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「国内最高峰レベル」NHKがみせた“攻めの姿勢”…「間違いなく河合優実の最高傑作」放送から2年、“驚異の支持”を得る名ドラマ

  • 2025.10.22

視聴者の心に深く刻まれ、放送後も長く語り継がれる作品たち。笑いと涙、そして人生への新たな気づきをもたらし、多くの人々に愛される特別なドラマが存在します。今回は、そんな"ファンの心を掴んだNHKドラマ"として、2023年放送のドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(NHK)をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です。
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます。

あらすじ

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映画祭に登場した河合優実(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(NHK)
  • 放送期間:2023年5月14日~7月16日(NHK BSプレミアム・BS4K)、2024年7月9日~9月24日(NHK総合)

主人公・岸本七実(河合優実)は、学校では「三軍女子」と呼ばれる地味な高校生。ベンチャー企業家だった父・耕助(錦戸亮)は中学2年生の時に急逝し、母・ひとみ(坂井真紀)は高校1年生の時に心臓病で突然車いすユーザーに。弟・草太(吉田葵)はダウン症、祖母・芳子(美保純)は認知症という、次々と困難が襲う家族の物語。

それでも七実は、家族一人ひとりと向き合い、時にぶつかり合いながらも、かけがえのない日々を紡いでいきます。現実と想像が交錯する独特の演出で、家族のリアルな葛藤と愛情が描かれていく全10話の物語です。

「攻めている」と評された挑戦的な作品

本作の大きな特徴は、映画『勝手にふるえてろ』などで知られる大九明子さんが脚本・演出を手掛け、現実と主人公の想像(妄想)シーンを巧みに織り交ぜた独創的な表現手法にあります。市之瀬浩子さん、鈴木史子さんとの共同脚本により、障害や介護、家族の死といった重いテーマを扱いながらも、ユーモアと希望を失わない作品に仕上がりました。

SNSでは「正しく攻めてるドラマ」という声が上がるなど、コンプライアンスを意識しつつも果敢に家族の本音に切り込んだ姿勢が高く評価されました。障害のある家族との日常を美化せず、しかし愛情深く描くバランス感覚が、多くの視聴者の共感を呼んだのです。

ダウン症の弟役を演じた吉田葵さんの自然体の演技も話題となり、福地桃子さん、奥野瑛太さん、林遣都さん、古舘寛治さん、山田真歩さんといった実力派俳優陣が脇を固め、作品に深みを与えています。

視聴者の心に残った演技と家族の物語

河合優実さんの連続ドラマ初主演作となった本作では、その繊細かつ力強い演技が光りました。「『不適切にも〜』より前に主演された作品なので、もう一度観たい」という視聴者の声にあるように、後の活躍を知る人々が改めて本作を求めるほど、印象的な演技を見せています。

また、錦戸亮さんと坂井真紀さんの夫婦役も大きな反響を呼びました。「思いつかないキャスティングだけどめっちゃ夫婦」「河合優実ちゃんは日本の宝」「間違いなく河合優実の最高傑作」という視聴者のコメントが示すように、意外性のある配役が見事にハマり、家族の絆を説得力を持って表現しました。

原作者の岸田奈美さんも各種メディアに出演し、作品への思いを語っています。実体験をもとにしたストーリーだからこそ生まれるリアリティと、それを丁寧に映像化したスタッフ・キャストの熱意が、視聴者の心を深く捉えたのです。

本作はBS放送後、2024年7月からNHK総合「ドラマ10」枠で地上波放送され、さらに多くの視聴者に届けられました。放送後もギャラクシー賞奨励賞や第121回ザテレビジョンドラマアカデミー賞監督賞(大九明子)を受賞するなど、高い評価を受け続けています。

「国内最高峰レベル」驚異的な支持を得る名作

本作は、家族という最も身近な関係性を、美化することなく、しかし深い愛情を持って描き出した秀作です。河合優実さんをはじめとする出演者たちの熱演、大九明子さんの革新的な演出、そして岸田奈美さんの原作が持つ普遍的なメッセージが三位一体となり、多くの視聴者の心に響きました。SNSでは放送から時を経ても「最高すぎる」「めっちゃ面白い」「国内最高峰レベル」と大絶賛の声が多数寄せられています。

ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』というタイトルが象徴するように、血縁だけでなく、共に過ごす時間と向き合う姿勢こそが家族を形作るのだと教えてくれる作品です。ギャラクシー賞をはじめ数々の賞に輝いたことも、その普遍的なテーマと挑戦的な表現が高く評価された証でしょう。家族について改めて考えたくなる、心に残る一作として、今後も長く愛され続けることでしょう。


※執筆時点の情報です