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「圧倒的」「素晴らしかった」大注目の若手女優、“作品を象徴する一幕”を飾った芝居に相次ぐ絶賛の声【月10】

  • 2025.9.8

ドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』第8話は、3年葵組・生徒会議長団議長の北原かえで(中野有紗)が物語の中心に据えられた回である。議論を冷静に仕切る才女として描かれてきた彼女の背景が、ついに深く掘り下げられた。北原かえでを演じるのは、今注目の若手女優・中野有紗。その演技が放送直後からSNSで大きな話題となり、「印象に残るお芝居」「本当に素晴らしかった」「終盤でメインを圧倒的な存在感でこなせるとは」と絶賛の声が寄せられている。

北原かえでというキャラクターの奥行き

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月10ドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』第8話より(C)カンテレ・フジテレビ

北原かえでは、才女として生徒会をリードする存在だ。第1話でも「私たち、訴えたりできませんか、学校を」と、本作の主人公でスクールロイヤーの白鳥健治(磯村勇斗)に対し、制服廃止を訴える決然としたシーンが印象的だった。同年代の生徒に比べても、大人びた合理性と建設的な意見を持つ姿が際立つキャラクターである。

しかし8話で明かされたのは、その冷静さの裏に潜む家庭の事情だった。繰り返される激しい夫婦喧嘩、父から母に対する侮辱的な態度に耐えかね、母と妹とともに家を出て賃貸アパート暮らしをしていること。まだ10代でありながら、自ら生きる環境を変えるための判断を下し、それを行動に移した強さを持つのがかえでなのだ。

その強さを象徴しているのが、1話を振り返って思い出される「多数決でなんでも決まるなら、裁判も法律も要らないじゃない」というセリフ。論理的でありながら、そこには、家庭で傷つきながらも必死に立ち続ける少女の切実さがにじむ。

中野有紗の演技が光った瞬間

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月10ドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』第8話より(C)カンテレ・フジテレビ

健治とかえでがふたりで、おしゃれなカフェでパンケーキを食べるシーンは、第8話の小さなハイライトだろう。かえでは、写真映えするパンケーキをスマホで撮り「可愛い」と笑みをこぼす。そこには、等身大の女子高生らしい姿がある。

だがその後続く会話で、かえでは健治に対し、18年間生きてきてずっと違和感があったと訴えている。冷静な分析と、人を信じたいという願いが同居した声音。少女らしさもありながら、知性や俯瞰的な視点も併せ持つ中野の存在感が、この場面を印象的なものにしていると同時に、”北原かえで”という役柄に温度と質感を加えてもいる。

「迷ったまま大人になってる人って、信用できるなって今では思ってます」といたずらっぽく健治に語ったシーンも含め、本作を象徴する一幕となったのではないだろうか。

そして終盤、かえでが父に向けた決別の言葉も、視聴者の心を揺らした。「私は、お父さんとは別の道をいく」「今まで、育ててくれてありがとう。さようなら、お父さん」と涙を流しながら告げたかえで。泣き笑いという複雑な感情を表現するのは、極めて難しい。だが中野は、涙と笑みを同時に宿した表情で、かえでの心の揺らぎをリアルに体現してみせた。若手女優としての飛躍を予感させる名演だったと感じる。

冷静さと少女らしさの融合

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月10ドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』第8話より(C)カンテレ・フジテレビ

今作における中野の演技を語るうえで、これまでの中野の出演作に触れずにはいられない。

映画『PERFECT DAYS』で主人公・平山(役所広司)の姪であるニコを演じた際には、静かな存在感で観客の心をさらった。演技経験が浅いながらもヴィム・ヴェンダース監督から「そのままの君でいい」と言葉を受け、“あるがまま”の存在感を作品に刻んだことは象徴的だ。

ハッとさせられる彼女の登場と静かだけれど存在感のある佇まいに多くの観客が魅了されたのではないだろうか。この作品が初めての演技だったという中野さんにヴェンダース監督は「そのままの君でいいんだよ」と伝え、“あるがまま”の彼女を受け入れてくれたという。
引用元:ヴェンダース監督はありのままの私を受け入れてくれた|中野有紗(俳優/モデル)|『HERENESS』インタビュー

さらに、Hulu配信ドラマ『まだゆめをみていたい』では、漫画家志望の大学生を演じ、青春の葛藤をリアルに体現。作品ごとに異なる顔を見せられる変幻自在さは、役が変わるたびに新しい印象を視聴者に与える。ちなみに本作には、『僕達はまだその星の校則を知らない』で斎藤瑞穂を演じている南琴奈も出演しているため、興味のある視聴者は一見の価値ありだ。

冷静な才女でありながら少女らしい可愛さを見せる。強く理性的でありながら、迷いや脆さもある。両極を自然に行き来できる女優だからこそ、中野は北原かえでという難しい役柄を説得力あるものにできたのだ。

物語としても、かえでの家庭問題は、健治のスクールロイヤーとしての活動や学校全体のテーマに波及する可能性を秘めている。中野自身もまた、今後のキャリアで学園ドラマからさらに大きな舞台へと羽ばたいていく予感がある。

ただの生徒にとどまらない、物語を大きく動かすキーパーソンとなったかえで。中野は若手女優としての存在感を確かなものにしつつある。北原かえでというキャラクターを通じて、10代の自立や家族との葛藤を描き切った中野。彼女の自然体かつ繊細な演技が、そのテーマをより強く視聴者の心に届けている。

泣き笑いの表情ひとつで物語の深さを感じさせ、カフェでの会話で少女らしい一面をのぞかせる。強さと脆さ、冷静さと無邪気さ。その両極を自在に演じ分けられる中野は、今後間違いなく注目される女優のひとりだ。


カンテレ制作・フジテレビ系列 月10ドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』毎週月曜よる10時〜

ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X(旧Twitter):@yuu_uu_


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