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35年前、2歩目を踏み出した“20世紀最後の正統派アイドル” バブル末期の夕暮れに響いた“がんばれ”の旋律

  • 2025.9.7

「35年前、金曜の夕方をテレビの前で待っていたことはある?」

1990年の秋。バブル景気の輝きがまだ街に残っていた一方で、人々の心には少しずつ不安が忍び寄っていた。そんな時代に、子どもたちが熱狂したのが、ファンタジーRPGロボットアニメ『魔神英雄伝ワタル2』(日本テレビ系)だ。

そしてそのオープニングに流れていたのが、高橋由美子の2枚目のシングルだった。

高橋由美子『Fight!』(作詞:小澤幸代・作曲:伊藤薫)——1990年9月21日発売

冒険と笑いにあふれた“金曜夕方のワクワク”

『魔神英雄伝ワタル2』は、サンライズ制作のファンタジーRPGロボットアニメ。ストーリーは王道の冒険譚でありながら、随所にコミカルな展開を盛り込み、子供たちの笑いと胸の高鳴りを同時に呼び起こした。

主人公・戦部ワタルを田中真弓が演じ、林原めぐみ、西村知道、山寺宏一、緒方賢一、伊倉一恵といった現在も第一線で活躍する声優陣が顔を揃えていた。そんなアニメのオープニングを彩ったのが、当時まだ歌手デビュー間もない高橋由美子の歌声だった。

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高橋由美子-1995年撮影 (C)SANKEI

清楚なヒロインが歌い上げた“第2歩の挑戦”

デビュー曲『Step by Step』に続き、再びオープニングテーマに抜擢された『Fight!』。清楚なルックスと凛とした佇まいから「20世紀最後の正統派アイドル」と呼ばれることになる彼女にとって、この楽曲は大きな試金石となった。

作曲を担当したのは、欧陽菲菲『ラブ・イズ・オーバー』の作者として知られる伊藤薫。ドラマティックで胸に響く旋律を紡ぐ彼の手腕が、シンプルで覚えやすく、それでいて力強い楽曲を生み出した。小澤幸代による歌詞は、冒険アニメらしい前向きさを持ちながら、日常を生きる若者への応援歌としても響く内容だった。

耳に残った“透明な疾走感”

イントロからまっすぐに駆け抜けるメロディは、聴き手に自然と勢いを与える。高橋由美子の透明感あふれる歌声は、アイドルらしい初々しさを残しつつも、力強さと真っ直ぐさで聴く人を惹きつけた。

『Fight!』がアニメの映像とともに流れることで、視聴者の心には「ワタルの冒険」と「高橋由美子の歌声」がセットで刻まれ、番組と一体となった記憶として残ったのだ。

ワタルの世界から始まった“歌手への道”

『魔神英雄伝ワタル2』のオープニングを飾った『Fight!』は、作品の世界観と見事に重なり合い、アニメファンからも高く評価された。冒険へと誘う映像と、彼女の瑞々しい歌声が響くことで、物語を彩る大切な一部となったのだ。

すでに女優として活動していた高橋由美子が、この『Fight!』とデビュー曲『Step by Step』という2曲をステップに、本格的に“アイドル歌手”としての活動を展開していく。

女優としてだけでなく、音楽の舞台でも着実に歩みを進める——その二足のわらじを象徴する出発点に『Fight!』は位置していたといってもいいだろう。

夕暮れに響いた“がんばれ”のメッセージ

『Fight!』は、冒険アニメの高揚感と、高橋由美子が持つ清楚で前向きなイメージが重なり合ったことで、当時の子どもたちにとっては青春のテーマソングのように響いた。

そして何より、この一曲が高橋由美子の“アイドル歌手としての確かな一歩”へとつながったことは、その後の彼女の芸能人生を語る上で欠かせない。

あの時代、夕暮れのテレビから流れた『Fight!』は、アニメとアイドルの境界を飛び越えるのではなく、両者が手を取り合って歩み出した瞬間を刻んでいた。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。


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