1. トップ
  2. 風邪予防になる『ネギの食べ方』はどっちが正解?→“焼く”か“煮る”か、管理栄養士が徹底解説

風邪予防になる『ネギの食べ方』はどっちが正解?→“焼く”か“煮る”か、管理栄養士が徹底解説

  • 2025.11.23
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

寒い季節になると、風邪予防に役立つ食材としてネギがよく挙げられますよね。実は、調理法によって風邪をひきにくくする成分を効率よく摂取できるかどうかが変わってきます。

今回は管理栄養士の視点から、ネギの栄養や食べ方にまつわる驚きの事実について解説します。

ネギに含まれる栄養とは?その多彩な魅力に迫る

ネギは、ビタミンやミネラル、食物繊維といった健康的な要素が豊富に含まれている野菜です。具体的には、ビタミンCやビタミンK、カリウム、カルシウムなどがネギの代表的な栄養素。ビタミンCは身体の調子を整えたり、肌の健康を保つのを助ける役割があるとされるほか、ビタミンKは血液凝固に関わっているといわれています。

カリウムは過剰な塩分の排出をサポートするとされ、生活習慣の維持に役立つ可能性も期待されています。さらにネギには食物繊維も含まれているため、整腸作用が期待できるとする見解もあります。

今回注目したいのはネギに含まれる「アリシン」という香り成分。アリシンはネギ独特の刺激的な香りに加え、体調を整える働きが期待される成分として知られています。

「焼く」vs「煮る」ネギの違いとは?栄養成分と調理のポイント

undefined

ここでポイントになるのは、アリシンは熱に弱く、長時間の加熱で減ってしまうという性質です。ちなみに、アリシンは水溶性であるため、長時間水にさらされることでも減ってしまいます。

そのため、風邪予防などで摂り入れたい場合は「焼く」ほうがおすすめです。焼く場合は表面を高温でサッと加熱するため、アリシンや香り成分を比較的多く残せるのが特徴。また、加熱により甘みが引き出され、香ばしさもアップ。焼きネギの香りは食欲を刺激し、体を内側から温めるサポートにもなります。

一方、「煮る」場合はじっくり火を通すため、アリシンが湯に溶け出したり分解されたりしやすくなります。煮汁ごと摂れば一部の成分はとれますが、香りや刺激成分は弱まり、風邪予防に役立つ要素はやや減る傾向にあります。

つまり、栄養と香りをしっかり活かしたいなら、焼き調理のほうが理想的といえるでしょう。

また、アリシンはビタミンB1と結びつくことで体内で安定しやすくなるため、豚肉などのB1を多く含む食材と合わせて摂るのもおすすめです。焼きネギと豚肉の炒め物や、グリル料理に組み合わせると、風邪予防にもおいしさにも一石二鳥。

煮込み料理にネギを使う場合も、仕上げに“焼きネギ”をトッピングするなど、香りを活かす工夫をすると、栄養も風味もアップしますよ。

風邪予防で取り入れるなら「焼きネギ」がおすすめ

まとめると、ネギは“焼く”ことでアリシンの損失を抑え、香りと栄養をしっかり残せる点が最大のメリットです。もちろん、煮ることで柔らかく甘い食感を楽しむのも魅力的ですが、風邪予防を意識するなら“焼きネギ”のほうが効果的といえるでしょう。

毎日の食事で、焼いたネギを上手に取り入れてみませんか?香ばしい風味とともに、寒い季節を健やかに乗り切るヒントになるはずです。


監修者:かきねキッチン 小池 三代子(InstagramブログX

管理栄養士×保育士|実務経験13年|現在はフリーランスの管理栄養士として、栄養相談や献立作成、記事執筆・監修を中心に活動中。「人に寄り添い、無理なく実現できる食生活のサポート」をモットーに、忙しい中でも続けられる、簡単でおいしい時短レシピを発信している。