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「プラスのエネルギーが凄い」20年経っても新鮮な“黒タイツPVの未来的ポップ” 歌姫が10年待ち望んだ“実験的な名曲”

  • 2025.10.1

「20年前の冬、あなたはどんな音に包まれていた?」

2005年1月。街はまだ正月の余韻を残しながらも、新しい一年の始まりに期待と不安が交錯していた。冷たい空気の中、通りを行き交う人々の耳に飛び込んできたのは、従来のJ-POPとは一線を画す、どこか未来的で鮮烈なサウンドだった。

YUKI『JOY』(作詞:YUKI・蔦谷好位置・作曲:蔦谷好位置)――2005年1月19日発売

独創的な輝きを放ったシングル

『JOY』は、YUKIにとって9枚目のシングルであり、3rdアルバム『joy』の先行曲として発表された。ソロとして活動を広げていた彼女が、この曲で示したのは、それまでのポップロックやバンドサウンドとはまったく異なる表現だった。

打ち込みを駆使し「歌モノ」と「クラブサウンド」が融合したデジタルサウンドは、ジャンルを軽々と横断するような存在感を示していた。

この挑戦的な方向性を支えたのが、まだ当時は音楽プロデューサーとして駆け出しだった蔦谷好位置だ。彼が手がけたメロディとトラックは、シンプルでありながらも大胆な構築で、YUKIの歌声を唯一無二の形で際立たせている。

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2004年11月、渋谷パルコのクリスマスツリー点灯式に出席したYUKI (C)SANKEI

ミュージック・ビデオが描いた衝撃の世界

『JOY』の魅力を語る上で欠かせないのが、そのミュージック・ビデオだ。映像作家・中村剛が手がけたPVでは、全身黒タイツのダンサーたちに囲まれ、YUKIが独特のダンスを披露するという強烈なビジュアルが展開された。

当時、この映像は賛否を呼びながらも強い印象を残し、SPACE SHOWER TVの「SPACE SHOWER MUSIC VIDEO AWARDS 06」でBEST VIDEO OF THE YEARを受賞するという快挙を成し遂げる。

出会いが生んだ奇跡の一曲

『JOY』は、蔦谷好位置にとってもキャリアを決定づける作品となった。シングル曲を選ぶコンペで、彼が提出したデモを聴いたYUKIが「私はこの曲を10年待ってた」と語ったエピソードは今や有名だ。アーティストと作家の出会いが、そのまま楽曲の躍動感となって結実したといえるだろう。

その後、蔦谷は日本の音楽シーンを代表する音楽プロデューサーへと成長していくが、その第一歩を鮮烈に刻んだのがまさに『JOY』だった。

時代の空気を変えたサウンド

2005年の音楽シーンの中で『JOY』は従来の「歌謡曲的なポップ」とは異なる次元で、リスナーに未来の音楽の可能性を感じさせた。

軽やかで鋭いリズムに、浮遊感のあるメロディ。歌詞には特別な解釈を求める余地はないが、音そのものが聴く者を揺さぶる力を持っていた。「音楽ってこんなに自由でいいんだ」と気づかせてくれる、その突破力が人々を虜にしたのだ。

20年後も消えない余韻

『JOY』は、表現の自由さと実験精神で語り継がれる作品だ。奇抜さに見えるものが実は普遍的な魅力を帯びており、時間が経つほどに「新しさ」が甦ってくる

あの冬、街を歩きながら耳にした未来的なビートは、きっと今も誰かの胸の奥で鳴り続けている。20年経った今もなお、私たちはあの瞬間の驚きと熱を忘れることはないだろう。

現に「なんか泣きそうになる」「プラスのエネルギーが凄い」「鳥肌立ってる!」「魅力的すぎるなー」など称賛の声で溢れている。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。