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20年前、日本中が心奪われた“一点の曇りもないハイトーンソング” 4度目の紅白出場を決めた“記憶に刻む月光バラード”

  • 2025.9.19

「20年前の夏の終わり、どんな音楽を聴いていたか覚えてる?」

2005年、CDショップのショーウィンドウには新作のポスターが並び、試聴機からは最新のヒットソングが流れていた。夏の熱気が去りかける頃、夜空に浮かんだ月の光に心を重ねるように響いていたのが、この一曲だった。

w-inds.『十六夜の月』(作詞:shungo.・作曲:松本良喜)——2005年8月31日発売

16枚目のシングルとなったこの作品は、デビューから着実に成長を続けてきた彼らが、ひとつの節目として“表現の成熟”を見せつけた楽曲だった。

名匠が描いた旋律と詞の結晶

作詞を手がけたのは、数多くのw-inds.作品を支え続けてきたshungo.。彼の描く詞は、若さの中に潜む不安や希望を巧みに言葉にすることで知られ、グループの成長とともにファンの共感を集めていた。

作曲は、RUI『月のしずく』や中島美嘉『雪の華』といった名曲を生み出した松本良喜。松本が紡ぐメロディは、シンプルながらも深みを持ち、聴く者の心に余韻を残す。その旋律にshungo.の詞が寄り添うことで、夜の静けさと心の揺らぎがひとつに重なり合う。

w-inds.の10枚目のシングル『Long Road』はこの2人が手がけており、その組み合わせはw-inds.の音楽性を格段に引き上げる“信頼の方程式”だった。

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w-inds.-2006年撮影 (C)SANKEI

ハイトーンが照らした月夜の情景

『十六夜の月』の魅力の中心にあるのは、橘慶太の澄んだハイトーンボイスだ。切なさと透明感を併せ持つその声は、静かな夜空に浮かぶ月光のように柔らかく、しかし確かな力で聴く者の心を照らしていく。

サビへ向かう高揚感は、まるで雲の間から光がこぼれる瞬間のよう。バックのサウンドは控えめながらも、広がりと奥行きが声の輪郭を際立たせ、歌全体に幻想的な余白を生み出している。夜風に吹かれるたびに思い出すような歌声——それがこの曲の大きな魅力だった。

栄誉と舞台に刻まれた輝き

w-inds.は『十六夜の月』で、NHK紅白歌合戦に4度目の出場を果たす。披露されたパフォーマンスは、全国に彼らの存在感を改めて示す場となり、視聴者の記憶に深く残った。また、第47回日本レコード大賞では金賞を受賞している。

二十年を越えて輝き続ける月の光

コンビニの窓越しに見えたネオン、放課後に友人と立ち寄ったカラオケボックス、夜風に吹かれながら耳にしたあの旋律——この曲を聴くと、あの2005年の街並みを思い出す。

20年の時を経ても、月が夜空に浮かぶ限り、この楽曲は青春の記憶を呼び覚まし続けてくれる。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。