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20年前、子供向けアニメで流れた“全力ピュアソング” 大人も魅了し愛され続けるワケ

  • 2025.11.24

2005年の冬、街は少しだけ優しかった気がする。劇場版アニメのエンディングで子どもたちが体をはずませ、親たちもつい微笑んでしまう。そんな、“世代を超えて共有された幸福な瞬間”が、たしかにあった。

Berryz工房『ギャグ100回分愛してください』(作詞・作曲:つんく)――2005年11月23日発売

Berryz工房にとって石村舞波の卒業後、7人での初シングルとなったこの曲は、劇場版アニメ『映画 ふたりはプリキュア Max Heart 2 雪空のともだち』のエンディングテーマとして制作された。アニメ映画の余韻をそのまま抱きしめるような、無邪気でまっすぐな愛の歌だ。

子どもと大人をつなぐ、“つんく流の魔法”

Berryz工房にとって、この曲はひとつの節目だった。メンバーの石村舞波が巣立ち、新しい体制で進んでいくタイミングにリリースされた『ギャグ100回分愛してください』。その背景には、つんく♂らしい“前向きな転換点のエネルギー”が感じられる。

メロディは軽やかでポップ、リズムはまるでスキップのように跳ねる。だが、その中にあるメッセージは意外なほどに誠実だ。子どもの純粋な愛情表現をモチーフにしながらも、「好き」を伝えることの勇気や照れくささを、“笑顔で包み込む優しさ”として描いている。

Berryz工房のメンバーたちのボーカルも、ただ元気なだけではない。まだ10代の彼女たちが、歌詞の中の“愛してください”をどう表現するか――その少し背伸びしたニュアンスが、曲に微妙な切なさを与えているのだ。

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2008年、サンシャインシティー30周年記念イベントでライブを行ったBerryz工房(C)SANKEI

“かわいい”を超えた、完成度の高さ

この曲を支えるアレンジは、当時のハロープロジェクト作品の中でも特に緻密。まるでミュージカルのワンシーンのように展開していく。キャッチーでわかりやすいのに、音のひとつひとつが丁寧に配置されている。だからこそ、子どもが口ずさんでも飽きず、大人が聴いても“ちゃんと音楽として気持ちいい”。

Berryz工房というグループの個性も、この曲でより明確になった。「元気で明るいだけじゃない。等身大の“かわいさ”を武器にしている」。それが、彼女たちの魅力であり、ハロプロ全体における新しいポップ像を形づくっていった。

“ギャグ100回分”の真意

タイトルの“ギャグ100回分”という言葉には、つんく♂らしい遊び心が詰まっている。けれどその本質は、「どんな冗談よりも、まっすぐな気持ちこそ人を笑顔にできる」という信念にある。笑わせるのではなく、笑顔にさせる。それがこの曲の本当のチカラだ。

Berryz工房の7人が見せた無邪気な笑顔は、単なるアイドルのパフォーマンスではなかった。思春期特有の不安や揺らぎを抱えながらも、それを“明るさ”として昇華していく姿勢が、この時期の彼女たちをより特別な存在にしていた

今も残る、“心を軽くする歌”

発売から20年。『ギャグ100回分愛してください』を聴くと、不思議と心が軽くなる。笑いすぎて涙が出るような、あの素朴な喜びを思い出すのだ。音楽が誰かを救う、という言葉があるけれど、この曲はもっと日常的な優しさで包んでくれる。

「今日も少し笑おう」――その気持ちを思い出させてくれる音楽。それこそが、この歌が20年経っても愛され続ける理由なのだ。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。