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管理栄養士「1日50g以上は避けて」→実は食べ過ぎに注意したほうがいい『発酵食品』とは?

  • 2025.11.28
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

健康に良いイメージが強い発酵食品。でも、管理栄養士が「1日50g以上は避けて」と言う食品があります。なぜ量に気をつける必要があるのでしょうか?発酵食品は腸内環境を整えるという嬉しい効果だけでなく、塩分や糖分、酸などを多く含むものもあります。気付かないうちに食べ過ぎてしまうと、体への負担になる場合があるんです。

今回は、そんな“食べ過ぎに気をつけたい発酵食品”について、背景や気をつけたいポイントをわかりやすくご紹介します。

発酵食品の正体とは?発酵のメカニズムと特徴を探る

発酵食品とは、主に微生物の働きによって食材が変化した食品のことです。ここでいう微生物は、主に「乳酸菌」や「酵母菌」、そして一部の「カビ」などです。これらの微生物が糖質やたんぱく質を分解し、酸やアルコール、有機酸などを生み出すことで、食品は独特の風味や食感、保存性を獲得します。

たとえばヨーグルトの乳酸菌は牛乳の中の乳糖を分解し、さわやかな酸味をつくりながらとろりとした食感に変えます。味噌や醤油の発酵ではカビや酵母が活躍し、深い旨み成分を引き出します。つまり発酵食品は、微生物の力で新しい味わいや食感を生み出した“自然の変身食品”とも言えるでしょう。

さらに発酵は食材の保存性を高める働きもあります。微生物が作る酸やアルコールが雑菌の繁殖を防ぐため、腐りにくくなるのです。この特徴が昔の人たちの暮らしに大きな役割を果たし、世界各地で独自の発酵食品文化が育まれてきました。

食べる量に気をつけたい食材は「キムチ」

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

発酵食品の代表格のひとつであるキムチは、野菜を唐辛子や塩、魚介の調味料とともに乳酸発酵させた食品です。発酵の過程で乳酸菌が増え、腸内環境に良い影響が期待される一方で、味付けに多くの塩と辛味成分が使われるため、摂りすぎると塩分過多につながりやすくなってしまうことも。

一般的にキムチには100gあたり2〜3gの塩分が含まれるため、日常的に多量に食べると塩分摂取量が増えて血圧上昇のリスクを高めることにつながります。そのため、1日の摂取量は30〜50g程度にとどめるのが安心です。

キムチは料理の副菜として手軽に取り入れられますが、ついつい大量に食べてしまうこともあります。家庭でよく使われる「小皿に軽くひと盛り」は約30〜50g。この量であれば、塩分の摂りすぎを避けながら発酵食品のメリットを得られるでしょう

また、辛味や発酵由来の成分に敏感な体質の方は、過剰摂取で胃腸の不快感が出ることもあります。食べる際は量を意識しつつ、主菜や副菜とのバランスを整えながら楽しむことがポイントです。

キムチとの上手な付き合い方のヒント

発酵食品は、微生物の力で食材が変化した食品です。ヨーグルトや納豆、味噌、キムチなど、身近な食品にもたくさん含まれて、適量の摂取を続けると腸内環境を整えるなど、体にうれしい効果が期待できるのが魅力です。ただし、塩分や酸、糖分が含まれるものもあり食べ過ぎには注意が必要です。

例えばキムチは塩分も多く含んでいるため、1日の摂取量は30〜50g(小皿1盛り)を目安にするのがよいでしょう。また、辛味や刺激で胃腸が不快になりやすい人は量をさらに調整するのがおすすめです。適量を心がけながら取り入れれば、発酵食品であるキムチのメリットを最大限を活かすことができるでしょう。  


監修者:工藤まりえ

大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。