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批判殺到の【オープンマリッジ】選択で「浮気しても慰謝料なし」は成立するのか→弁護士は《法的トラブル》の可能性を指摘

  • 2025.9.19
「オープンマリッジ」の法的解釈は? ※画像はイメージ
「オープンマリッジ」の法的解釈は? ※画像はイメージ

夫婦間で合意をして、配偶者以外の異性と性的関係や恋愛関係を持つこと、いわゆる“婚外恋愛”を認める「オープンマリッジ」。最近では、YouTuberのヒカルさんが、今年5月に結婚した妻・進撃のノアさんとともに登場した動画内にて、今後の夫婦の形を「オープンマリッジ」にすることを宣言し、SNSを中心に批判的な声が殺到する事態となっています。

近年、ドラマなどで取り上げられて注目を集めることも増えた「オープンマリッジ」ですが、以前からSNS上では「お互いにOKだとしても、結局は不貞行為でしょ」「慰謝料を払いたくないという魂胆が見え見え」といった冷ややかな声が多く聞かれる一方、「現行の法律ではどう解釈されるのか」を気にする人もいます。

実際のところ、「オープンマリッジ」が法的トラブルに発展する可能性はあるといえるのでしょうか。佐藤みのり法律事務所の佐藤みのり弁護士に教えていただきました。

合意が「無効」となる可能性も

Q.夫婦がお互いに合意のもと、いわゆる婚外恋愛を認めることを指す「オープンマリッジ」は、現行の日本の法律ではどのように解釈されると考えられますか。

佐藤さん「日本の法律では、配偶者以外の異性と性的関係を持つことを『不貞行為』として、離婚事由の一つにしています(民法770条1項1号)。これは、不貞行為をした者が離婚を望まなかったとしても、不貞行為をされた者が離婚を望めば、裁判所の判断により離婚できるということです。

また、不貞行為をした配偶者とその相手は、2人で共同して『結婚生活の平穏』という法律上守るべき利益を侵害しているため、共同不法行為責任を負い、不貞行為をされた者から損害賠償請求され、賠償責任を負う可能性があります(民法709条、719条)。

『オープンマリッジ』は、不貞行為をされた者が不貞を理由に離婚したくなっても離婚できず、不貞に傷ついたとしても慰謝料の請求ができない―という夫婦間の合意と考えられます。

こうした合意は、不貞行為をされた者、いわゆる被害者側にとって一方的に不利な内容であるため、被害者側の真意が問題になります。例えば、合意の経緯などから、『オープンマリッジに合意しなければ、配偶者の機嫌が悪くなりそうで、結婚生活を維持するために致し方なく合意した』と考えられるような場合、被害者側の自由意思に基づく合意ではなく、『無効』と評価される可能性があります。

また、オープンマリッジの合意内容は、民法が定める日本の法律婚制度、それを前提とした親子関係の規定などと整合的ではなく、社会一般の常識からも離れていると思われ、そうした観点から『無効』と評価される可能性もあるでしょう」

Q.「オープンマリッジにしておけば、浮気しても慰謝料を払わなくていい」とする考え方もあるようですが、実際のところはどうなのでしょうか。

佐藤さん「先述のように、オープンマリッジの合意が『無効』となった場合、損害賠償請求されれば、慰謝料を支払わなければならなくなるでしょう。

仮に、オープンマリッジの合意の有効性が認められたとしても、合意の存在だけで、一切の慰謝料の支払いが免除されるわけではなく、慰謝料減額の一要素として考慮されるにとどまることも十分考えられます」

夫婦関係の悪化は「十分考えられる」

Q.現在の日本において、「オープンマリッジ」を選択することに法的リスクがあるといえますか。

佐藤さん「はい。事前に夫婦の合意により、婚外恋愛を認め合ったとしても、いざ婚外恋愛が始まると許せなくなり、感情のもつれにより夫婦関係が悪化することは十分考えられ、離婚請求や慰謝料請求などがなされる恐れはあります。そうなると、先述したように、オープンマリッジの有効性が裁判で争われ、望んでいなかった離婚や慰謝料の支払いという事態になる可能性があります。

また、夫婦間で婚外恋愛を認め合っていたとしても、婚外恋愛の相手が感情的になり、夫婦に対して嫌がらせをするなどトラブルになることもあり得ますし、婚外恋愛の相手との間に子どもができて、家族関係を再考することになるかもしれません。

法律婚制度は、安定的な夫婦関係、親子関係を守るものなので、オープンマリッジを選択することにより不安定化し、さまざまなトラブルが生じるリスクはあるでしょう」

オトナンサー編集部

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