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「イントロで鳥肌」25年前、110万枚超を売り上げた“儚く美しい愛のロック” 「無性に聴きたくなる」情熱ソング

  • 2025.10.3

「25年前の日曜日、あなたはどんな夜を過ごしていた?」

2000年2月。街の空気は新世紀を迎えた期待感と、不安が入り混じっていた。テレビでは話題のドラマが放送され、誰もが次の展開を心待ちにしていた。週末の夜、街角のCDショップからも、テレビやラジオからも同じメロディが響いていたのを覚えているだろうか。

B’z『今夜月の見える丘に』(作詞:稲葉浩志・作曲:松本孝弘)――2000年2月9日発売

木村拓哉と常盤貴子が主演したドラマ『Beautiful Life〜ふたりでいた日々〜』(TBS系)の主題歌として書き下ろされたこの曲は、リリースと同時にランキング初登場1位を記録し、最終的に110万枚を超えるセールスを達成。まさに2000年を象徴するラブソングとなった。

ドラマとともに駆け抜けたミリオンヒット

『今夜月の見える丘に』は、単なるタイアップを超え、ドラマの物語と一体となって多くの人の心に刻まれた。日曜の夜に流れるあのイントロは、テレビ画面の向こうの恋模様とシンクロし、視聴者の胸に深く響いていった。

「ドラマを観ればこの曲が聴こえ、曲を聴けばドラマを思い出す」――そんな相互作用が、国民的な記憶をつくり上げていったのだ。

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2006年、オリコン40周年記念表彰式「WE LOVE MUSIC AWARD」に登場したB’zの稲葉浩志 (C)SANKEI

B’zが示した2000年の姿

B’zにとって27作目のシングルとなるこの作品は、すでに数々のミリオンヒットを重ねた後のリリースだった。作詞を手がけた稲葉浩志は、切なさと力強さを併せ持つ言葉を選び、松本孝弘のメロディはシンプルでありながら壮大な余韻を残した。

そこに重なる稲葉の歌声は、熱量と儚さが同居し、ドラマが描いた“生きることと愛の物語”を映し出していた。

魅力の核心は“月”に込められた情緒

この楽曲が放つ最大の魅力は、“月”という象徴的なイメージがもたらす情緒にある。日常から少しだけ切り離された夜空の光は、恋の儚さや美しさを際立たせる。

聴き手の誰もが「自分の思い出の夜空」と重ね合わせてしまう普遍性こそ、この曲を時代を超えて愛される存在にした理由だろう。

社会現象を彩った名曲

ドラマ『Beautiful Life』は平均視聴率30%を超える社会現象となり、その中心にあったのが主題歌『今夜月の見える丘に』だった。B’zがドラマのために書き下ろした曲という点も話題となり、CDシングル市場が依然として盛り上がりを見せていた時代に、ミリオンセールスを達成したことは象徴的だった。

また、このシングルには松本が手がけたギターの響きが際立つアレンジが施され、ラブソングでありながらもスケール感を持ったロックサウンドに仕上がっている。ライブでも長らく人気の一曲として披露され続け、B’zのキャリアを彩る代表曲のひとつとなった。

あの時代を照らした月の光

2000年の空気を象徴するように、『今夜月の見える丘に』は夜の静けさの中で強く輝いた。ドラマとともに人々の涙や笑顔を引き出し、誰かの人生の大切な時間を支えた一曲。あの頃、月を見上げながら胸に去来した感情は、今も音に触れるたび鮮明に蘇る。

令和7年を迎えた今も「秋の夜に無性に聴きたくなる曲」「B’zを好きになったきっかけの曲!」「イントロが好きすぎる」「イントロでもう鳥肌」など称賛の声で溢れている。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。