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25年前、日本中が熱狂した“轟音のロックアンセム” 25作連続1位→前人未到の記録を更新した“伝説の一曲”

  • 2025.9.18

「25年前の夏、あの轟音に心を突き動かされた記憶はある?」

2000年。新しい世紀の足音が近づくなかで、日本の音楽シーンはCDセールス全盛期の熱気に包まれていた。レンタルショップやレコード店には新譜が山積みに並び、若者たちは試聴機のイヤホンを手に取りながらお気に入りの一枚を探していた。そんな時代の真っ只中で、圧倒的な存在感を放ちながら登場したのが、B’zのロックナンバーだった。

B’z『juice』(作詞:稲葉浩志・作曲:松本孝弘)——2000年7月12日発売

疾走感あふれるサウンドと、聴く者を一気に引き込むボーカル。キャッチーでありながらも力強く、シンプルな構成ながら圧倒的な存在感を放つ楽曲は、「これぞB’z」と誰もが納得する、王道でありながら鮮烈なロックチューンだった。

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2006年、オリコン40周年記念表彰式「WE LOVE MUSIC AWARD」 に登壇したB’z (C)SANKEI

連続首位更新という快挙

『juice』はB’zにとって通算29枚目のシングル。ランキングでは初登場1位を獲得し、この時点でシングル25作連続1位という前人未踏の記録を打ち立てた。松田聖子が保持していた24作連続1位を超え、およそ11年10か月ぶりに歴代単独1位を更新したのだ。

約60万枚以上を売り上げたこのシングルは、数字としての成果もさることながら、「記録」と「記憶」の両面で人々に刻まれた。ファンにとっては誇りであり、音楽史にとってはエポックメイキングな瞬間。さらにこの曲は発売直後からコンサートで披露されることが多く、やがて「B’zのライブに欠かせない定番曲」として、その後の長いキャリアの中にしっかりと組み込まれていくことになった。

ゲリラライブで刻まれた伝説

この曲のプロモーションビデオは、札幌にあるホテルの駐車場でゲリラ的に行われたライブの映像を収めている。突如として始まる演奏に驚きと興奮を隠せない観客が次々と集まり、会場は瞬く間に熱気に包まれた。カメラが捉えた光景は、ただの演出ではなく、リアルな混乱と熱狂が入り混じった生のエネルギーそのものだった。

どんな場所もライブ会場に変えてしまう力。それこそがB’zのライブバンドとしての最大の魅力であり、映像に焼き付いたその瞬間は、20年以上経った今でもファンの記憶に残り続けている。

音の塊が押し寄せるロックチューン

『juice』の最大の魅力は、その圧倒的なサウンドの“密度”にある。松本孝弘が奏でるギターリフはシンプルでありながら鋭く耳に残り、稲葉浩志のボーカルは熱を帯びながら突き抜ける。ドラムとベースが刻むリズムは重厚で、音の一つひとつが観客の胸に直撃するようだった。

シンプルだからこそ、誰もが自然に体を揺らし、シンガロングへと導かれる。ライブではイントロが鳴り響いた瞬間に観客が総立ちになり、会場全体が一体となって声を上げる光景が繰り返された。こうして『juice』は、聴くだけでなく“体感する曲”として定着していった。

余韻としての時代の象徴

『juice』は、単なるシングルヒットにとどまらなかった。ランキング首位獲得という記録を更新し、ツアーの象徴として観客の心を揺さぶり、そして20年以上が経った今もなおライブで披露され続けている。

世紀末から新世紀へという時代のうねりの中で、この楽曲は「2000年という節目を駆け抜けた証」として存在しているのだ。イントロの一音が響けば、一瞬であの夏へと引き戻される——そんな力を宿した一曲こそが『juice』だった。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。