「お餅が火だるまに！？」お正月を迎える前にチェックしたい“トースター火災”を防ぐポイント

2025.12.31

お正月はお餅を食べるご家庭も多いはず。オーブントースターでこんがり焼いて、お醤油をつけたりお雑煮に入れたり…さまざまな調理方法でおいしくいただけるため、常にストックしているという方もいるでしょう。

しかし、焼きすぎにはくれぐれも気をつけたほうが良さそうです。

「オーブントースターでお餅を加熱しすぎると燃える可能性がある」というNITE（独立行政法人製品評価技術基盤機構）の注意喚起が話題になっています。

オーブントースターはたくさんの家庭にあるとても身近な家電の一つ。しかし、使用方法を誤ると、思いがけない事故が発生してしまう場合があるようです。

NITEの注意喚起が話題に

NITEは2025年12月10日、自身の公式X（旧Twitter）アカウント（@NITE_JP）を更新。「電子レンジと同じく火を使わないトースターですが、加熱しすぎると燃えますお餅も加熱のしすぎに注意です！」という文章とともに、オーブントースターで長時間加熱したことにより、黒焦げになったお餅がボンと音を立てて燃え上がる映像を投稿しました。

NITEによれば、実際には他にもさまざまな事故が確認されているのです。

例えば、オーブントースターの手入れを怠っている方は要注意。庫内に溜まっている油汚れや食品かすが加熱されることにより、出火する事例が報告されているそうです。そのため、定期的に清掃するよう心掛けましょう。

また、トレイを使用せずに揚げ物を加熱した結果、ヒーターに滴下した油分などが受熱してしまい出火した事例もあるのだとか。思わぬ事故の発生を防ぐためにも、オーブントースターを使用する際は、くれぐれも取扱説明書の記載に従うようにしましょう。

事故を防ぐためには？

それでは、私たちはオーブントースターによる事故を防ぐため、どのような点に注意する必要があるのでしょうか？

NITEによると、まずは「調理中、目を離さない（ときどき、確認してください）」とのこと。実は、事故の多くは調理中にその場を離れたり目を離している際に発生しています。どうしてもその場を離れる必要がある場合、定期的に確認する、家族にお願いするなどの対策をしましょう。

また、「小まめに掃除をする」のも有効な手段。特に、油分を含む食材を加熱した後は要注意。なお、清掃する際は火傷などを防ぐため、冷めてから行いましょう。

他にも、「加熱し過ぎない」のも重要なポイントの一つ。調理中は庫内を定期的に確認し、食品の様子を見ながら加熱すると良いでしょう。なお、油分がヒーターに落ちる可能性のある食材を焼く場合は、必ずトレイを使用しなければいけません。アルミ箔を敷いても漏れる場合があるため、トレイと併用するよう注意を呼び掛けています。

なお、バターやマーガリンなどを塗ったパンを焼くのも危険です。油脂を多く含むものを塗った状態で加熱すると発火する可能性があるそうです。そのため、「焼いたあとにバターなどを塗ってください」と説明しています。

もし発火してしまったら…？

気をつけて使用していても、何らかの原因でオーブントースターが発火してしまう場合もあるかもしれません。その際に、私たちはどのように対処すれば良いのでしょうか？

NITEによると、オーブントースターの庫内で発煙・発火した場合、「電源プラグを抜き、火が消えるまでオーブントースターのドアを開けないでください」とのこと。一刻も早く消火したい気持ちは分かりますが、空気が入ると火が大きくなる可能性がありとても危険です。

また、ガラスに水を掛けるのも絶対にNG。「急激にガラスの温度が下がることでガラスが割れ、けがをするおそれがあります」と注意を呼び掛けています。

取扱説明書をしっかりと確認しよう

思わぬ事故を防ぐためにも、NITEは取扱説明書をしっかりと確認し、適切に使用するよう説明しています。

実は、「電源プラグのコードプロテクター部に過度な外力が加わったため、電源コードが断線、スパークし、出火に至ったものと考えられる事故や製品の上に置いていた物が焼損した事故なども発生」しているのだとか。

「これぐらい大丈夫…」と油断していると、いつか大きな事故を引き起こしてしまうかもしれません。取扱説明書に記載されている注意事項や警告は、絶対に守るようにしてくださいね。

お正月を安全に迎えるためにも、年末の大掃除のタイミングでオーブントースターの庫内もしっかりと清掃しておきましょう。日頃のお手入れを心掛けることで、お正月のお餅を安心しておいしくいただけるはずです。

参考：
ナイト（独立行政法人製品評価技術基盤機構） NITE公式（@NITE_JP）公式Xアカウント
 Vol.439 10月24日号『オーブントースターの事故』（独立行政法人製品評価技術基盤機構）