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なぜ“勝男”は視聴者に愛されるのか?「最初は嫌いだったけど」「目が離せない」週を追うごとに“注目度”が上がる【火曜ドラマ】

  • 2025.11.27
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火曜ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』第6話より(C)TBSスパークル/TBS

毎週火曜よる10時から放送中のドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(以下『じゃあつく』)が、週を追うごとに注目度が上がっている。

女子は料理ができて当たり前など、凝り固まった価値観を持っていた海老原勝男(竹内涼真)と、異性にモテることに全振りし、本当の自分を見てもらうことは二の次だった山岸鮎美(夏帆)。結婚間近だったふたりだったが、鮎美は勝男のプロポーズを断ってしまう。そこから勝男の改革が始まるのだが、勝男演じる竹内涼真が「ハマり役」だと評判である。

今、発揮されている竹内涼真の良さとは。

※本記事はネタバレを含みます。

最初はモラハラモンスターだった

これまで多くのヒーロー役を演じてきた竹内涼真。そんなイメージも相まって、彼を“カッコイイ”と感じる人も多いのではないだろうか。だが、『じゃあつく』での竹内涼真はどうかというと……。

1話での勝男は「男はこうであるべき」「女はこうであるべき」と自分の価値観が全てだった。自分が言うことは正しいと思っているから、周りの反論も聞き入れない。ドラマではいくらかはマイルドに表現されてはいるが、いわゆるモラハラ男なのである。

このモラハラ男の表現が絶妙。鮎美の料理にダメ出しをするときも「鮎美のことを思って言ってあげているんだよ」という姿勢を崩さない。本人は心からいいことをしていると思っている。ニコニコと笑顔で明るくダメ出しをする。別に鮎美にいじわるなことをしてやろうというわけではないのだ。ナチュラルモラハラだから余計に厄介だ。反論したとしても響かないであろう、強固な芯のあるモラハラを感じさせる。そこはかとなく感じさせるモンスター感に、最初はゾッとした人も多いのではないだろうか。

こんな素直な男がいるのかと驚かされる

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火曜ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』第6話より(C)TBSスパークル/TBS

モンスター勝男を変えたのは鮎美への愛だった。なぜ鮎美は自分のもとを去ったのか。勝男からすれば、自分は完璧な恋人であり続けたはずだった。なのに、別れた理由を聞いても鮎美からは「言っても分からない」と答えることさえも拒否された。

答えてもらえないけれど、分かりたい。鮎美のことを理解するために始めたのが料理だった。

会社の後輩たちに言われて、鮎美が作ってくれていた筑前煮を作ってみたり、出汁をひいてみたり。実際に作ってみることで、どれだけ鮎美が料理一品一品に手間をかけてくれていたかを知る。ただ、実際のところ、鮎美は出汁はひかずに出汁の素を使っていたわけだが。

しかし、勝男の素晴らしいところは、自主的に料理を作り始めたわけではないということだ。後輩に言われて、素直にやってみた、という行動がかわいいのだ。前なら頭越しに否定してやろうとも思わなかったはず。それが「言われたとおりに行動してみれば世界が変わるかもしれない」「相手のことを理解できるかもしれない」と思い、どんどん新しい世界の扉を開けていっている。その行動が勝男の考え方も、伝える言葉も変えていっている。

極めつけは6話だ。自分が作った小籠包を鮎美に食べてもらった勝男。

「鮎美に褒められたくて料理を始めた」と素直に言えたことは物語の中で大きな転機ではないだろうか。そして、ここまで、周りの人たちの言葉を受けて、素直に行動に移し続けていたからこそ、説得力が増したセリフだ。

ちょっと“ウザい”、けどかわいい

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火曜ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』第6話より(C)TBSスパークル/TBS

それまでずっと完璧を求めていた1話の勝男。だが、鮎美にプロポーズを断られたことによって、完璧ではなくなった。きっと、今でも完璧になりたいと思っているだろうし、だからこそあがいている。がむしゃらにあがいている姿は、滑稽にも見えるけれど、時として人の心を打つ。だからこそ、勝男の周りの人たちは彼を放っておけない。

相変わらず、こだわりが強くて時として人に鬱陶しがられる場合もある。でも、それもひとつのことに一生懸命だからこそ。視聴者からも「逆にウザさが心地いい」「最初は嫌いだったけど今は好き」「目が離せない」とクセになっているとの声も。それでも人の話に聞く耳は持つようになった。自分の意見は曲げないけれど、納得すれば受け入れる姿勢ができあがった。そんな姿はこれまでの竹内涼真像も変えつつある。こんな竹内涼真見たことない! という驚きと共に、回を追うごとにどんな姿を見せて心を揺さぶってくれるのだろう、と期待もさせてくれる。

“かわいさ”と“ウザさ”と。その絶妙なバランスを演じ、「カッコイイ」に新たな要素が加わった竹内涼真は今後、無敵なのではないだろうか。


TBS系 火曜ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』毎週火曜よる10時

ライター:ふくだりょうこ(Fukuda Ryoko) うさぎと暮らすライター。シナリオやインタビュー、コラム、エッセイなどを中心に執筆。小説とお酒と音楽とドラマがあればだいたいご機嫌。