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「イントロからサビまで全部イイ」25年後も心を奪う“異色の日&英ソング” 40万枚超を売り上げた“国境なきサウンド”

  • 2025.10.3

「25年前の初夏、あなたはどんな音楽に耳を傾けていた?」

2000年の6月、ミレニアムの浮き立つ空気が街を包んでいた。湿った風がアスファルトに残り、夜の繁華街には新時代の気配が入り混じっていた。CDショップの店頭には次々と新しいアーティストのポスターが貼られ、ラジオからは未知の才能が次々と紹介されていた。そんな時代の真ん中で、ひときわ印象的な響きを放ったのがこの曲だった。

倉木麻衣『NEVER GONNA GIVE YOU UP』(作詞:倉木麻衣、Michael Africk・作曲:Michael Africk、Miguel Sa Pessoa、Perry Geyer)――2000年6月7日発売

異色の構成がもたらしたインパクト

『NEVER GONNA GIVE YOU UP』は、倉木麻衣にとって4枚目のシングル。 デビュー曲『Love, Day After Tomorrow』の大ヒットからシーンを席巻していた彼女。この楽曲は、日本語と英語が半々で構成されたバイリンガルソングだった。特にサビが全編英語で歌われる点は当時としては斬新で、日本のポップシーンに新しい風を吹き込んだ瞬間として記憶している人も多いだろう。

さらに倉木は、作詞・作曲を担当したMichael Africkとの英語によるラップの掛け合いも展開。ポップスの枠を超え、洋楽的なセンスを直接持ち込んだ構成は、10代の若さで活動していた倉木麻衣にとっても大胆な挑戦だった。

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2015年、JR西日本「あしたセレンディピティLIVE」に登場した倉木麻衣 (C)SANKEI

魅力の核心にある“ハイブリッド感”

『NEVER GONNA GIVE YOU UP』の大きな魅力は、英語と日本語が自然に混ざり合ったハイブリッドな表現にある。倉木の澄んだ声は、英語部分でも違和感なく響き、むしろサウンド全体に溶け込むことで国境を感じさせない軽やかさを生み出していた。リスナーにとっては、「これまでのJ-POPとはひと味違う」と直感できる新鮮さがあった。

このシングルは40万枚以上を売り上げ、彼女の人気が単なるブームではなく確かな支持に裏付けられたものであることを証明した。作家陣にはPerry GeyerやMiguel Sa Pessoaといった海外クリエイター陣も名を連ね、グローバルな布陣で制作されたことも特筆すべき点だ。

倉木麻衣はデビュー当時から世界を意識していた。『NEVER GONNA GIVE YOU UP』は、そのビジョンを早くも具体的に形にした作品であり、国内にとどまらない志向性を感じさせる1枚となっていた。

2000年の空気に響いた挑戦

2000年といえば、宇多田ヒカルや浜崎あゆみらがシーンを牽引し、女性シンガーの個性が百花繚乱に咲き誇った時代。その中で倉木麻衣は、サビを全編英語で歌い、日本語と英語を自在に行き来する“バイリンガルスタイル”を前面に押し出した。

単に英語を取り入れるのではなく、両言語を対等に響かせるアプローチ。グローバルな感覚をポップの中に自然と溶け込ませた姿勢が、彼女を新時代のポップアイコンとして際立たせていた。

耳に残る軽快なリズムと、国境を越える響き。あの夏の空気と共に、この曲を聴いたときの“開放感”は忘れられない。今振り返れば、『NEVER GONNA GIVE YOU UP』は倉木麻衣のキャリアにおいても、日本のポップシーンにおいても“挑戦の象徴”として輝き続けている。

あれから25年経った今もなお「イントロからAメロBメロサビまで全部イイ」「めっちゃくちゃ好きな曲」「ヤバいくらいにカッコ良い」と評する声が少なくない。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。