される一作…“わずかな出演”で魅せた逸材とは?

  • 2025.12.25

物語の中心でなくとも強烈な輝きを放ち、見る人の心を一瞬でつかむ俳優がいます。今回は、そんな中から"朝ドラで主役じゃなくとも話題を集めた名優"を5名セレクトしました。

本記事ではその第5弾として、ポップアイコンとしての強烈なパブリックイメージを覆し、女優として確かな実力を証明した三戸なつめさんをご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

経歴

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曽根崎署の1日署長に就任した三戸なつめ(C)SANKEI

三戸なつめさんは、奈良県出身のモデル・タレント・女優です。2010年に関西で読者モデルとしての活動をスタートさせると、その個性的なキャラクターやファッションで同世代の女性から多くの支持を集めました。2013年に発売したセルフプロデュースブック『なつめさん』は大ヒットし、青文字系モデルのカリスマ的な存在となりました。

2015年には、中田ヤスタカ氏のプロデュースによる楽曲『前髪切りすぎた』でアーティストデビューを果たし、トレードマークの短い前髪とともに“前髪の人”としてお茶の間に広く浸透しました。

2017年には絵本『ムム』で絵本作家デビューし、芸能活動10周年を迎えた2023年にはフォトエッセイ『なつめろん』を発売するなど、表現者として多岐にわたる活躍を見せています。

朝ドラ通算103作目――「大阪のお母さん」の波乱万丈な一代記

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映画「ミーツ・ザ・ワールド」杉咲花(C)SANKEI

三戸なつめさんが女優として新たな輝きを見せたのが、2020年度後期のNHK連続テレビ小説『おちょやん』です。

通算103作目となる本作は、「大阪のお母さん」として親しまれた名優・浪花千栄子さんの人生をモデルとした物語。明治末期、大阪・南河内の貧しい家に生まれたヒロイン・竹井千代が、9歳で道頓堀へ奉公に出され、やがて芝居の世界に魅了されて女優の道を駆け上がっていく姿を描いた一代記となっています。

“笑って、泣けて、人情あふれる物語”をテーマに、ヒロインの杉咲花さんをはじめ、成田凌さん、篠原涼子さん、トータス松本さんら豪華キャストが集結。

喜劇と悲劇が入り混じる波乱万丈な人生を力強く描いた本作にSNSでは「至高のドラマ」「NHKさんには感謝しかない」「よくぞここまで完璧に…」など絶賛の声が多く見受けられ、視聴者の共感を呼びました。

「前髪の人」を完全封印――わずかな回想シーンで視聴者を泣かせた“母の愛”

朝ドラ『おちょやん』で三戸なつめさんが演じたのは、ヒロイン・千代の実母であるサエでした。物語の序盤、千代が幼い頃に亡くなってしまう役どころであり、主に回想シーンでの登場となりましたが、その存在感は絶大でした。

貧困と奔放な父・テルヲ(トータス松本さん)に振り回される幼少期の千代にとって、母・サエの記憶だけが唯一の心の拠り所。三戸さんはその慈愛に満ちた母親像を、持ち前の笑顔と温かい佇まいで見事に体現しました。

ポップな“前髪の人”というイメージを完全に封印し、娘を包み込む“母”を演じた三戸さん。その演技はメディアからも“新たな輝き”と評され、短い出演時間ながらも、物語の根底に流れる“母の愛”を強く印象づけました。

狂気的な役から生活苦の母親まで――変幻自在な演技力

朝ドラ『おちょやん』での快演を経て、三戸なつめさんはドラマ・映画界で変幻自在な活躍を見せています。

人気シリーズの実写化『賭ケグルイ』では、私立百花王学園を支配する生徒会役員・黄泉月るな役を怪演。子供のような無邪気な外見と、非道で冷酷な内面を併せ持つ原作キャラクターを見事に再現し、メディアからは“キャスティングの勝利”と絶賛されました。

2023年の映画『この小さな手』では、娘を児童養護施設に保護されているシングルマザーの佐倉美音役として出演。生活に疲れたリアルな女性を演じ、演技の幅広さを証明しています。

そして2025年、TBSドラマストリーム『三人夫婦』では、主人公・美愛の親友である西本有希役を好演。従来の結婚観にとらわれず、同性の恋人と結婚式を挙げるという、物語のテーマである「多様性」を象徴する重要な役どころを担いました。

コミカルなキャラクターから、社会性のあるシリアスな役まで――三戸さんは今や、日本の映像作品に欠かせないバイプレイヤーとして確固たる地位を築いています。

「ポップな華」と「役への没入」

三戸なつめさんの魅力は、一度見たら忘れられない“ポップな輝き”と、じわりと沁みる“演技の深み”をあわせ持つところにあります。

朝ドラ『おちょやん』では、その温かな微笑みでヒロインの人生を支えた“永遠の母”を見事に演じきりました。“ポップアイコン”から“実力派女優”へ――。その振れ幅で見る人を惹きつけてやまない三戸さんの、今後の活躍にも期待が高まります!


※記事は執筆時点の情報です