「2年前から生理が不規則に…」40代女性に増える“突然の生理不順”に、医師「自己判断しないで」「早めに受診して」

2025.8.26

「ここ2年ほど、生理のリズムが乱れがちで心配…」そんな声が40代女性の間で増えています。いつもとは違う周期や量の変化に戸惑いを感じながらも、「これって更年期のサイン？」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか？女性の体は年齢とともに変化し、それが生理不順につながることがあります。今回は、40代以降に起こりやすい生理の不規則さと更年期の関連について、わかりやすく解説します。

なぜ更年期で“生理不順”が起きやすい？そのメカニズムを解説

2年前から生理が不規則になり始めました。仕事はフルタイムで忙しくストレスも多いです。夫とは子どもが独立してから少し距離ができ気持ちのすれ違いも増えています。ここ数ヶ月突然イライラしたり落ち込みやすくなり自分でもコントロールが難しいです。更年期かもしれないと思いつつも婦人科に相談するのが恥ずかしくてためらっています。母も同じ年齢で更年期症状がひどかったので遺伝的な影響も気になっています。（48歳・女性）

まず、更年期とは一般的に45歳から55歳頃を指し、閉経前後の期間を含みます。卵巣の機能が徐々に低下し、女性ホルモンの分泌が不安定になることで、体のさまざまな変化が生じるのが特徴です。生理が不規則になるのもこのホルモンバランスの乱れが大きな原因です。

女性ホルモンのひとつ、エストロゲンやプロゲステロンが生理周期をコントロールしていますが、更年期に入るとこれらのホルモンの分泌が減ったり周期的でなくなったりします。その結果、予定通りに生理が来なかったり、逆に生理が突然始まったりといった変化が現れやすくなります。

また、ストレスや生活習慣の変化、病気の影響もホルモンバランスに影響を及ぼし、不規則な生理を引き起こすことがあります。40代は仕事や家事、子育てに忙しさが重なりやすく、心身のバランスが崩れやすい時期とも言えるでしょう。

こういった複合的な要因が絡み合い、「生理不順になった」と感じる女性が増えるのです。

身近なケースから考える―体験事例と具体的な対策のヒント

実際に、生理周期が長くなったり、逆に短くなったりするケースはよくあります。例えば、もともと28日周期だった生理が、40日や50日と長くなることもあれば、時には14日と短くなることもあります。量が多くなったり少なくなったりと変化もさまざまです。

更年期の生理不順は自然な体の変化ではあるものの、長期間にわたって激しい出血が続く場合や、激しい痛みを伴う場合は婦人科での診察が望ましいです。また、更年期特有のほてりや眠れなさ、気分の落ち込みといった症状と併せて生理の変化を感じる場合もあります。

生活の中では、規則正しい睡眠やバランスの良い食事、適度な運動を心がけることでホルモンバランスの安定に役立つことがあります。ストレス管理も大切で、リラックスできる時間を作ることが症状緩和に繋がる場合もあります。

医療の進歩により、更年期障害の症状を軽減するホルモン療法や漢方療法を選択することも可能です。自己判断せず、専門家と相談しながら適切なケアを検討するのが安心でしょう。

変化を知ってゆるやかに向き合う、更年期の生理不順と上手につきあうヒント

40代の女性にとって、生理不順は更年期のひとつのサイン。しかし、それは体の正常な変化の一部であり、じっくり理解することで不安も和らぎます。無理に変化を止めようとせず、自分の体の声を聞きながら健康的な生活を意識することが大切です。

また、不規則な生理が長期間続いたり他の症状が強い場合は、早めに婦人科を受診して状況を把握するのがおすすめです。専門的な検査やアドバイスを受けることで、適切な対応ができるでしょう。

更年期の生理不順は誰もが経験しうるものですが、無理なく自分に合ったケアを見つけられると、毎日をより快適に過ごせるはず。体の変化をポジティブにとらえて、これからの自分らしい暮らしを支えていきたいですね。

監修者：浅草橋西口クリニックMo 頴川博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。