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40年前、日本中が揺れた“切ない恋の軽快ポップ” 人気ドラマOPを続投した“疾走ビートの青春ソング”

  • 2025.9.15

「40年前、冬の街角で響いていた“恋のビート”を覚えている?」

1985年の日本。街はバブル景気前夜のきらめきを帯び、原宿や渋谷にはカラフルなファッションに身を包んだ若者が行き交う。駅前の広場やカフェには最新ヒット曲を口ずさむ声が溢れていた。テレビドラマや音楽番組からは次々と新しいスターが誕生し、音楽は日常を彩る最大の娯楽だった。

そんな熱気の中で流れ出し、青春の甘酸っぱさを鮮やかに描き出した一曲があった。

C-C-B『空想Kiss』(作詞:松本隆・作曲:筒美京平)——1985年11月27日発売

黄金コンビが紡いだ“都会の恋物語”

『空想Kiss』は、C-C-Bにとって6枚目のシングル(C-C-Bになってからは4枚目)。『Romanticが止まらない』に続き、人気ドラマ『毎度おさわがせします』パート2の主題歌に起用されたことでも広く知られる。

作詞は松本隆、作曲は筒美京平という黄金タッグ。70年代から数え切れないほどの名曲を世に送り出してきた二人が、80年代半ばの都会を生きる若者の心情を軽やかに切り取ったことで、親しみやすさとスタイリッシュさを兼ね備えたポップソングに仕上がった。

メインボーカルはベースの渡辺英樹とドラムの笠浩二が担当。ボーカルの掛け合いはC-C-Bならではの華やかさを放ち、聴き手の耳に強い印象を残した。派手なルックスと軽快な演奏スタイルは、アイドル的な人気とバンドらしい確かな実力を同時に感じさせ、当時の若者たちにとって憧れの存在であり続けた。

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2008年、再結成時のC-C-B。左から渡辺英樹、笠浩二、関口誠人 (C)SANKEI

弾けるビートの奥に潜む“恋の切なさ”

イントロからはじけるシンセサイザーの音色、リズミカルで疾走感のあるビート、そして耳に残るキャッチーなメロディライン。聴けば自然に体が揺れてしまうような軽快さがある一方で、歌詞にはどこか儚く揺れる恋心が込められている。明るいポップソングでありながらも、楽しさと切なさが同居する独特の余韻を残すところが、この曲の最大の魅力だといえるだろう

C-C-Bはカラフルな衣装や個性的なヘアスタイルで話題を呼んだが、その音楽は単なるビジュアル先行ではなく、確かなポップセンスに裏打ちされていた。『空想Kiss』もまた、彼らのサウンドの中核を示す一曲として存在感を放っている。

バンドの幅を広げた“もうひとつの空想”

特筆すべきは、同年発表のアルバム『僕たちNo-No-No』に収録された「空想Kiss-2」である。こちらは関口誠人がメインボーカルを務めた。実は「2」の方が先に制作されていたが、シングルが先行して発売されたため、後から出ることになった曲に「2」と付けられたという経緯がある。

歌うメンバーが変わるだけで雰囲気は大きく異なり、アレンジによっても新しい側面が引き出されている。これは、C-C-Bが単なるアイドル的な存在にとどまらず、バンドとしての柔軟さと幅広い表現力を備えていたことを証明している。

青春を閉じ込めた“永遠のラブビート”

『空想Kiss』が街に流れていた1985年という時代は、テレビと音楽が強く結びつき、ヒット曲が人々の記憶に強く刻み込まれていた。ドラマのシーンとともにこの曲を思い出す人も少なくないだろう。

40年という時を経てもなお、イントロの一音を耳にすれば、当時の街のざわめきや放課後のきらめき、そして初恋のときめきまでもが鮮やかによみがえる。

あの時代、誰もが胸に抱えていた甘酸っぱい感情をポップに描き出した『空想Kiss』。それは単なるヒットソングではなく、青春そのものを閉じ込めた恋のポップスとして、今も心の奥で鳴り続けている。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。