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25年前、50万枚をこえた“静かな激情を描いた”別れの一曲 痛くてやさしい“心の叫びソング”

  • 2025.10.28

「25年前の冬、あなたはどんな夜を過ごしていただろう?」

2000年の終わりが近づき、21世紀を目前にしていた日本。ネオンの光が冷たく瞬く都会の夜。携帯電話の着信音が流行を映す一方で、人々の心には“少しの孤独”が漂っていた。そんな時代に、GLAYはまるで時代の喧騒を切り裂くように、静かで激しい一曲を放つ。

GLAY『Missing You』(作詞・作曲:TAKURO)――2000年11月15日発売

この曲はランキング初登場1位、50万枚を超えるセールスを記録。TAKUROが紡いだメロディと詞は、ロックバンドの枠を超えた“叙情詩”のような深みを帯びていた。

静けさの中に宿る、愛の残響

『Missing You』が描いているのは、華やかな恋ではない。物語の時間はすでに“終わりのあと”にある。互いに言葉を選びすぎて、もう何も伝えられない――そんな沈黙の空気を、TAKUROの旋律は丁寧にすくい上げている。

イントロで鳴り響くストリングスは、涙を抑えるように静かで、やがて激情のように広がっていく。その対比が、「まだ好きなのに、離れていく」という心の揺れを見事に映し出しているのだ。

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GLAY-2000年撮影(C)SANKEI

“別れ”を美しく包むための音

この曲の最大の特徴は重厚なアレンジだ。激しいギターを先導するように激しく鳴り響くストリングスは、まるで“最後の会話”を演奏しているかのよう。激しいリズムを抑え込み、音の余白で感情を語らせる――そこに、GLAYらしくもあり、新鮮さも感じさせる表現があった。

ロックの力強さの中に、静かな優しさを見せる。

それが、当時のGLAYが持っていた“成熟したロマンチシズム”だった。

TAKUROが描いた「失っても愛は残る」という真実

TAKUROがこの曲で描いたのは、悲しみではなく“愛の余韻”だ。別れたあとも、相手を思う気持ちは消えない。フレーズには、届かない想いを静かに見つめる姿がある。

TERUのボーカルは、語りかけるように響く。“強がらない歌声”が、むしろ本当の強さを伝えている。それは、声を張り上げて泣くよりもずっと痛く、やさしい。

時代の終わりに生まれた“激しくも静かなラブソング”

2000年という節目の年、ミレニアムの高揚の中で、この曲はあまりに静かで、あまりに人間的だった。誰もが未来を語る中で、彼らは過去を抱きしめていたのだ。

『Missing You』は、時代の空気に寄り添うよりも、“人の心の温度”に寄り添った。その普遍性が、今もなお多くの人の胸に残り続けている。

雪のように溶けて、それでも残るもの

25年経った今も、この曲を聴くと心が少しだけ冷たくなる。でも、その冷たさの中に、確かに温もりがある。それは、別れたからこそ知る“愛のかたち”なのかもしれない。

あの冬、街のどこかで聴こえた“Missing You”というフレーズは、今も変わらず、誰かの胸の奥で静かに響き続けている。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。