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25年前、日本中の心に響いた“喧騒を忘れる透明バラード” カリスマバンドの第1章を締めくくる“夜に染み込む優しい歌”

  • 2025.9.17

2000年の晩秋。街には新世紀を迎える前のざわめきが漂い、ネオンサインが冬の訪れを告げていた。カラオケボックスでは最新のヒット曲が響き渡っていた。そんな喧騒の中で、週末の夜に流れてきた一曲は、静かでやさしく、日常の喧騒をふと忘れさせる余韻をまとっていた。

ZARD『promised you』(作詞:坂井泉水・作曲:栗林誠一郎)——2000年11月15日発売

この曲はZARDにとって33枚目のシングルであり、テレビ朝日系『土曜ワイド劇場』のエンディングテーマとして多くの人に親しまれた。坂井泉水の歌声がミディアムテンポのメロディに寄り添い、心の奥にやさしく響き渡る作品である。

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※Google Geminiにて作成(イメージ)

夜に染み込む“静けさの温度”

『promised you』は、ZARDらしいシンプルで誠実なサウンドと、透明感に満ちた坂井泉水のボーカルが一体となった楽曲だ。派手な展開や高揚感は控えめだが、その分だけ、聴く人の胸にじんわりと染み込む余韻が強く残る。坂井の声は言葉のひとつひとつをていねいに紡ぎ出し、聴く人の感情を包み込む。

栗林誠一郎が手がけた旋律は、穏やかで柔らかいラインを描き、まるで冬の街に灯る街灯のように心を照らす。バックに広がるサウンドは、坂井の声を邪魔することなく、むしろその存在を浮き立たせる役割を果たしている。

ZARD第1章のラストシングル

『promised you』が特別な意味を持つのは、作品そのものの魅力だけではない。このシングルのリリース後、翌2001年2月にアルバム『時間の翼』を発表したのち、しばらく休養に入ることとなる。

そして次のシングル『さわやかな君の気持ち』(2002年5月22日発売)が世に出るまで、1年以上もの間、ZARDの新曲がリリースされることはなかった。そしてそのシングルには“ZARD第2章スタート”と銘打ち、活動再開の狼煙として扱われた。

そうした経緯をふまえると、『promised you』は結果的に“ZARD第1章の最後を飾るシングル”という位置づけになる。まるで一区切りを告げるように、静かに、しかし深く響いた楽曲だった。

いまも生き続ける坂井泉水の声

あれから25年。時代は変わり、音楽を聴く手段もCDから配信へと移り変わった。それでも『promised you』を耳にすると、当時の夜の空気が鮮やかによみがえる。坂井泉水のやさしく透き通った声は、今も変わらず聴く人を包み込み、心を穏やかにしてくれる。

ZARDが数々の名曲を残した中で、『promised you』は決して派手ではない。だが、その“静かな余韻”こそが唯一無二の魅力であり、ファンにとってかけがえのない一曲であることは間違いない。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。