保護者「全く知らなかった」3年前、小4男子が激しいつかみ合い…元教員が明かす“令和ならではのトラブル原因”

こんにちは。元小学校教員で、現在はWebライターをしているみずいろ文具です。

子どもたちにとって「オンラインゲームで友だちと遊ぶ」のは、今や当たり前の時代になりました。
けれどその裏には、見えにくいトラブルの火種も潜んでいます。

今回は、私が教員時代に実際に見た「オンラインゲームがきっかけで起きたケンカ」のエピソードを通して、家庭でのルールづくりの大切さについて考えていきます。

前日のボイスチャットが“休み時間のケンカ”に？

3年前、4年生を担任していた時の出来事です。
ある日の休み時間、子どもたちが「先生、大変なことになってます！」と職員室にいた私を呼びに来ました。

慌てて教室へ戻ると、2人の男の子が激しいつかみ合いをしていました。
間に入って話を聞くと、なんと原因は前日の夜のオンラインゲーム中のボイスチャット。
遊びの最中に言い合いになり、そのままもやもやした感情を引きずって登校したとのことでした。

お互いの気持ちを整理し、仲直りをしましたが、この件を保護者の方に連絡したところ、
双方とも「全く知らなかった」と話していました。

大人の目の届かないオンラインゲームでのトラブルが、現実の学校生活にまで影響している—。

その事実に、強い危機感を覚えたことを今でもはっきりと覚えています。

オンラインゲームをめぐるトラブルは、年々増えています。

特に、対戦型のアクションゲームでは、

といった問題が多く見られます。

さらに、知らない相手とつながるリスクも無視できません。

パーティでの協力プレイ中、友だち同士で遊んでいるつもりが、実は相手が大人で「今度会おうよ」と誘われた、というケースもあります。

また、保護者が「特にルールを設けず自由に遊ばせている」ケースほど、トラブルが起きた際に「学校で何とかしてほしい」と対応を丸投げすることが多いです。

オンライン上の出来事という性質上、学校として対応できる範囲には限りがあります。

“まずは家庭でルールを作って子どもを守る”という認識を、社会全体で共有していく必要があると感じています。

多くの人気オンラインゲームには、対象年齢の目安（CEROレーティング）が設けられています。

たとえば「13歳以上」「15歳以上」といった区分があるのは、チャット機能・課金要素・対戦中の表現などが、発達段階によっては刺激が強すぎる場合があるためです。

「流行っているから」「友だちがやっているから」とすぐに始める前に、どんな内容なのか、そしてどんな危険性があるのかを、保護者が一緒に確認することが大切です。

ルールを決めるときは、次の3つを意識すると良いでしょう。

こうしたルールを「禁止」ではなく「安心して遊ぶための約束」として話し合うことで、子どもも納得して守れるようになります。

現代では、子どもが成長する中でオンラインの世界は避けて通れません。

だからと言って、使いこなすのが難しいツールやゲームをルールもなしに与えてしまうと、大切な子どもを危険にさらしてしまうこともあります。

実際、スマホやオンラインゲームで子どもがトラブルを起こしたり、危険に巻き込まれたりするケースが後を絶ちません。

インターネットの世界を子どもから切り離せなくなった今だからこそ、
保護者も“見えない世界”に関心を持つことが大切です。

大切な子どもたちを守るためには、「知らなかった」では済まされません。

親子で話し合いながら、安心して遊べる“ルールある自由”を育てていきましょう。

ライター：みずいろ文具

関東の公立小学校で15年間、子どもたちと向き合ってきました。教室での日々を通して感じた喜びや戸惑い、子どもたちから教わったことを、今は言葉にしています。教育現場のリアルや、子どもたちの小さな成長の瞬間を、やさしい視点でお届けします。

参考：特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構「CEROについて」（https://www.cero.gr.jp/publics/index/3/）