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「引っ越しても友達だよ」転校をきっかけに始まった文通… “38年”続く理由に「小説みたい」

  • 2025.12.12

パソコンやスマートフォンが普及する前に学生時代を過ごした方の中には、「文通」をした経験のある人も少なくないのではないでしょうか?「転校してしまった友だちと、毎月手紙のやり取りをしていた」「手紙に使う可愛い便箋をワクワクしながら選んでいた」など、さまざまな思い出があると思います。

きぽ(@kipokipokipokipo)さんが、「小学生時代の友人と38年間文通が続いている」というポストをThreadsに投稿し、「素敵」「小説みたい」と注目を集めています。

投稿者さんは、ご友人とどのようなやり取りをしているのでしょうか?

気になる投稿が、こちら!

Threadsで見る

小学生時代、家庭の都合で何度か転校を経験した投稿者さん。

小学校3年生の時、同級生と「引っ越しても友達だよ!手紙書いてね!」と文通の約束をしたのだといいます。

多くの場合は、はじめのうちは頻繁に文通をしていても、生活環境が変われば自然と途切れてしまうものです。特に、現代はメールやメッセージアプリでのやり取りが一般的になっているため、なおさら文通を続けるのは難しいことでしょう。

しかし、投稿者さんとご友人のやり取りは38年間途切れることなく続いるのです!しかも「その子とは引っ越してから1度も会っていない」のだとか。

定期的に顔を会わせる関係ではない相手とやり取りを続けるのは、お互いへの深い愛情や思いやりがなければできません。きっと、お2人は特別な絆で繋がっているのですね。

心あたたまる素晴らしいエピソードでした。

既読も付かないし返事もすぐに届かない…それこそが、ゆるく長く続いている理由

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出典:きぽ(@kipokipokipokipo)さん

投稿者さんに、詳しくお話を伺いました。

---素敵な投稿です!38年間文通が続いていることについて、率直なお気持ちをお聞かせください。

38年と数えると、長くて驚きますが、気付いたらいつの間にかこんなに続いていたという感じです。

---子どもの頃、相手からの手紙はどのような存在でしたか?

転校後から10代の頃ぐらいまではかなり頻繁にやり取りをしていたと思います。ポストに手紙が入っているのを見つけるととても嬉しくて、すぐに返事を書いていました。

内容は学校の出来事など、他愛もないことばかりだったと思いますが、お互い楽しく報告していました。子ども時代の限られた生活圏とは全然違う場所に友達がいるんだという特別な感覚があったように思います。

---子どもにとっては、確かにかなり特別な感覚ですね。現在はどんな気持ちで受け取っているのでしょうか?

大人になってからはそれほど頻繁にやり取りすることは減ってしまったのですが、最近はお互いの誕生日にバースデーカードを送り合い、その返事に近況報告をするという感じでやり取りが続いています。

今でもやはり、彼女が書いた宛名の封筒がポストに入っているととても嬉しいです。

---なぜこの38年間、一度も再会しなかったのでしょうか?お互いの間で「一度会ってみよう」という話が出たことはありますか?

今までお互い一度も会おうという話が出たことはありません。

私は、このふんわりとした関係が心地よく、彼女の近況報告を読んで「今はこんな風に過ごしているのね」と、ただただ手紙を読んであたたかい気持ちになっていました。

今回Threadsで何人もの方に「会わないのですか?」とコメントをされたので、そうか、そんな選択肢もあるのかと考えさせられました。

---なるほど!文通という形式がお2人にとってベストな距離感だったのですね。ちなみに38年間の手紙は、すべて保管してありますか?

子どもの頃はその後も何度か引っ越しをしたので、正直子どもの頃の手紙はどこにしまったか記憶にありません…。もしかしたら実家にあるかもしれません。私が結婚してからの手紙は箱にまとめて全部取ってあります。

---文通を続けている中で、手書き以外にメールやSNSなどでのやり取りに移行しようと考えたことはありますか?

今、スマホのアドレス帳を見たら、彼女の携帯番号と携帯メールアドレスがありました。確か、震災の時に何かあればとアドレスを教えたと記憶しています。少しメールでやり取りをしたような気もしますが、結局はいつもの手紙に戻りました。

---なぜ、手紙に戻ったのだと考えますか?

私自身、手書きの手紙が好きなのです。

手書きの文面からは、デジタルでは感じられない感情が届くと思っています。手紙は既読も付かないし、返事もすぐには届きません。
でも、メールやLINEでは気になるその事が手紙では気にならないのです。それこそがゆるく長く続いている理由の一つな気がします。

---現代だからこそ、その”ちょうどよい不自由さ”のようなものが心地良いのかもしれませんね。貴重なお話をありがとうございました!

「素敵」「小説みたい」38年間続くやり取りにほっこり

こちらの投稿にはさまざまなコメントが寄せられていました。

SNSやら発達してるのに、あえて時間も手間もかかる手紙ってところが素敵だなぁ...こういう関係を心友って言うんだろうな

住所分かってるから会いに行く気なら会えるのに、あえて会わずに文通しているのがエモいというかなんと言うか…とにかく素敵です
すごい!!ずっと文通を続けてらっしゃるお二人とも素敵です
一度も会ってないのもなんだか小説みたいですね。
snsが当たり前の時代にお手紙ってすごく素敵!!!
すごい!
きっと会ってないからこそ続いているんだと思います
会ってしまったらLINEだったり知ってしまって直筆のやり取りはなくなってしまう

38年途切れることなく続く手紙のやり取りに「素敵」「小説みたい」といった、あたたかな声が数多く寄せられていました。

また、「私も昔は文通していた」「続けられなかったけれど憧れる」といった共感の声も多く見られました。かつて日常的に手紙を書いていた世代のユーザーが、それぞれの思い出を重ねているようです。

投稿者さんもお話ししていたように、便利な方法がいくらでもある今だからこそ、手紙という「既読も付かないし、返事もすぐに届かない」ものがより特別に感じられるのかもしれません。久しぶりに手紙を書いてみたくなる、素敵なエピソードでした。

取材協力:きぽ(@kipokipokipokipo)さん

※本記事は投稿者に許諾を得た上で記事の制作・公開を行っています


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