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これどうやって計算するか覚えてる?「(2+1/9)÷(2+1/3)+1−(−5)」→正しく計算できる?

  • 2025.12.6
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普段から頭の体操のために計算をしている人でも、分数や負の数の計算となると難しさを感じるかもしれません。

今回は、帯分数の割り算と負の数の引き算ができるかどうか、試してみましょう。

さて、あなたは正解できるでしょうか?

問題

次の計算をして、帯分数で答えなさい。
(2+1/9)÷(2+1/3)+1−(−5)

解答

正解は、「6+19/21」です。

どうやって計算をすればよいか、分かったでしょうか?

帯分数や負の数の計算をすっかり忘れてしまっていたという人でも、次の「ポイント」を読めば答えの出し方が分かるはずです。

ぜひご覧ください。

ポイント

この問題のポイントは、二つあります。

一つは「帯分数を仮分数にして計算すること」、もう一つは「負の数の引き算は正の数の足し算として計算すること」です。ざっくりいうと、どちらも「変身させてから計算する」のです。

では、順番にやってみましょう。

帯分数を仮分数にして計算する

この問題では、最初に帯分数の割り算から計算をします。

(2+1/9)÷(2+1/3)+1−(−5)

帯分数とは、整数と真分数(分母よりも分子が小さい分数)を合わせた分数です。帯分数を使うと、1よりも大きな数を分数で表せます。

※帯分数は本来+記号を付けずに書くのですが、この記事では整数部分と分数部分が区別しやすいよう+記号を用いています。今回の問題では、(2+1/9)と(2+1/3)が帯分数になります。

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分数の割り算では、割る数の分子と分母を逆にして掛けます。また、掛け算するときは、分子どうし、分母どうしを掛け合わせるのですが、帯分数だと整数部分が邪魔になって、この計算ルールを適用できません。

帯分数の割り算はこのままの形ではできないから、一度仮分数※に直して計算をする必要があるのです。

※仮分数とは、分母よりも分子が大きい(もしくは等しい)分数のことです。

帯分数を仮分数に直す方法は、次の通りです。

整数部分を分数部分の分母を持った分数に直し、隣の分数部分と足す

(2+1/9)であれば、まず整数の2を9を分母に持つ分数に直します(2=18/9)。この分数を1/9と足して19/9(仮分数)とします。

(2+1/9)
=18/9+1/9
=(18+1)/9
=19/9

同じく、(2+1/3)の2を分母3の分数に直して、6/3とします。この分数を1/3と足して、7/3(仮分数)とします。

(2+1/3)
=6/3+1/3
=(6+1)/3
=7/3

これで準備は整いました。あとは、先に紹介した分数の割り算ルールで計算すればOKです。なお、掛け算の途中で約分できそうなところは、先に約分して計算を簡単にするとよいですよ。

(2+1/9)÷(2+1/3)
=19/9÷7/3
=19/9×3/7←割る数の分子と分母を逆にして掛ける(分数の割り算)
=(19×3)/(9×7)←分子どうし、分母どうしを掛ける(分数の掛け算)
=(19×3÷3)/(9÷3×7)←分子と分母を3で割って約分(下図参照)
=(19×1)/(3×7)
=19/21
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これで答えが出ました。

負の数の引き算を正の数の足し算にする

帯分数の割り算が終わったので、今、式は次のようになっています。

(2+1/9)÷(2+1/3)+1−(−5)
=19/21+1−(−5)

次に分数と整数を足していくのですが、この問題は「帯分数」で答えることになっていることを思い出してください。19/21は分子が分母より小さいので真分数ですよね。この真分数と足される整数を組み合わせて帯分数にすればよいのです。

例えば、+1は次のようにしてください。

19/21+1−(−5)
=(1+19/21)−(−5)

(1+19/21)で一つの帯分数になっています。

さて、いよいよ最後の−(−5)を計算するときが来ました。負の数の引き算は、正の数の足し算にして計算ができます。

<負の数の引き算>
−(−■)=+■

ちょっと不思議な感じがするかもしれませんが、出費が減る(負の数の引き算)と貯金が増える(その分全体がプラスになる)というイメージで覚えましょう。

では、計算式を変形しましょう。

(1+19/21)−(−5)
=(1+19/21)+5

この5は、帯分数の整数部分に直接足せばOKです。

(1+19/21)+5
=(1+5)+19/21
=6+19/21

まとめ

帯分数は、整数と真分数を組み合わせた分数です。帯分数の割り算をするときは、仮分数に直さなければ計算ができません。また、負の数の引き算も、正の数の足し算にして計算をします。

このように式の中の数がそのままの形で計算できないとき、一度別の形に変身させることは算数や数学の世界ではよくあることです。

どんな変身が必要かを、その都度学んでいきましょう。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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