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進行するまで気づかない“大腸がん”が50代以上で急増…医師が警告する「便の色・形」に潜む危険サイン

  • 2025.11.30
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

大腸がんは日本で年々増加しており、とくに50代以降で急増しています。進行するまで自覚症状が乏しいため、「沈黙のがん」と呼ばれることもあります。しかし、日々の便の色・形には、大腸がんをはじめとする消化器の異常が早期に現れることがあります。池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニックの柏木院長によると、「便の変化を見逃さないこと」が早期発見の大きな手がかりになるとのこと。

本記事では、大腸がんになりやすい人の特徴、早期発見のための検査、そして便に現れるサインについてまとめてお伝えします。

自覚症状に乏しい「大腸がん」加齢とともに高まるリスクと早期発見の鍵

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出典:池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック

大腸がんは、大腸に発生する悪性腫瘍で、日本では食生活の欧米化や高齢化の影響を受けて増加し続けています。とくに女性ではがん死亡率の第1位となるほど深刻で、社会的な対策が急がれる疾患です。それにもかかわらず、初期症状がほとんど現れないため、多くの人が「自分は大丈夫」と見落としてしまいます。

大腸がんは特に50歳を過ぎたころから発症率が急上昇しますが、近年は若い年代の患者も増えています。家族に大腸がんを経験した人がいる場合は遺伝的なリスクも高まり、脂肪分や加工肉が多く野菜や食物繊維が不足しがちな食生活、飲酒や喫煙の習慣、運動不足などが重なることで発症リスクがさらに高まっていきます。これらの背景を持つ人は、特に慎重に自分の体のサインに耳を傾ける必要があります。

そのための鍵となるのが「定期検査」です。便潜血検査で大腸内の出血を調べる方法は手軽に受けられますし、大腸内視鏡検査は大腸全体を直接確認できるため、ポリープや小さながんをその場で処置できる利点があります。最近は鎮静剤を用いて体への負担が少ない検査が広く行われるようになり、「想像していたより楽だった」という声も増えています。理想としては年に1回、少なくとも2年に1度は検査を受けることで、早期発見の可能性がぐんと高まります。

便が教えてくれる“危険のサイン”

「健康はお腹から」と言われるように、便は体調を映す鏡です。普段は気にしない人が多いものの、実は便のわずかな変化が病気の早期サインとなることがあります。柏木院長は、大腸がんやその他の消化器疾患を見逃さないためにも、便の色や形を意識的に観察することの大切さを説いています。

まず、便の色に現れるサインについて。健康な便は茶色で、胆汁と呼ばれる消化液の色が反映されています。真っ赤な便は痔による軽い出血のこともありますが、大腸ポリープや大腸がんなどの重篤な疾患が隠れていることも多く、年齢を問わず精密検査が必要になります。

続いて、便の形にあらわれるサインについて。うさぎの糞のようにコロコロとした便は、水分や食物繊維が不足している典型的な便秘のパターンです。便秘は単なる生活の不調と見られがちですが、腸にストレスを与え、炎症や病気につながることもあります。形を保たない水っぽい便が続く場合、感染症や一時的な体調不良の場合もありますが、長く続く場合は大腸がんや炎症性腸疾患の可能性を疑う必要があります。そして最も注意すべきは、急に便が細くなったり、まったく出なくなったりする状態です。糸のように細い便は、腸の通り道が狭くなっているサインの可能性があり、直腸がんやポリープ、さらには腸閉塞などを示唆する重大な変化です。

便の色や形の変化は「単なる体調不良」と見過ごされがちですが、実際には体が発するSOSの可能性があるため、早めに専門医へ相談することが大切です。

体からのサインを見逃さないで

大腸がんは進行するまでほとんど気づくことができず、50代以降を中心に近年増加しています。しかし、毎日の便を観察することで、病気の「初期サイン」をキャッチできる場合があります。

また、生活習慣の改善や定期的な検査は、大腸がんを含む消化器疾患の予防と早期発見に大きく貢献します。自分の体を守るためにも、日々のトイレチェックを怠らず、少しでも「いつもと違う」と感じたら医師に相談する習慣を持ちましょう。

動画:『池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック
参考動画:『【知らないとヤバい!】大腸がんのサインと早期発見のコツ|専門医が解説
参考動画:『「このうんちは気をつけて!」便の色や形でわかる健康状態とは?


池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック 東京豊島院 院長:柏木 宏幸

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東京女子医科大学消化器内科に入局後、複数の医療機関で胃・大腸内視鏡を中心とした臨床経験を積み、同大学病院助教を経て2023年に現クリニックを開院。胃がん・大腸がんの早期発見と内視鏡検査の普及をミッションに掲げ、健康診断や生活習慣病の治療をはじめ、一般内科および消化器疾患の診療、内視鏡検査と幅広く取り組んでいる。また、クリニックのYouTube(https://www.youtube.com/@HKa-wb4jw)を通じて医療知識や内視鏡検査の重要性をわかりやすく発信し、医療情報の普及活動にも尽力中。

都内トップクラスの内視鏡設備を完備し、土日診療対応、胃・大腸カメラ同日検査、専門医による鎮静下内視鏡、女性医師による検査体制など、患者さんの苦痛を抑えたきめ細かな検査環境を提供。今後も一人でも多くの患者様が安心して内視鏡検査を受けられるよう、質の高い医療サービスを追求し続ける。

池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック東京豊島院:https://www.ikebukuro-cl.com

※本記事は動画の権利者に許諾を得た上で記事の制作・公開を行っています。