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「もっと評価されるべき」20年前に誕生した“新人ヒロインの繊細な歌声” 実写映画公開→40万枚超を記録した“衝撃のデビュー曲”

  • 2025.9.17

「20年前、映画館で流れたあの歌声を覚えている?」

2005年。街の映画館には、若者たちが詰めかけていた。スクリーンに映し出される青春の物語に心を重ね、その中で響いた一曲が観客の胸を揺さぶった。

REIRA starring YUNA ITO『ENDLESS STORY』(作詞・作曲:Dawn Ann Thomas、日本語詞:ats-)——2005年9月7日発売

伊藤由奈が、矢沢あい原作の実写映画『NANA-ナナ-』の中で芹澤レイラ役として歌ったこの楽曲は、虚構と現実の境界を溶かすように広がり、観る人、聴く人の心を同時に揺さぶった。

映画と現実をつなぐ“透明な歌声”

『ENDLESS STORY』は、アメリカのシンガーDawn Ann Thomasが歌った『If I’m Not in Love With You』を原曲とするカバー曲である。1993年公開のロバート・レッドフォード主演映画『幸福の条件』の劇中歌として使用されていた作品だ。

もともと英語詞で歌われたそのバラードに、日本語詞をats-が新たに加え、映画『NANA-ナナ-』の世界観に寄り添う形で再生させたのが『ENDLESS STORY』だった。

伊藤由奈の声は、透き通ったガラスのように繊細で、ひとつひとつのフレーズが聴く人の胸を震わせた。まだ新人でありながら、その歌声には、どこか“役柄を越えた真実”が宿っていた。

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2009年、チャリティーコンサート「LIVE for LOVE」記者発表会に登壇した伊藤由奈 (C)SANKEI

同じ映画から生まれた“奇跡の並び”

このシングルが記録した初登場2位という順位には、忘れがたい物語がある。1位を飾ったのは、同じく映画『NANA-ナナ-』から生まれたNANA starring MIKA NAKASHIMA(中島美嘉)の『GLAMOROUS SKY』。映画の世界を彩った2曲が同じ週にチャートの1位と2位を独占するという、音楽史上でも稀な出来事となった。

映画館で二人の歌を耳にし、そのままCDショップで手に取る。当時の観客やリスナーにとっては、作品と現実の体験がシームレスに繋がっていた。まさにスクリーンから飛び出して街を包み込むような広がり方をしたのだ。

デビューにして刻まれた“強烈な存在感”

伊藤由奈にとっては、この楽曲が事実上のデビューシングルとなった。役名でのリリースではあったが、その歌声の存在感は映画を越え、音楽シーンへと一気に広がっていった。最終的に40万枚以上の売上を記録した。

デビューからわずか数か月後には『第56回NHK紅白歌合戦』に出演し、多くの視聴者に強烈な印象を残す。さらに、第38回日本有線大賞・最優秀新人賞、第47回日本レコード大賞・特別賞といった栄誉も獲得。新人ながら短期間でここまでの評価を得たのは、単なる話題性ではなく、彼女の歌声に説得力があったからこそだろう。

いまも残り続ける“涙の温度”

20年の時を越えても、この曲が流れると一瞬であの空気がよみがえる。暗いスクリーンに差し込む光、観客席から聞こえるかすかなすすり泣き、そして自分の胸の奥に眠っていた感情までもが鮮やかに蘇ってくる。

『ENDLESS STORY』は、“静かな涙をそっと抱きしめてくれる歌”として残り続けている。忘れたくても忘れられない感情を、やさしく守り続けるその力が、この楽曲を今なお特別な存在にしているのだ。

現に、SNSでは「この声は一度聞いたら忘れられない」「もっと評価されるべき」「聞いててジーンとくる感じ、 最高です」など楽曲を賞賛する声が飛び交っている。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。