『なぜか断っても好かれる人』は自然に言っている…「今回は難しいです」でもない、“角の立たない断り方”とは？【プロが解説】

2025.9.13

「頼まれたことを断るのって、なんだか気まずい…」そんな経験は誰にでもありますよね。でもなぜか、同じ“断り”なのにある人は嫌われず、むしろ好かれてしまうことがあります。その違いは、一体どこにあるのでしょう？今回はプロの目線から、自然体で好印象を保ちつつ、無理なく断れるテクニックをお伝えします。

無理をしない「断る力」が人間関係を築くポイント

断るとき、多くの人が使いがちなワードは「忙しい」「今回は難しい」です。しかし、この方法は一見やさしそうでありながら、相手によっては「本当かな？」と疑念を招くことも…。ここで鍵となるのは、相手の立場や気持ちを配慮しつつ、こちらの意思もきちんと伝える“折り合いのつけ方”です。断ること自体はネガティブな場面に見えますが、実は正しく使えば信頼関係を深めるチャンスにもなるのです。

心理学の研究によれば、自分の感情や事情を正直に伝えつつ、相手に敬意を示す態度は相手の反感を減らし、むしろ「あなたのことを考えてくれている」と感じさせる効果が報告されています。ただ単に断るだけでなく、相手の提案を尊重していることが伝わる言葉選びが重要です。

角の立たない断り方とは

では、どのように断れば自然で好印象なのでしょうか？忙しいや難しいと言うだけでなく、まずは感謝の気持ちを伝えることから始めましょう。例えば、「声をかけてくれて本当にありがとう。とても嬉しいのですが、今回は〇〇の都合で難しいです。」といった具合です。この場合、断る理由は“こちらの事情”に焦点を当て、相手を否定しないこともポイントです。

さらに、代替案を示すのも効果的です。「今回はご期待に添えず残念ですが、また別の機会にぜひ声をかけてください」といった軽い未来志向の言い回しは、関係を良好に保つことにつながります。逆に、具体的な理由を細かく説明しすぎると相手に詮索されやすくなり、次回以降誘いづらくなるなどのデメリットも。

また、言葉だけでなくトーンや表情も大事。柔らかい口調や笑顔で伝えると、誠意がより伝わりやすくなります。これらのポイントを押さえることで、断ることが「良い人間関係を築く力」に変わるのです。

まずは感謝の気持ちを伝えよう

断るのが苦手な人でも、ポイントを押さえれば自然体で好かれる断り方ができます。大切なのは「感謝の気持ちを伝える」「相手を尊重する」「事情を簡潔に伝える」「代替案や未来の可能性を示す」こと。この4つを意識し、柔らかな言葉と態度で伝えれば、「断っても嫌われない」だけでなく、「むしろ信頼される」ようになるのです。

今回紹介した“角の立たない断り方”は、あなたの人間関係をより豊かにし、ストレスも軽減してくれるはず。次に断る場面が来たときは、ぜひ試してみてくださいね。

監修者：あゆ実社労士事務所

人材育成とキャリア支援の分野で約10年の経験を持ち、社会保険労務士・国家資格キャリアコンサルタントとしても活動。
累計100名以上のキャリア面談を実施し、1on1面談制度の設計やキャリア面談シート作成などを通じて、組織の人材定着と成長を支援してきた。
新入社員向け「ビジネスマナー」「マインドセット」「ロジカルシンキング」研修やキャリア研修では、企画・コンテンツ作成から講師まで一貫して担当。
人間関係構築や部下育成、効果的な伝え方に関する豊富な実務経験を活かし、読者や受講者が一歩踏み出すきっかけとなる関わりを大切にしている。