1. トップ
  2. インド式計算法に挑戦!「96×95」→暗算できる?

インド式計算法に挑戦!「96×95」→暗算できる?

  • 2025.10.10
undefined

二桁同士の掛け算は筆算で計算すると面倒ですよね。しかし、今回は筆算ではなく暗算で計算して答えを出してみましょう。

 

問題

次の計算をしなさい。
96×95

この問題について、ある工夫をして筆算を使わずに計算していきます。

解説

答えは「9120」です。

では、どのような工夫をして計算しているのでしょうか。次のポイントにまとめましたので、確認していきましょう。

ポイント

100に近い数同士の掛け算は以下のように計算します。

<計算手順>
(1)それぞれの数字から100との差を求める
(2)一の位・十の位を出すために、100との差同士を掛けた数を出す
(3)百の位・千の位を求めるために、100から(1)で出た二つの数を引く

順番に追っていきます。まず(1)ですが、100から96と95を引くと以下のようになります。

100−96=4
100−95=5

次に(2)ですが、差分である4と5の掛け算をします。これが答えの下二桁になります。

4×5
=20

最後に(3)ですが、100から4と5を引きます。これが上二桁になります。

100−4−5
=91

よって、答えは「9120」になります。

証明

上記の説明は覚えていればできるのですが、なぜそうなるのかが気になりますね。証明も以下に書いておきます。

2つの数を、100からの差として次のように置きます:

A=100−a
B=100−b

※ここで a,bはそれぞれ100からの差です。

次にA×Bを展開を使って計算していきます。

A×B
=(100−a)×(100−b)
=10000−100a−100b+ab
=100(100−a−b)+ab

この式の「100(100−a−b)」は百の位以降の数を表しており、「ab」は下二桁を表しています。以上が証明になります。

まとめ

この方法はインド式計算と言われています。インド式掛け算は、数をベース(例:100)からの差として捉えることで、複雑な計算をシンプルに暗算できます。数学的にも正しく、実用的です。

計算は、一問や二問だけしてもあまり意味がありません。計算こそたくさん演習を積んで、理解度を深めていくことがとても大事になってきます。

桁数が増えると数の分け方や変形の仕方も変わってきますので、いろいろなパターンの計算問題を解いて、速く計算できるようになりましょう。分配法則を使った類似問題にもぜひチャレンジしてみてください。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):ニシケン
2年間、地方の学習塾に勤めて独立。現在はプロの家庭教師として働きながら、都内の難関私立中学や高校の予想問題や適性検査の執筆活動を行っている。たくさんの受験生のためになる良質な問題を作成し、どんな人が見てもわかりやすい解答解説作成を志す。


もう一問挑戦!

10秒で計算してみて!「42×48」→暗算できる?
10秒で計算してみて!「42×48」→暗算できる?