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「観なかった人たちは損してる」リアルな“大胆なラスト”でシリーズ真骨頂…!最終話の放送後も心にのこる“名残の札”

  • 2025.9.16

日本テレビ系 水曜ドラマ『ちはやふる-めぐり-』最終回は、梅園かるた部と瑞沢の最終決戦で幕を閉じた。主人公・めぐるを演じたのは、今作が連ドラ初主演となる當真あみ。SNSでは「インライ見てもっと好きになった」「観なかった人たちは損してる」という声が飛び交い、彼女の演技が放つ瑞々しさと、シリーズが描き続けた“青春のリアル”が話題を呼んだ。最終回の特徴として力説したいのは、勝利ではなく敗北で終えるという大胆な結末についてである。

※【ご注意下さい】本記事はネタバレを含みます。

當真あみの成長と存在感

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『ちはやふる-めぐり-』最終話 (C)末次由紀・講談社/NTV

連ドラ初主演という大役を任された當真あみ。初回から最終回にかけて、彼女が演じためぐるは“効率重視の投資大好きな高校生”から“勝利を夢見る普通の高校生”になっていく過程を経て、失敗や悔しさを真正面から受け止める等身大の存在として描かれた。

とくに印象的だったのは、瑞沢との最終戦、「今は信じられるから。失敗も、成功も、希望も、後悔も、その全部が積もって、今の私なんだって!」というめぐるの台詞だ。

苦境を強いられた試合を前に、なお気持ちを奮い立たせようとする姿は、當真自身が女優として歩んできた道とも重なって見える。映画『水は海に向かって流れる』で見せた初々しさ、大河ドラマ『どうする家康』で披露したたおやかな演技。その経験を踏まえ、最終回では瑞々しく説得力ある姿でめぐるというキャラクターを表現していた。

SNS上で「インライ見てもっと好きになった」「すごい人出てきたなって思った」と言われるのは、彼女の自然体の人柄と演技が地続きに感じられるからでもあるのだろう。カメラの前に立つ彼女は決して飾らず、演じるキャラクターに寄り添いながらも、自分自身の息づかいを役に吹き込んでいる。その“透明感のある誠実さ”が、最終回の敗北さえドラマチックに映し出した。

敗北の美学「勝たせない」最終回の意義

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『ちはやふる-めぐり-』最終話 (C)末次由紀・講談社/NTV

きっと多くの視聴者は、めぐるを始めとする梅園かるた部が、競合の瑞沢を倒す奇跡を予想していたはず。しかし実際は、あと一歩のところで届かず敗北となった。

この結末こそが『ちはやふる』シリーズの真骨頂と言えなくもない。安易に手が届く勝利よりも“届かない悔しさ”こそが青春のリアルであり、負けた悔しさを味わってこそ人は成長する。當真の演じためぐるが最後に見せた清々しい表情は、敗北を否定ではなく“物語の始まり”として捉える強さを象徴していた。

“勝たせない”選択は勇気あるものだったが、その分、主人公を演じきった當真の存在感が際立つラストとなった。

瑞沢OBの存在感:千早・太一・奏の帰還

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『ちはやふる-めぐり-』最終話 (C)末次由紀・講談社/NTV

最終回を彩ったのは、新世代だけではない。観覧席に揃った綾瀬千早(広瀬すず)、真島太一(野村周平)、西田優征(矢本悠馬)、花野菫(優希美青)ら瑞沢OBたち。彼らの姿は、シリーズの歴史と厚みを視聴者に思い出させた。めぐるたちを見守り、かつ瑞沢OBでもある奏(上白石萌音)が読手として凛と立つシーンは、粋な演出だ。あの瞬間、かつての青春と現在が交錯し、画面越しに見守る視聴者までも沸き立った。OBたちは決して主役ではない。しかし、彼らの存在が“過去と未来のつながり”を証明し、當真を中心とする新世代の物語を力強く支えた。

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『ちはやふる-めぐり-』最終話 (C)末次由紀・講談社/NTV

最終話終盤、松岡茉優がふたたび若宮詩暢を演じたことも大きな話題となった。永世クイーンとして圧倒的な存在感を放ちながら、YouTuberという新しい顔を持つ詩暢は、時代の変化を象徴していた。「震えが止まりませんわ」と淡々と語る姿は、次世代への無言の挑戦状。めぐるや仲間たちがいつかこの頂点に挑む未来を、観客に予感させる布石となった。

敗北から始まる青春の“めぐり”

『ちはやふる-めぐり-』の最終回は、主人公が敗北するという意外な結末で幕を閉じた。しかし、それは物語の終わりではなく、ここから始まる青春のための布石だった。

當真は、自然体で繊細な演技を通じて“敗者の強さ”を描き切り、女優として新たなステージに立った。奏や千早たち瑞沢OBの存在が、物語を歴史のなかに位置づけつつ、新世代を輝かせた。

視聴者の声にあった「観なかった人たちは損してる」。このフレーズは、まさに今回のドラマを総括する言葉だろう。勝利の物語ではなく、敗北の青春を描いた『ちはやふる-めぐり-』。その挑戦と余韻は、シリーズのファンにとっても、新たな世代の青春を見守るすべての人にとっても、心に残る“名残の札”となった。


日本テレビ系 水曜ドラマ『ちはやふる-めぐり-』毎週水曜よる10時

ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X(旧Twitter):@yuu_uu_