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「全然不適切な内容じゃなかった」「なんで?」テレビ局が“放送中止する”異例措置に騒然…だけど「神アニメ」絶賛の一作

  • 2025.11.19

ドラマや映画の中には、観る者を驚嘆させるほど緻密に作り込まれた作品があります。今回はそんな中から“話題になった名作アニメ”を5本セレクトしました。本記事ではその第3弾として、アニメ『ぐんまちゃん』(TOKYO MX 他)をご紹介します。可愛らしいキャラクターたちが登場する地元愛にあふれたアニメでありながら、本作が放送中止になった理由とは?

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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※Google Geminiにて作成(イメージ)
  • 作品名(放送局):アニメ『ぐんまちゃん』(TOKYO MX 他)
  • 放送期間:2021年10月3日~12月26日

『ぐんまちゃん』は、“群馬”ではなくひらがなの“ぐんま”の世界を舞台に、主人公であり群馬県のマスコットキャラクター・ぐんまちゃん(CV:高橋花林)とその仲間たちが、日々のすこし不思議で楽しい出来事を経験していく物語です。“ぐんま”の世界には、ハニワ、ダルマ、イチゴ、忍者といったユニークな住人がともに暮らしています。

友達と遊んだり、学んだり、冒険したりと、あたたかく優しい日常を送るぐんまちゃん。約7分のエピソード3本立てで構成された30分番組として、自分らしさとはなにかという問いや、日常の中のワクワクをさりげなく伝えてくれる作品です。

群馬出身のキャストも!“地元愛”に包まれたアニメ『ぐんまちゃん』

アニメ『ぐんまちゃん』の見どころは、なんといっても“群馬愛”がたっぷりと詰まっている点。舞台となる“ぐんま”は、現実の群馬県をやわらかくデフォルメしたような世界で、草津温泉や赤城山といった群馬名物が、物語の中で自然に登場します。どのエピソードにもふるさとのあたたかさが感じられ、群馬をよく知らない人でも興味を持てるような構成となっているのです。

主人公であるぐんまちゃんは、群馬県の公式マスコットキャラクターとして生まれた存在。そのやさしい性格やすこしおっとりした口調には、群馬県民のおだやかで人情味のある気質が反映されているかのよう。また、作品全体に流れているのは、身近な自然への敬意と、地元文化を楽しむ心です。温泉地の魅力を子どもでもわかる形で紹介するなど、地元の名物を通してぐんまの豊かさをユーモラスに伝えています。

さらに注目すべきなのが、群馬出身のスタッフや声優が数多く参加している点です。群馬県が製作・著作を担当しているほか、あおま役を務める内田彩や、みーみ役を務める小倉唯など、群馬出身のキャストが名を連ねます。観れば観るほど、群馬の魅力が伝わってくるのです。

物議を醸した第11話の“競艇場回”

アニメ『ぐんまちゃん』は、第11話が放送中止となっています。第11話は競艇場を舞台にした回で、登場人物たちが舟券を大量に購入して大金を得たり、帰りの電車賃を失うほどつぎ込んだりする姿が描かれていました。そのシーンが「射幸心(幸運を得たいという感情や欲望)を過度にあおる」と判断した群馬テレビが、第11話を放送しなかったのです。

アニメ『ぐんまちゃん』の放送中止についてSNSでは「全然不適切な内容じゃなかった」「なんで?」との声があがりました。本作は競輪場が舞台となった回が放送された際にも、視聴者から放送倫理・番組向上機構(BPO)に複数の指摘が寄せられており、子ども向け番組としての在り方についてたびたび議論を呼んでいます。

地域一体となって制作されたアニメ『ぐんまちゃん』には、リアルな地元愛が吹き込まれています。とくに群馬県民は、作中で群馬の名物が登場すると、ついうれしくなってしまうのではないでしょうか。「神アニメ」と称されるアニメ『ぐんまちゃん』は、まさに“故郷アニメ”の代表格といえるでしょう。


ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari

※記事は執筆時点の情報です