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「中毒性が半端ない」25年前、番組企画から生まれた“スタッフ集団”の本気ソング 売上40万枚を超えた“異例の大ヒット曲”

  • 2025.10.1

「25年前の冬、まさか“テレビ番組の裏方”が音楽シーンを席巻するなんて想像できただろうか?」

2000年。街を歩けばレンタルCDショップやゲームセンターの看板が鮮やかに並び、音楽番組の視聴率はまだゴールデンタイムを支える存在だった。そんな空気の中、ひとつの企画ユニットが、ついに最大のヒットを記録する。

野猿 feat.CA『First impression』(作詞:秋元康・作曲:後藤次利)――2000年2月2日発売

フジテレビ系ドラマ『お見合い結婚』のオープニングテーマとして書き下ろされたこの曲は、バラエティ番組発の“スタッフ集団”が歌うとは思えないほどの完成度で、約40万枚を売り上げるヒットを記録した。

“おふざけ”が本気に変わった瞬間

野猿は、バラエティ番組『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)から誕生した企画ユニット。カメラマンや大道具、衣装といった番組スタッフをメンバーに据え、当初は「単なるおふざけ」と思った人も少なくないだろう。だが、秋元康と後藤次利という名コンビが手がける本格的な楽曲、さらにとんねるずが絡む絶妙なプロデュースが相まって、予想外にも本格派として人気を拡大していった。

そんな彼らが挑んだ7枚目のシングル『First impression』は、特別な意味を持っていた。メインボーカルには、番組の音声スタッフである荒井千佳――通称“CA”が大抜擢されたのだ。裏方の女性スタッフが前面に立つという大胆な演出は、当時の音楽シーンにおいても異例中の異例だった。

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2000年、コンサート「野猿2000GTR武道館リミテッドインタークーラー付大発表会」より。中央がCA(荒井千佳)(C)SANKEI

透明な声がもたらした奇跡の化学反応

曲を聴けばわかる。『First impression』の魅力は、CAの透明感のあるボーカルに尽きる。野猿の男性陣のコーラスが力強く支える中で、女性ならではの柔らかさと澄んだ声が響くことで、これまでの野猿にはなかった新しい化学反応が生まれている。

それまで男性スタッフだけで構成されていたユニットに、女性ボーカルが加わるという変化は、「ただの企画モノってレベルじゃねぇぞ!」と世間に強く印象づけることになった。

夜を彩った、ドラマと共鳴する旋律

この曲が社会に広がった背景には、タイアップの存在も大きい。松たか子とユースケ・サンタマリアが主演したフジテレビ系ドラマ『お見合い結婚』のオープニングテーマとして、毎週の放送で流れ続けたことで、幅広い層に認知が広がった。ドラマの明るくも切実なテーマに寄り添うようなメロディと歌声が、視聴者の記憶に刻まれていったのである。

さらに、野猿にとってもこの曲はキャリアの頂点を象徴する存在となった。企画ユニットとして出発した彼らが、ドラマ主題歌という王道のフィールドで成果を出したことで、単なるお遊びを超えた“音楽的成功”を証明することになったのだ。

2000年の空気を閉じ込めた永遠の証言

約40万枚というセールスは、2000年というCD全盛期においても立派な記録だった。そして、それ以上に大きかったのは、裏方から生まれたユニットが正面から評価され、最大のヒット曲を残したという事実だろう。

「企画の延長線でしかなかったはずの音楽が、こんなにも胸に残るなんて」――そんな驚きと共に、多くの人の記憶に刻まれた。

今振り返れば、野猿という存在は2000年代初頭のテレビ文化と音楽文化を象徴するユニークな足跡だ。華やかな芸能人ではなく、汗を流すスタッフが歌い踊り、ドラマの主題歌としてチャートを賑わせた。その事実自体が、あの時代の自由さと熱気を物語っている。

『First impression』は、そんな空気を閉じ込めた“時代の証人”として、今もなお懐かしく響き続けている。

現に令和7年を迎えた今、「中毒性が半端ない」「ほんと曲調良すぎ…」「カッコイイ!」など称賛の声が止まない。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。