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管理栄養士「まだ生きているかも」 『アニサキス』による食中毒…家庭でできる対策とは

  • 2025.11.25
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お寿司やお刺身など、魚介類を生で食べるときに注意したい「アニサキス」。名前は耳にしたことがあっても、どんなものか詳しく知らない方も多いのでは?実はこのアニサキスが原因の食中毒は、国内で毎年一定の件数が報告されています。生魚や刺身を楽しむ際に、油断できない存在です。

この記事では、アニサキスによる食中毒の特徴や、家庭でできる対策についてわかりやすくお伝えします。

身近に潜むアニサキスのリスク―なぜまだ生きている可能性があるのか?

アニサキスは主にサンマや鮭やサバなどの生魚に寄生していることが多く、人がそれらを食べることで食中毒(アニサキス症)を起こします。

魚に寄生したアニサキスが胃や腸の壁に食い込み、激しい腹痛や吐き気などを引き起こします。食後数時間以内に症状が現れることも。また、アニサキスが胃壁等に食い込まない場合でも、アニサキスが抗原となって、じんま疹やアナフィラキシーなどのアレルギー症状を示す場合があります。

ただし、すべての魚にアニサキスがいるわけではなく、寄生の有無は魚の種類や漁獲地域、季節、保存状態などによって異なるとされています。また、冷凍処理をすることで、アニサキスは死滅するといわれていますが、単純に冷凍すれば大丈夫というわけではありません。次で詳しく見ていきましょう。

自宅でできる!アニサキスリスクを減らすポイント

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

では、家庭で魚介類を扱う際にどんな対策が考えられるでしょうか。ポイントを押さえることでリスクを一定程度抑えられるとする見解があります。

  • 十分な加熱調理:中心温度が60℃以上で1分以上加熱することで、寄生虫は死滅するとされています。
  • 冷凍処理:専門的には-20℃で24時間以上の冷凍が推奨されています。家庭用冷凍庫の多くは-20℃以下を一定時間維持することが難しい場合がありますので、十分に冷凍時間を確保することが大切です。
  • 目視での確認:生の魚を調理する際は、できるだけ内臓をすぐに取り除き、表面や身に異物がないかチェックすることが勧められています。ただし小さく透明に近いアニサキスは見落としやすい点に注意が必要です。

アニサキスによる食中毒の特効薬はありません。胃にアニサキスが食い込んでいる場合、内視鏡を用いてアニサキスを摘出したり、腸に食い込んでしまっている場合は、痛みや炎症を抑える治療が行われます。多くの場合は時間とともに改善することが多いとされていますが、場合によっては激しい症状を伴うことがあります。したがって、魚介類を食べる際は特に体調や食べたものに注意を払うことが大切です。家庭で調理する際は今回紹介したポイントを参考に、調理環境や器具の清潔さにも気を配るとよいかもしれません。

アニサキスによる食中毒のリスクをしっかり理解しよう

生の魚介類は、私たちの食生活に豊かな彩りを添えます。しかし同時に、アニサキスのような寄生虫のリスクもあります。アニサキスに対する家庭でできる簡単な工夫や、食べる際の注意点を知っておくことで、より安心して魚介類を楽しめるでしょう。 に対する一定の理解や対策を知っておくと、より安心して楽しめます。家庭でできる簡単な工夫や、食べる際の注意点を心にとめることで、魚介を安全に味わうことができるでしょう。

販売されているものだから全て安心と捉えず、家庭でできる対策を今日から実践してみてくださいね。


監修者:工藤まりえ

大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。