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「3月に見つけて4月に交渉」同じ物件でも家賃が3,000円下がった…不動産会社社長が明かす「繁忙期の裏ワザ」

  • 2026.3.31
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

部屋探しをしている方の中には、家賃が少しでも安くならないかと考えている方も多いのではないでしょうか。特に3月は進学や転勤で引越しが集中する時期のため、一般的には家賃交渉が通りにくいといわれています。

ただし、必ずしも交渉ができないわけではありません。物件によっては、繁忙期が終わる4月以降に条件が変わることもあります。空室が残る物件では、家賃や初期費用が調整されるケースもあるためです。

今日は、3月から物件を探していた30代男性が、4月のタイミングで条件交渉ができた実際のエピソードをご紹介します。繁忙期を少し過ぎたことで、同じ物件でも条件が変わった事例です。

4月の問い合わせで変わった「大家の反応」

数年前、30代の男性Aさんが部屋探しの相談に来られました。転職をきっかけに引越しを検討していた方です。

Aさんが気になっていたのは、駅徒歩7分・1LDK・家賃8万2,000円の物件。スマートフォンで物件情報を見ながら「この物件、3月にも募集されていましたよね」と話しました。

そこで管理会社に確認すると、担当者から次のような回答がありました。

  • 4月に入り問い合わせが減っている
  • 空室が続く前に入居者を決めたい
  • 条件は少し調整できる可能性がある

3月は引越しの繁忙期のため交渉が難しいこともあります。しかし4月になると部屋探しの人が減るため、家賃や初期費用を相談できるケースも出てくるのです。

繁忙期が終わると空室が残る物件も出てくる

3月は賃貸市場のピークです。次のような理由で引越しが集中します。

  • 大学進学
  • 転勤
  • 新社会人の入社

そのため、人気物件はすぐに入居者が決まることも少なくありません。

しかし4月以降になると引越しのピークが過ぎるため、部屋探しをする人が一気に減少。その結果、空室が残る物件も出てきます。空室が続くと、オーナーにとっては家賃収入が止まることになります。しかも空室でも次のような費用は発生します。

  • 共用部の電気代
  • 固定資産税
  • 管理費

そのためオーナーの中には、空室が長引くよりも、多少条件を調整して早く入居者を決めたいと考える方もいます。

Aさんは思い切って、家賃と初期費用の値引きを交渉しました。

実際に提示された「条件変更」

その後、管理会社から折り返しの連絡がありました。提示された条件は次の内容でした。

  • 家賃:8万2,000円→7万9,000円
  • 礼金:1ヶ月→0.5ヶ月
  • フリーレント:1ヶ月

フリーレントとは、入居後の一定期間の家賃が無料になる契約条件です。

Aさんは計算してみて驚いていました。今回の条件変更を金額で考えると、次のような差が出ます。

  • 家賃3,000円の値下げ→年間約3万6,000円の差
  • フリーレント1ヶ月→約8万円の負担減

これらを合計すると、初年度だけで10万円以上の差になります。同じ物件でも、募集のタイミングによって条件が変わることは珍しくありません。特に繁忙期が終わる4月以降は、家賃や初期費用が調整されるケースもあります。

ただし「交渉できない物件」もある

すべての物件で家賃交渉ができるわけではありません。物件によっては、4月以降でも条件が変わらないケースがあります。

特に次のような物件は、交渉が難しい傾向があります。

  • 駅徒歩5分以内の駅近物件
  • 人気エリアの物件
  • 新築や築浅の物件
  • 募集を開始して間もない物件

これらの物件は入居希望者が多いため、オーナーが条件を下げる必要がありません。そのため、繁忙期が過ぎても家賃が変わらないこともあります。

もう一つ注意したいのが、すでに相場より安い物件や、適正価格となっている物件です。周辺の家賃相場と比べて適正価格の物件は、もともと値下げできる余地がほとんどありません。

相場を確認せずに値下げ交渉をすると、管理会社やオーナーに悪い印象を持たれることもあります。交渉をする場合は、まず近隣の家賃相場を確認することが大切です。

家賃交渉で失敗しないために

賃貸の家賃交渉は、タイミングによって結果が変わることがあります。特に4月以降は、次のような条件が調整されるケースもあります。

  • 家賃の小幅な値下げ
  • 礼金の減額や無料化
  • フリーレント(一定期間の家賃無料)

ただし、交渉で大切なのは頼み方よりも根拠となる数字です。次の点を確認してから相談することが重要です。

  • 近隣の家賃相場
  • 同じマンションの過去の賃料
  • 同条件の競合物件の家賃

相場を把握したうえで相談すれば、管理会社やオーナーも判断しやすくなります。

逆に、相場を知らずに強い値下げ交渉をすると、印象が悪くなり申込みを断られるケースもあります。

部屋探しでは、タイミングと相場の把握が重要です。交渉を考える場合は、まず周辺の家賃を確認することが、損をしないための現実的な方法といえるでしょう。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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