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「15歳で作ったなんて!」27年前、衝撃を放った“天才のデビュー曲” 200万枚を超えた「幼いのに大人っぽい」R&Bポップス

  • 2025.10.6

「27年前の冬、あなたはどんな音楽を聴いていただろう?」

1998年の年末、街はクリスマスソングと平成のヒット曲が交差していた。街角のレンタルショップでは最新のアルバムが所狭しと並び、放課後の制服姿の高校生たちが立ち寄ってはお気に入りを手にしていた。そんな時代に、後のJ-POPシーンを根底から変える一人の少女が現れる。

宇多田ヒカル『time will tell』(作詞・作曲:宇多田ヒカル)――1998年12月9日

宇多田ヒカルのデビューシングルには『Automatic』と並んで『time will tell』も収録されていた。その存在感は決して小さくなく、わずか15歳の少女が描き出した世界観が、リスナーを震わせた瞬間だった。

静かに走り出した革命のデビュー

『Automatic/time will tell』は8cmと12cmの2形態で発売され、両者を合算すると200万枚以上のセールスを記録するメガヒットとなった。CDショップの店頭で手にとった人も少なくないだろう。宇多田の楽曲は時代を一気に未来へ押し進めた。

「R&Bの香りをまとった新しいポップス」という言葉では足りないほど、これまでの日本の音楽にはなかった響きがそこにはあった。歌声は瑞々しくも力強く、そしてどこか冷静に大人びていた。

多くの人にとって『Automatic』が入口だったが、同時に『time will tell』に強く心を掴まれたリスナーも多い。その都会的で余白のあるサウンドは、90年代後半のJ-POPにはまだ珍しく、「次の時代が来る」と予感させる一曲でもあった。

まるで深夜の街を歩きながら、自分自身と向き合う静かな時間を切り取ったような感覚を覚えた人もいただろう。

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2004年、映画『CASSHERN』のプレミア試写会に訪れた宇多田ヒカル (C)SANKEI

生まれながらの表現者の証明

『Automatic』『time will tell』ともに、作詞・作曲は宇多田ヒカル自身。当時まだ高校生でありながら、自らペンを取り、英語と日本語を自在に行き来するリリックを紡ぎ出していた。アメリカ育ちのバックグラウンドが反映されたその感覚は、日本の音楽シーンに新風をもたらした。

単に「若いのにすごい」という話ではなく、彼女が自分の声と楽曲をどう響かせたいかを最初から明確に持っていたことこそ、後に時代の象徴となる理由だった。

時代を変えた“最初の衝撃”

『Automatic/time will tell』のヒットは、単なるセールスの成功にとどまらなかった。宇多田の登場は、音楽番組の演出、ラジオの選曲、果ては音楽業界のマーケティングにまで影響を及ぼした。

それは“新しい才能”という一言では片づけられない、まさにカルチャーそのものの転換点だったのだ。

27年が経った今でも、『time will tell』を耳にすると、あの頃の空気がふっと蘇る。冬の街の冷たい風、コンビニに流れていたBGM、深夜のラジオから聞こえた宇多田の声。すべてが、ひとつの記憶に結びついている。

デビュー作でありながら、すでに未来を見据えていた一曲。『time will tell』は、まさに“時間が証明した”名曲だった。

あれから27年経った今もなお「おしゃれなメロディ」「15歳で作ったなんて…!」「珠玉の一曲」「幼いのに大人っぽい声が大好き」など称賛の声で溢れている。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。