1. トップ
  2. 医師「大腸がんの初期症状かも」→ただの『お腹の張り』と放置しないで…チェックしたいポイントとは

医師「大腸がんの初期症状かも」→ただの『お腹の張り』と放置しないで…チェックしたいポイントとは

  • 2025.11.29
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

日々の生活の中で感じる「お腹の張り」。実はこの違和感が大腸がんの初期症状である可能性も指摘されています。お腹の張りは消化不良や便秘、ストレスなど多くの原因で起こるため、「まだ大丈夫」と安易に考える人も少なくありません。

今回は、専門医の見解もとに、大腸がんの初期症状としてのお腹の張りの意味やチェックしておきたいポイントをわかりやすく解説します。

お腹の張りと大腸がんの関係性:知っておきたい症状の見分け方

お腹の張りは大腸がんだけでなく、胃腸炎や便秘、過敏性腸症候群などさまざまな病気のサインとして表れることが多いです。しかし、がんとの関連で注目されているのは、症状が慢性的に続く場合や、次のような特徴がある場合です。

  • 腹部の張りが徐々に強くなっている
  • 便通の変化(便秘と下痢を繰り返すなど)が同時に見られる
  • 排便時に血が混じる、または便の形が細くなる時期がある
  • 体重減少や疲れやすさなど、他の全身症状も伴う

こうした症状の組み合わせは、大腸の内部に異常が起きている可能性を示すため注意が必要です。特に50歳以上の方や家族に大腸がんの既往がある場合は、こうした変化を見逃さずにおくことが推奨されています。さらに、定期的ながん検診も重要だとされています。

大腸がんのリスクや検査のポイント

undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

大腸がんは日本でも罹患率が高く、男女ともに主要ながんのひとつとされています。食生活の変化や高齢化に伴いリスクが高まる一方、早期に見つかれば治療の選択肢も広がることが知られています。また、早期の段階では、目立った痛みや激しい症状がないことが多いため放置されがちです。

前述の通り、お腹の張りが継続する中で便の状態の変化や血液が混じる場合は、医療機関での受診を検討すると良いでしょう。問診や触診のほか、便潜血検査や大腸内視鏡検査などを通じて詳しく調べることで、大腸の状態を正確に評価するための重要な手段となります。

なお、がんリスクを示す要因としては、

  • 高脂肪・低繊維食の傾向があること
  • 喫煙や過度の飲酒
  • 肥満や運動不足
  • 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)の既往
  • 大腸がんの家族歴

などが指摘されています。これらの点も踏まえ、日頃からの体調変化に気を配ることが望ましいと考えられます。

また、自分で観察しておきたいポイントとしては、

  • 症状がどれぐらい続いているか
  • 便の色や形、量の変化
  • お腹の張りが食事の後に特に強くなるか
  • 他に現れている体調の変化(体重減少や倦怠感など)

などがあります。こうした情報を整理して受診時に伝えることで、スムーズな診察につながることもあります。

日々の小さな変化を逃さずに

お腹の張りは誰にでも起こる身近な症状のため、「そのうち治るだろう」と流してしまいがちです。しかし、場合によっては大腸がんの初期症状である可能性が示唆されることもあります。体の声を聞きながら、特に続く不調や便の変化などは見過ごさず、必要に応じて医療機関での検査をおこないましょう。40歳を目途に大腸内視鏡検査を受けて頂くことも、早期発見・予防に繋がりますので、気になる方はご相談ください。

大切なのは、自分の体を大事にする気持ちを持ち続けること。「こんなことで受診したら恥ずかしい」などと考えず、まずは専門医に相談してみてはいかがでしょうか。


池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック 東京豊島院 院長:柏木 宏幸

undefined

東京女子医科大学消化器内科に入局後、複数の医療機関で胃・大腸内視鏡を中心とした臨床経験を積み、同大学病院助教を経て2023年に現クリニックを開院。胃がん・大腸がんの早期発見と内視鏡検査の普及をミッションに掲げ、健康診断や生活習慣病の治療をはじめ、一般内科および消化器疾患の診療、内視鏡検査と幅広く取り組んでいる。また、クリニックのYouTube(https://www.youtube.com/@HKa-wb4jw)を通じて医療知識や内視鏡検査の重要性をわかりやすく発信し、医療情報の普及活動にも尽力中。

都内トップクラスの内視鏡設備を完備し、土日診療対応、胃・大腸カメラ同日検査、専門医による鎮静下内視鏡、女性医師による検査体制など、患者さんの苦痛を抑えたきめ細かな検査環境を提供。今後も一人でも多くの患者様が安心して内視鏡検査を受けられるよう、質の高い医療サービスを追求し続ける。

池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック東京豊島院:https://www.ikebukuro-cl.com