1. トップ
  2. 「何回も聴いてしまう」25年前、20万枚限定で話題をさらった“桜の名曲” 春の記憶を刻んだ“清涼感たっぷりCMソング”

「何回も聴いてしまう」25年前、20万枚限定で話題をさらった“桜の名曲” 春の記憶を刻んだ“清涼感たっぷりCMソング”

  • 2025.9.20

「25年前の春、あなたはどんな音楽に心を委ねていた?」

2000年の街には、ミレニアムを迎えた高揚感と同時に、どこか落ち着かないざわめきが漂っていた。新しい時代の入り口に立ち、不安と期待を抱えた人々の耳に、やわらかなメロディがそっと届く。透明な水のように流れ込んできたその一曲は、聴く人の心をふっと軽くし、春の光景とともに記憶へ刻まれていった。

aiko『桜の時』(作詞・作曲:AIKO)——2000年2月17日発売

あの日の春に生まれた一曲

『桜の時』は、aikoにとってメジャー通算5枚目のシングルであり、初回生産20万枚限定という特別な形でリリースされた。通常盤が存在しなかったため、このシングル自体が“特別な瞬間”を切り取ったアイテムとして、多くのファンの記憶に残っている。

今でこそサブスクや配信で自由に聴ける時代だが、当時は「CDを手に入れること」そのものが音楽体験の一部であり、限定盤の存在はさらに特別な意味を持っていた。

また、aikoのシングルとしては珍しく、ジャケットに本人の写真ではなく、彼女自身が描いた女の子のイラストが使われていたことも話題になった。普段の作品との違いが、作品全体の印象をより強くしたのだ。

undefined
aiko-2000年撮影 (C)SANKEI

翌月にリリースされたアルバム『桜の木の下』にも収録され、作品全体の雰囲気を象徴する楽曲としての役割も担った。アルバムタイトルにも“桜”が冠されているように、この曲はaikoにとっての「春の始まり」を象徴する一曲となり、のちの活動を語る上でも外せない存在となっている。

本作は、酒井彩名が出演するカルピスウォーターのCMソングとしても親しまれ、春の訪れを告げるような清涼感あるサウンドとともに、多くの人々の耳に届いた。

ポップなアレンジが映した歌声

『桜の時』のサウンドは、島田昌典によるポップで温かな音作りが大きな魅力となっている。軽やかでありながら過剰にならず、メロディの温度や情景を丁寧にすくい上げる彼のサウンドは、この曲に独特の春らしさを与えている。

特に前面にフィーチャーされたピアノの響きが印象的で、曲全体に柔らかく澄んだ色を添えている。そこにバンドサウンドが寄り添い、耳なじみの良さと華やかさを両立。aikoの伸びやかで素朴な歌声がその上に重なることで、春の光景とぴたりと溶け合い、聴く人の心にまっすぐ届いていった

派手な展開ではなく、日常に寄り添うあたたかさ。桜が咲く景色や、大切な人と歩く時間を自然と思い起こさせてくれる。だからこそ、20年以上が過ぎた今でも季節が巡るたびに、多くの人々がふと口ずさみたくなる曲として残り続けているのだ。

今もなお息づく“春の記憶”

『桜の時』がリリースされてから四半世紀。恋愛や日常の小さな感情を丁寧にすくい上げるaikoの姿勢は、今も変わらない。ライブでは観客と一体となって歌い上げられ、春が来るたびにSNSで思い出す声があがるなど、この曲は常に人々の記憶を呼び覚ます存在であり続けている。

CMから流れてきたメロディを聴いて胸が高鳴った人も、初めてCDショップでこのシングルを手に取った人も、その瞬間の記憶とともに曲を思い出すだろう。25年経った今も「桜ソングで一番好き」「何回も聴いてしまう」「共感しかない」「色褪せない好きな曲」と人々の心に確かに響いている。

春の風に乗って届いた一曲は、今もなお私たちの心の奥で、やさしく咲き続けている。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。