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30年前、日本中が心躍らせた“疾走する自転車ソング” 70万枚超えを売り上げた“大人気バラエティテーマ”

  • 2025.9.27

「30年前、テレビから流れたあの曲を覚えている?」

1995年の冬。冷たい風が頬を刺すように吹きつける一方で、街のあちこちには正月明けの明るい雰囲気や新しい季節を迎えるワクワク感が漂っていた。駅前を行き交う学生のイヤホンから、カラオケボックスの扉を開けた瞬間から、ショッピングモールのスピーカーから——どこにいても飛び込んできたのは、自由に走り出すようなサウンドだった。

軽快で、どこか無邪気で、それでいて聴く人をぐっと前へと押し出すようなその楽曲は、当時の若者たちにとって確かな青春の象徴となっていた。

JUDY AND MARY『自転車』(作詞:YUKI・作曲:恩田快人)——1995年1月21日発売

バンドにとって6枚目のシングルであり、2ndアルバム『ORANGE SUNSHINE』(1994年)からのシングルカット。アルバムは約70万枚のセールスを記録し、バンドの勢いを裏づける作品集となった。その中でも『自転車』は、作品全体を代表する“駆け抜ける光”のような存在であり、聴く者の胸に鮮やかな印象を刻み込んでいった。

風を切って走り出す青春の疾走感

『自転車』の最大の魅力は、イントロから一気に駆け抜けていくような軽快なリズムと、弾けるメロディにある。

YUKIのボーカルは、まるで少年少女の心をそのまま映し出したかのように無邪気で透明感があり、風を切るように響き渡る。聴くたびに自転車で坂道を駆け上がるような高揚感があり、自然と足取りが軽くなる。

青春の輝きをそのまま音に変換したかのような一曲であり、90年代を生きた若者たちの記憶に深く刻まれた。

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JUDY AND MARY、コンサートツアー「THE POWER STADIUM DESTROY’97」より (C)SANKEI

伝説のバラエティが広げた共感の波

1995年10月から放送が始まったフジテレビ系『めちゃ×2モテたいッ!』のオープニングテーマに起用されたことで、『自転車』は若者文化の中心でさらに広く浸透していった。その後も『RADIO』が2代目オープニングテーマに選ばれ、続く『めちゃ×2イケてるッ!』では『BLUE TEARS』が主題歌として流れるなど、JUDY AND MARYの楽曲と番組との結びつきは一層強固なものとなった。

そして『自転車』は、“めちゃイケ”になってからも番組のロケ映像やコントの合間に繰り返し流れ、めちゃイケメンバーとともに時代を駆け上がっていった象徴的な一曲として、90年代を彩り続けたのだった。

記憶の中で走り続ける青春のサウンド

『自転車』は、JUDY AND MARYが、時代の象徴的な存在へと飛躍していく過程を示した一曲でもある。

ポップで親しみやすいメロディを持ちながらも、バンド特有のラウド感や疾走感を兼ね備えたサウンドは、のちの大ヒット曲につながる布石となった。自由でありながら芯があるスタイルを鮮やかに提示し、バンドの存在感を決定づけた重要な作品であった。

『自転車』を聴くと、誰もがあの頃の風景を思い出す。自転車を漕ぎながら感じる風の冷たさ、放課後に仲間と笑い合った時間、テレビ画面の中で繰り広げられた賑やかな映像。

すべてがこの楽曲と一体となって記憶に刻まれている。イントロが流れた瞬間、自然と心が軽くなり、体が動き出す。30年の時を経ても色褪せることなく、走り続ける青春のサウンドとして今もなお聴く人を突き動かし続けているのだ。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。