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「地上波では出来ない」「もの凄く攻めてる」“あまりにも挑戦的な脚本”に騒然…「衝撃すぎて震えた」“虜になる”至高ドラマ

  • 2025.11.22

ドラマの中には、地上波では踏み込みきれない“人間の奥底”をあらわにし、強烈な余韻を残す作品があります。今回は、そんな中から"地上波ギリギリの過激描写が話題のWOWOWドラマ"を5本セレクトしました。

本記事ではその第1弾として、ドラマ『絶叫』(WOWOWプライム)をご紹介します。孤独と貧困の果てに、主人公・鈴木陽子がたどった苛烈な転落の人生とは――。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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映画の公開記念舞台あいさつに登壇した女優・尾野真千子(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『絶叫』(WOWOWプライム)
  • 放送期間:2019年3月24日~4月14日
  • 出演:尾野真千子(鈴木陽子 役)

国分寺の古いアパートで、女性の遺体が発見されました。死後半年ほどが経過しており、遺体は複数の飼い猫に食べられて原形をとどめていません。現場では「よくある孤独死」として処理されそうになりますが、「鈴木陽子・36歳」(尾野真千子)と身元が判明。事件を担当する女性刑事・奥貫綾乃(小西真奈美)は、「彼女はどんな人生を歩んできたのだろうか」と思いを巡らせ、そこから事件を追い始めます。

陽子は、ごく一般的な家庭に生まれた、“普通の女性”。しかし幼い頃から、母・鈴木妙子(麻生祐未)は弟ばかりを溺愛。娘の陽子にはひどく冷淡でした。家族の中で十分な愛情を得られずに育ったことが、彼女の心に深い傷を残します。

その後、借金を抱えた父親が突然失踪し、陽子の人生は一気に暗転。ここから社会的にも経済的にも不運が重なり、彼女は徐々に追い詰められていくことに――。愛されたい、経済的に自立したいというごく自然な願いが、かえって陽子を苦しめる要因になってしまいます。

やがて陽子は「棄民」――社会から見放されたかのような存在へ――。そんな中で神代武(安田顕)と出会い、そこから這い上がって生きるために、そして自分の居場所をつくるために、保険金殺人へと手を染め、社会の闇へ足を踏み入れるのでした――。

孤独死した女性の過去に迫る社会派サスペンス

WOWOWの「連続ドラマW」で制作された『絶叫』は、葉真中顕さんの小説を原作とした社会派サスペンスです。物語は、36歳で孤独死したと思われる「鈴木陽子」という一人の女性の人生をたどる形で進んでいきます。監督は水田成英さん、脚本は池田奈津子さんが担当し、貧困や無縁社会といった現代の闇を真正面から描いた作品です。

主演の尾野真千子さんは、“普通の女性”として生きてきた陽子が、やがて“社会に見放された存在”へと変わっていく姿を、迫真の演技で体現。

SNSでは、「不幸な女性役がハマりすぎ」「共感してしまう」といった感想が数多く寄せられています。また、「振り切った演技が素晴らしい」「一気に引き込まれた」「いつも最高すぎる」「このドラマを観て大ファンになった」「最強の女優」といった称賛の声も相次ぎました。

さらに、神代武を演じる安田顕さんは、悪役でありながら目が離せない危うい魅力を放ち、圧倒的な存在感で物語の軸を支えています。孤独死した遺体の真相を追う刑事・奥貫綾乃役の小西真奈美さんが物語を引き締め、毒母・鈴木妙子を演じる麻生祐未さんの熱演が、陽子の孤独と哀しみをいっそう際立たせました。

本作の大きな特徴は、社会の歪みが個人の人生をどう変えてしまうのかを丁寧に描いている点にあります。毒母、父親の借金、生活困窮、ブラック企業、孤立――逃げ場を失った陽子が犯罪に手を染めていく流れは、彼女の過酷な現実と深い絶望を鋭く映し出しています。

WOWOWが得意とする重厚な社会派ドラマとして、地上波では扱いにくいテーマに真正面から挑んだ点も話題を集めました。刺激的な描写だけでなく、陽子の内面と背景を丁寧に積み重ねたことで、物語全体の緊張感がいっそう際立っています。

こうしたテーマに真正面から向き合った姿勢が、視聴者に強い印象を残し、高い評価へとつながりました。

毒親、生活困窮、孤立…胸をえぐる社会の闇

本作が浮かび上がらせる大きなテーマのひとつが、“貧困ビジネス”や陽子が関わる犯罪の闇です。社会の支援からこぼれ落ちた人々の姿や、陽子が“棄民”のように扱われる場面は、胸が痛みます。さらに、神代武が率いるNPO法人の表と裏が交錯する展開は、弱い立場の人が搾取されていく構造を鋭く浮き彫りにしています。まさに社会派ドラマの真骨頂と言える内容です。SNSには、「地上波では出来ない」「もの凄く攻めてる」といった声が寄せられました。

しかし、その一方で、「壮絶な人生で切なかった」「人生のリアルさが心に刺さった」「衝撃すぎて震えた」といった感想も。また、「尾野真千子と安田顕が出てる作品はハズレがない」「安田顕、悪い男なのにめちゃくちゃ魅力的」「尾野真千子の演技力に圧倒された」といった称賛も絶えません。

過激な描写が描いたのは現代社会の中で居場所を失った人々の姿――陽子が辿った道のりを振り返るとき、本作が投げかける問いが心を揺さぶります。まさに“地上波ギリギリの過激描写が話題のWOWOWドラマ”と呼ぶにふさわしい名作です。


※記事は執筆時点の情報です