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30年前、日本中を笑顔にした“無邪気なラブソング” 60万枚を超えて心を掴んだ“国民的アイドルのヒット曲”

  • 2025.8.26

「30年前、あなたはどんな曲に元気をもらっていた?」

1995年の街を思い出すと、CDショップの試聴機から、通学路のラジカセから、そしてテレビのCMから、アイドルソングが次々に流れていた。華やかでありながらもどこか等身大。聴く人の背中を軽く押してくれるようなその響きは、日常のざわめきに寄り添いながら多くの人を笑顔にした。

その代表格が、国民的グループが放ったこの1曲だ。

SMAP『しようよ』(作詞:森浩美・作曲:Jimmy Johnson)——1995年6月6日発売。

17枚目のシングルに込められた意味

『しようよ』はSMAPにとって17枚目のシングル。当時すでにテレビ番組やドラマでメンバー個々が脚光を浴び、グループの存在感も国民的な広がりを見せつつあった時期にリリースされた。

作曲者のJimmy Johnsonとは馬飼野康二の変名であり、編曲はCHOKKAKU。デビューから関わり続けた作詞家・森浩美を加えたこの布陣は、まさにSMAPのサウンドを形づくった核ともいえる。

木村拓哉が出演した大塚製薬「オロナミンCドリンク」のCMソングに起用され、軽快なメロディとCMの明るい映像は強く結びついた。リビングで流れるテレビから、あるいは通学途中の街角から、何度も耳にしたという記憶を持つ人も多いだろう。

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※Google Geminiにて作成(イメージ)

“SMAPサウンド”を築いた布陣

この曲の背景を振り返ると、森浩美・馬飼野康二・CHOKKAKUという3人の存在感が際立つ。

森浩美はデビュー曲『Can’t Stop!! -LOVING-』(1991年)の作詞者であり、以降も一貫してSMAPに寄り添った言葉を提供し続けた。「日常感のある恋愛」や「少し背伸びした前向きさ」といった歌詞のトーンは、彼の筆から生まれたものだ。

作曲を担った馬飼野康二は、同じく『Can’t Stop!! -LOVING-』を手がけた人物。70年代から幅広いヒットを生み出してきたが、90年代のSTARTO楽曲では特に大きな役割を果たした。とりわけ森浩美とのコンビで送り出した曲は、SMAPの“成長を刻むサウンドトラック”ともいえる。

編曲のCHOKKAKUは、数々のJ-POP作品を手がけ、後年までSTARTO楽曲に欠かせない存在となった。軽快なリズムやシンセの彩り、透明感のあるサウンドスケープは、彼ならではのタッチだ。『しようよ』の明るさと爽快感も、CHOKKAKUの手腕によって磨かれている。

実はこの3人の布陣は、ちょうど1年前にリリースされた13枚目のシングル『オリジナルスマイル』(1994年6月6日発売)にも共通している。こちらも木村拓哉出演のオロナミンCのCMソングで、馬飼野康二はMARK DAVIS名義でクレジットされていた。

ちなみに、この3人による組み合わせは後にKinKi Kids『愛されるより 愛したい』(1997年)といった大ヒット曲も生み出している。

今も心に残る“青春の温度”

『しようよ』は累計で60万枚を超えるセールスを記録し、当時のSMAPにとって着実なヒットとなった。華やかな時代の真ん中で、彼らの存在感をさらに確かなものにした。

テレビCMの映像や街の雑踏とともに耳にしたあの日の記憶は、聴き返すたびにふと蘇る。

明るく軽やかなサウンドの中には、少し強引なほどの勢いも漂っていて、主人公の無邪気さや青さがそのまま90年代半ばの空気と重なっているようだ。だからこそ、この曲は“等身大の若者の温度”として共感を集め、今も心に残り続けている。

——30年前、国民的アイドルが届けてくれたのは、大げさなメッセージでも難解なフレーズでもなく、日常をそっと明るく照らす「笑顔になれる歌」だった


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。