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医師「ただの手荒れじゃないかも」 寒い時期に突然あらわれる手荒れ…医師が教える“原因”とは

  • 2025.11.28
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

寒くなると一気に気になるのが「手荒れ」。カサカサしてひび割れたり、赤くなったりする手は、不快感だけでなく見た目の悩みにもなりがちですよね。でも、その手荒れ、単なる乾燥と思って放置していませんか?実は、寒い時期に突然あらわれる手荒れには、さまざまな原因が潜んでいることがあるのです。今回は、寒い時期に急に起こる手のトラブルの背景や、医師が教える意外な原因についてわかりやすくご紹介します。

寒い時期に起こりやすい「手湿疹」とは

寒い時期になると起こりやすい「手荒れ」。実は「手湿疹」という症状かもしれません。

冬に手湿疹が起きやすくなる主な要因のひとつは、空気の乾燥です。暖房の使用で室内の湿度が下がり、手の皮膚から必要な水分が失われやすくなります。その結果、皮膚のバリア機能が低くなり、刺激物やアレルゲンに敏感になることが考えられます。

さらに、寒い季節は手洗いや消毒の回数が増えることも影響しているといえます。手洗いには水や石けん、アルコール消毒液を使いますが、これらは皮脂を取り除きすぎる場合があり、皮膚の保護機能の低下を招くことがあります。こうした行動が繰り返されることで、炎症やかゆみ、ひび割れといった症状につながっていると考えられています。

また、手汗の減少も冬の手湿疹に関係しているとされています。汗には皮膚を守る役割があり、寒くなると汗の分泌量が減少。その影響で皮膚が硬くなってしまうことも。この他にアレルギー体質の方や職業的に水仕事や洗剤を使う機会が多い方は、手湿疹の症状がでやすいことがあります。

手湿疹対策としてできること

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

手湿疹を和らげるためには、肌への負担を減らしながら保湿や刺激対策を行うことがポイントになりそうです。以下のような工夫が考えられます。

  • こまめな保湿:入浴後や手洗いのたびに保湿剤を塗ることで乾燥予防に役立つとされています。特にワセリンや尿素含有のローションなど、肌のバリアをサポートするとされる商品を選びましょう。

  • 手洗いの工夫:熱すぎるお湯は皮膚を乾燥させやすいため、ぬるま湯を使うことが推奨されることがあります。石けんは刺激が少ない低刺激性タイプに切り替えるとともに、洗った後は優しく拭いて、すぐ保湿をすることが良いとされています。

  • 手袋の活用:外出時や水仕事の際に手袋を使うことが摩擦や水から肌を守る可能性があります。素材にも注意が必要で、敏感肌の方はコットン製など刺激の少ないものを選ぶとよいでしょう。

  • 生活環境の調整:室内の湿度を最適に保つ加湿器の使用や、暖房の設定温度の見直しも肌の乾燥に対してプラスになることがあります。

これらの方法は手湿疹の症状の軽減を目指すものであり、症状が強い場合には医療機関での診断や相談も検討しましょう。

冬の手湿疹と上手に付き合うために

冬の手湿疹は気温や湿度、生活習慣の変化が複雑に絡み合い、皮膚にさまざまな影響を及ぼすと考えられています。原因を理解し、こまめな保湿や手洗いの仕方の見直しなど日々のケアを積み重ねることで、症状の悪化を和らげる可能性があります。

また、手湿疹が繰り返す場合や炎症や痛みが強いと感じる場合は、専門の医療機関に相談するとよいでしょう。適切な診断と治療が必要なこともあり、自分の肌の状態に合ったケアを見つけていくことも大切です。


監修者:PRIDE CLINIC 院長 久野 賀子(https://pride-clinic.com/)

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2017年東京医科歯科大学医学部医学科 卒業。
日大板橋病院にて初期研修終了後、湘南美容クリニックに入職し、5年半勤務。
新宿本院皮膚科医局長として通常の勤務だけでなく、新人医師の指導、VIP対応、トラブル対応に従事。
2024年11月新宿二丁目にPRIDE CLINICオープン。