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「知らなかった」教育委員会からの“抗議が勃発”→再放送中止の異例措置…だけど「最高傑作」大ヒットを記録した衝撃ドラマ

  • 2025.11.17

映画は完成し、劇場公開を迎えたにもかかわらず、その後の配信や放送が困難になってしまう作品があります。そんな中でも、今なお多くのファンが「もう一度観たい」と願う名作が存在します。今回は、そんな「放送・配信中止になった名作」をご紹介します。 本記事では、第2弾として1984年放送のドラマ『不良少女とよばれて』をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です。
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます。

あらすじ

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岡田奈々 インタビュー(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『不良少女とよばれて』(TBS系)
  • 放送期間:1984年4月17日〜1984年9月25日
  • 出演者:伊藤麻衣子(現・いとうまい子)、国広富之、伊藤かずえ、岡田奈々ほか

舞楽者である原笙子さんの自伝的小説をドラマ化した本作。ある事情から非行を重ね、不良のレッテルを貼られた少女・曽我笙子(伊藤麻衣子)が、雅楽で笙を奏でる楽師・久樹哲也(国広富之)との出会いをきっかけに、更生への道を歩み始める物語です。

母親の何気ない一言「お前なんか生まれてこなければよかった」によって傷つき、非行に走った過去を持っていました。哲也との出会いにより、かつて父から習っていた舞楽を再び志すことを決意。自首して女子少年院『相模愛育女子学園』に入園した笙子は、そこで様々な困難に遭遇しながらも、哲也の愛と舞楽への情熱によって、少しずつ生まれ変わっていきます。

社会現象級の大ヒット

不良が社会問題として注目されていた1980年代という時代背景も相まって、本作は放送当初から大きな反響を呼び、高い平均視聴率を記録。

大ヒットとなった本作ですが、「恋は壊れやすいのよ。ビタミンCのようにね」などの独特なセリフ回しや、チェーンを振り回すスケバンたちの迫力あるアクションシーンが話題となりました。主題歌のMieさんが歌う『NEVER』も大ヒット。本作は後の『スケバン刑事』や『セーラー服反逆同盟』など、学園アクションドラマの礎を築いた作品としても知られています。

再放送が教育委員会からの猛抗議で再放送中止に

本放送での大成功を受け、17時台という子どもたちも観られる時間帯に再放送が組まれた本作。しかし、この再放送が新たな波紋を呼ぶことになります。高い視聴率を記録しましたが、教育委員会から猛抗議が寄せられ、放送中止に追い込まれたのです。

2024年4月、伊藤かずえさんがTBSラジオ『土曜ワイドラジオTOKYO ナイツのちゃきちゃき大放送』に出演した際、この裏話を明かしています。子どもたちが観られる時間帯だったため、教育委員会から抗議が来て放送中止になった経緯について振り返りました。

不良少女たちの抗争シーンや過激な描写が、教育上好ましくないと判断されたのでしょう。しかし、この放送中止の顛末も含めて、本作が当時いかに社会的なインパクトを持っていたかを物語るエピソードと言えます。このエピソードについてSNSでは「知らなかった」と驚きの声も見られました。

岡田奈々さんの快演が光る名作

本作において、主人公の笙子と並んで視聴者の心を掴んだのが、哲也の婚約者・葉山恭子を演じた岡田奈々さんです。舞楽の名門家の令嬢として登場した恭子は、当初は哲也との結婚を控えた幸せな女性でした。しかし、哲也が笙子に心を寄せるようになってから、彼女の人生は一変します。

哲也から「笙子さんを立ち直らせるまで結婚を待ってほしい」と告げられた恭子は、睡眠薬自殺を図るも一命を取り留めます。その後、哲也を忘れるために葉山家を出て保育士として働き始めますが、悪徳ビジネスマン・酒井の策略に巻き込まれ、さらなる不幸に見舞われていきます。岡田奈々さんは、清楚な令嬢から転落していく女性の心情を繊細に演じ、視聴者の涙を誘いました。

岡田奈々さんの美しさと演技力については、SNS上でも多くのファンが称賛しています。あるユーザーは「どのシーンも美しかった」と投稿。また別のユーザーは「きれいだったなー」とその印象を語っています。

哲也の離席中にスナックで婚姻届を目にするシーン、Mieさんの主題歌『NEVER』が流れる中で表情を曇らせる恭子の姿は、多くの視聴者の記憶に残る名シーンとなりました。

ぜひ一度ご覧ください!

1984年に放送されたドラマ『不良少女とよばれて』は、驚異的な視聴率を記録した大映ドラマの金字塔です。舞楽者・原笙子さんの自伝的小説を原作に、不良少女の更生と成長を描いた本作は、社会問題を真正面から取り上げ、視聴者の心を強く揺さぶりました。

しかし、その過激な描写ゆえに再放送が教育委員会からの抗議で中止となるなど、物議を醸した作品でもあります。伊藤麻衣子さん(現・いとうまい子さん)の体当たりの演技、伊藤かずえさんが演じるカミソリマコこと長沢真琴、そして岡田奈々さんが演じた悲劇のヒロイン・葉山恭子。それぞれの俳優が魂を込めた演技は、40年が経過した今でも色褪せることなく、多くのファンの心に残り続けています。

放送中止という波乱を経験しながらも、学園アクションドラマの礎を築いた本作。その社会的影響力と作品としての完成度の高さは、今なお語り継がれる名作たる所以と言えるでしょう。


※執筆時点の情報です