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25年前リリース→30万枚限定の“誰もが熱狂した”手拍子ソング 観客と共鳴した“フロア主役曲”

  • 2025.10.26

「25年前、あなたは誰と手を叩いていた?」

2000年の秋、渋谷の街にはミレニアムを迎えた高揚感が漂っていた。クラブのネオンも、テレビの音楽番組も、どこか浮き足立った空気に包まれる。そんな時代に生まれたのが、浜崎あゆみの“ライブ感”を詰め込んだ1曲だった。

浜崎あゆみ『AUDIENCE』(作詞:ayumi hamasaki・作曲:D・A・I)――2000年11月1日発売

9月にリリースされた3rdアルバム『Duty』からのリカットシングルで、30万枚完全限定生産という特別な形で世に送り出された。

“観客”が主役になった瞬間

タイトルの「AUDIENCE」は“観客”を意味する言葉。つまり、浜崎あゆみがこの曲で描こうとしたのは、ステージの上ではなく、フロアの熱だった。彼女がライブで感じる「共鳴」「声」「一体感」――そのすべてを音に閉じ込めたのがこの楽曲だ。

作曲を手がけたD・A・Iは、当時の浜崎作品の多くを支えたコンポーザー。彼が生み出した軽快なリズムに、アレンジを担当したHΛLがデジタルなきらめきを添え、エレクトロとロックの中間を行く、疾走感あふれるサウンドを完成させた。

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浜崎あゆみ-2000年 (C)SANKEI

手拍子が導く“幸福のビート”

サビでは自然と手が動く。観客が思わず「一緒に歌いたくなる」「一緒に叩きたくなる」――そんな瞬間を想定して作られた構成だ。実際、ライブでこの曲が始まると、ステージと客席の境界がなくなっていく。リズムに合わせて全員が同じ方向へ跳ねるような、あの“音楽の奇跡”を再現したのが『AUDIENCE』だった。

当時、彼女はすでに“平成の歌姫”として不動の地位を築きつつあったが、同時にファンとのリアルな関係性を常に大切にしていた

華やかなヒットの裏で、孤独や葛藤も抱えていた彼女が、「あなたがいるから私は歌える」というメッセージを込めたのが、この曲だといってもいいだろう。結果として、『AUDIENCE』はリスナーに「難しいことはいらない。ただ感じて、動いて」と語りかけるような一曲になった。

“あなた”と作る音楽

20世紀最後の年に放たれたこの曲は、ただのダンスナンバーではない。それは、“観客とアーティストが同時に作る音楽”というライブの形を示した曲だった。

サビの手拍子は、その象徴。ひとりで聴いても、自然と誰かとつながる感覚がある。だからこそ、今聴いてもあの頃のステージライトと歓声が、心の奥でふっと蘇るのだ。

音楽は、誰かと分かち合った瞬間に完成する。『AUDIENCE』は、そのシンプルな真実を2000年の空に描き残した。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。