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これどうやって計算するか覚えてる?「−451÷(−451)÷(−451)」→暗算できる?

  • 2025.10.10
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今回チャレンジするのは、負の数の計算問題です。

負の数は中学校で習う分野ですが、実はこの問題の「ある特徴」を使うと、小学校で習う知識を応用して答えが出せますよ。

頭を柔らかくして、ぜひ挑戦してみてください。

問題

次の計算を暗算でしなさい。
−451÷(−451)÷(−451)

解答

正解は、「−1/451」です。

複雑に見える問題ですが、式の中には−451という数字が繰り返し使われていますね。

この特徴を使えば、答えを出すのは結構簡単なのです。

では、次の「ポイント」で、どう計算すればよいのかを確認してみましょう。

ポイント

この問題のポイントは、「割り算を分数で表すこと」です。

まず、小学校のときに習った分数の計算ルールを復習してみましょう。

例えば、10÷5÷3であれば、次のように分数として計算ができます。

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ここで使われているルールをまとめると、次のようになります。

<今回使用する分数の計算ルール>

1.整数aはa/1という分数で表せる
2.a/b÷c/d=a/b×d/c(分数の割り算では割る数の逆数を掛ける)
3.a/b×d/c=(a×d)/(b×c)(分数の掛け算では分子と分母を掛け合わせる)
4.掛け算の途中に約分(分子と分母を同じ数で割ること)ができる

では、このルールに従い、今回の問題も分数の割り算として計算していきましょう。

まずは上の1~2のルールを使って、割り算を分数の掛け算の形に変形します。

−451÷(−451)÷(−451)
=−451/1÷(−451)/1÷(−451)/1
=−451/1×1/(−451)×1/(−451)←割る数の逆数を掛ける

次に、分子どうし、分母どうしを掛けて、掛け算の途中で約分をします。

−451/1×1/(−451)×1/(−451)
={(−451)×1×1}/{1×(−451)×(−451)}
={(−451)÷(−451)×1×1}/{1×(−451)÷(−451)×(−451)}←−451で分子分母を割って約分
=(1×1×1)/{1×1×(−451)}
=1/−451←−記号は分子につけても、分母につけてもよい
=−1/451
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特に重要なのが、約分の過程です。掛け算の途中同じ数が分子と分母に出てきたら、その数で割って1にできる約分の仕組みは、数にマイナスが付いていても同じなのです。

このように「分数の計算ルール」を使って計算ができるのは、この問題に登場する数が−451ばかりだからです。同じ数どうしの割り算は、約分できるため答えがシンプルになるのです。

【おまけ】負の数の計算ルール

最後に、今回の問題の答えが負の数の計算ルールに照らし合わせても正しいものであることを確認しておきましょう。

<答えの符号の決め方(割り算編)>
・同符号どうしの割り算の答え→正の数(+)になる
例:−1÷(−1)=1
・異符号どうしの割り算の答え→負の数(−)になる
例:−1÷1=−1

−451÷(−451)÷(−451)の最初の割り算は、同符号どうしの割り算なので答えは正の数になります。次の割り算は正の数÷負の数になるので、答えは負の数になります。

−451÷(−451)÷(−451)←負の数÷負の数
=1÷(−451)←正の数÷負の数
=−1/451

答えは確かに−1/451になりましたね。

まとめ

この問題は負の数の割り算ですから、負の数の計算ルールが分からないと計算できないように見えるかもしれません。

しかし、「同じ数ばかりの割り算」という特徴を利用すれば、分数の計算ルールを応用して答えを出すことも可能です。

大人になってクイズ感覚で挑戦する算数や数学は、どんな形で正解を出しても自由です。ぜひ、自分なりの計算方法を探してみてください。

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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