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「死産したわが子への思いが軽い」夫に指摘した妻。【私だけの地獄】を実感して<お空に行ったきみ>

  • 2025.10.29

かばのきさんは、娘のこつぶちゃんを育てながら不妊治療に通っています。そして、人工授精の末、待望の第2子を授かりました。しかし、ある日の妊婦健診で医師から、染色体異常のリスクがあることを告げられます。
その後、先天性異常の可能性を指摘されますが、詳しい検査をする前におなかの赤ちゃんの心拍が停止していることが判明。激しい痛みを伴う前処置を乗り越え、赤ちゃんを出産します。

退院してまもなく、赤ちゃんの火葬の日を迎えたかばのきさん。奇跡的に残った小さな骨を持ち帰り、毎朝赤ちゃんの骨壺に挨拶をするのが日課になります。

かばのきさんはどうにか立ち直ろうとしますが、本人が想像していた以上に心の傷は深く、児童館できょうだいを連れたママや妊婦さんを見かけるたびに、嫉妬で心は大荒れ。

それでも二人目の赤ちゃんが欲しい気持ちと、「私にそもそも子どもを望む資格なんてなかったんじゃないか」という自己嫌悪のはざまで、自分の気持ちに振り回され続けます。

一方で、迫りくる妊活のタイムリミット。不妊治療を再開するべきかどうか葛藤するかばのきさんは、夫婦で思い悩んだ末、「妊活をやめる」と苦渋の決断。

そんな中、義妹の妊娠に対しきちんと「おめでとう」とお祝いの言葉を贈れたことで、自分自身が少しずつ前を向き始めていることを自覚します。

※不妊治療、死産についての表現があります。苦手な方は閲覧をお控えください。また、医療行為や症状については専門家にお尋ねください。

私だけの地獄

出産予定日を前に、かばのきさんは夫に対して、赤ちゃんの棚に誰も手を合わせてくれないことを言及します。

「あの子の存在が軽い気がする」と不満を伝えると、夫は「そうかもしれない」と言いました。

この地獄は、私だけの地獄なのか……

14週で生まれた亡きわが子に対する温度差を実感し、理解しあえない夫婦の大きな溝を感じつつ、自分のために流してくれた涙や心づかいに、かばのきさんは救われるのでした。

▼おなかの中で誰よりもその存在を感じていたかばのきさんは、すでに赤ちゃんの“母親”だったのでしょう。一方で、「生まれて一緒に過ごせた訳じゃないから……」という夫。誰も悪気がないこの亡きわが子への気持ちの温度差に、かばのきさんはとても苦しみます。人それぞれの想いの表し方に触れていくうちに、かばのきさんの“地獄”が少しずつでも癒されていくと良いですね。


著者:マンガ家・イラストレーター かばのき

ベビーカレンダー編集部

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