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「ちいかわは相手にならないかも」マクドナルド、お盆3連休の“ポケモンコラボ”に愛好家歴10年が苦言

  • 2025.8.4

8月9日から11日の3日間限定で開催される、マクドナルドとポケモンカードのコラボレーション。
約10年ぶりとなる今回の復活に、ポケモンカードコレクター歴10年のSさん(20代男性)は「正直、恐ろしいことになると思います」と苦笑する。

Sさんがポケモンカードと出会ったのは幼少期の頃。小学生の頃に引いたリザードンには、今でも特別な思い入れがあるそうだ。

本格的に“ボックス買い”を始めたのは大学生になってからで、以来10年にわたりカードを収集。近年では、自引きしたギラティナがお気に入りで、部屋に飾っているという。

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出典元:Sさん提供(左が近年自引きしたギラティナ、右が小学生の頃に入手したリザードン)

「一昨年には横浜で開催されたポケモン世界大会『ポケモンワールドチャンピオンシップス2023』(WCS2023)にも行きましたが、やはりカードの熱はますます高まっている実感があります」

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出典元:Sさん提供(WCS2023での1枚)

そんなポケカ愛溢れるSさんが語る“恐ろしさ”とは何なのか。
転売市場の現状とともに、その理由を探った。

3日間限定でハッピーセットとポケモンカードがコラボ

今回のマクドナルドのポケモンカードコラボは、8月9日から11日までの3日間限定で実施される。ハッピーセットを購入すると、ポケモンカードのプロモカードが2枚付与される仕組みだ。

全6種類のカードが用意されており、その中でも注目はピカチュウのカード。

人気イラストレーター西田ユウさんによる完全新規イラストで、ハンバーガーが描かれたマクドナルド感満載のデザインとなっている。その他5種類は既存イラストにマクドナルドロゴを追加したもの。そして今回は、ピカチュウのカードのみ確定で入手可能という特典仕様になっている。

8月からは別途『メガブレイブ』『メガシンフォニア』という強力商品も発売されており、ポケモンファンから絶大な人気を誇る『リーリエ』や『アセロラ』など人気トレーナーが収録されている。ポケカ市場全体が加熱する中でのマクドナルドコラボは、まさに"燃料投下"となりそうだ。

今回のピカチュウのカードの人気ぶりは?

 

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出典元:TRILL撮影

「ちいかわは相手にならないレベルかも」

コレクター歴10年のSさんはそう語る。

「今回のピカチュウのカードの価値を決定づけるのは、複数の要因が重なった完璧な組み合わせが大きい。3日間限定かつ10年超ぶりのコラボ、イラストがマック仕様で大人気のピカチュウという最強の組み合わせなんです」

やはり、10年ぶりのマクドナルドコラボという希少性と、3日間限定という流通量の少なさが価値向上の大きな要因となっているようだ。理由は単純で、供給量の不足だ。3日間で全国のマクドナルドが販売できる数には限りがあり、需要が圧倒的に上回ることが予想されている。

さらに、西田ユウ氏による新イラストは、マクドナルドの席に座っている感があるハンバーガー描写でマクドナルド感を演出。過去、ポケモンカードは複数回にわたりマクドナルドとコラボしているが、マクドナルドをモチーフにしたイラストは今回が初めてだそう。

「若い層、男女問わず、子供にも人気がある最強の組み合わせです。しかもマクドナルドは注文が簡単なため、転売目的の大量購入も容易なんです」

10年ぶり3日限定という要素と新イラストという特別感が、コレクター心理を大きく刺激しているようだ。

なぜ10年ものブランクがあったのか?

2002年から2003年頃によくコラボしていたマクドナルドとポケモンカードだが、2014年を最後に約10年のブランクがあった。

「2015年から2016年頃はポケモン自体が下火で、妖怪ウォッチに人気を取られていた時期でした。でも今は完全に復活しています」とSさんは見解を示す。

「海外、特にアメリカでは毎年定期的にマクドナルドとコラボしており特別感は薄いが、日本ではこの10年ぶりという希少性が異常な熱狂を生み出す可能性がある」とSさんは苦笑する。

来年30周年に向けて、じわじわ第4次バブルが迫っている

ポケカ転売市場は昨年が底だったが、来年のポケモン30周年に向けて現在は上昇傾向にある。今年1月以降の商品はフリマサイトでは1万円を超えるボックスが連発し、バトルパートナーズなど定価5千円程度の商品が1万円以上で転売されている状況だ。

「ポケカバブルは過去3回の波を経験しています」とSさんは説明する。

第1次バブル(2017年)では、『スタートデッキGX』をYouTuberが投稿し流行。プレイ需要が中心でノーマルカードが5千円に。第2次バブル(2020年)では、『シャイニースターV』や『イーブイヒーローズ』などコレクション需要が盛り上がった。第3次バブル(2022年-2023年)では最も盛り上がった全盛期を迎え、『リーリエ』など高額カードが登場した。

「現在は第4次に向けて上昇傾向にあります。商品展開に人気ポケモンが結構出てきており、値段がつくカードが増えている状況です」

この上昇トレンドの中で投下されるマクドナルドコラボは、市場を一気に沸騰させる可能性が高い。

確定入手可能なのがまだ救い

「ただ、ピカチュウのカードが確定入手可能なのはまだ唯一の救いです。それでも相当な混乱は避けられないでしょうが…」とSさんは語る。「もしランダムだった場合、欲しいカードを狙って何度も購入する人が出てくる。でも今回はピカチュウが確実に手に入るから、大混乱を少しでも防ぐ前提でピカチュウ確定にしたのでしょう」

加えて、本日8月4日にはマクドナルド公式から「おひとりさま5セットまで」の個数制限が発表された。

ハッピーセット®「ポケモン」を、おひとりでも多くのお子様にお届けするため、8月9日(土)から8月11日(月・祝)の3日間はおひとりさま5セットまでのご購入をお願いいたします。

しかし、これらの運営側の配慮も限界があるようで「転売目的の人は、1店舗で大量に購入するため、個数制限があれば多少は抑制できるかもしれませんが、制限があったとしても他の店舗を回るだけなので、結局は効果が薄いのが現実です」とSさんは語る。

そして、Sさんは今回のコラボのタイミングについても「ちいかわでの転売が問題視された以上、8月にコラボ投入はまだ早いと思います。ちいかわコラボでは、おまけを取った後、セットが無駄に捨てられるという転売ヤーの悪行が問題視されたはずです。世間の批判が収まらない中での今回の強行は、さらなる炎上を招くリスクがある」と疑問を呈した。

おまけ以外が無駄に捨てられている

「今回のコラボでは“10年ぶり”のせいで特別感が生まれ、必要以上に話題になる部分もある」

30周年を控えたポケカ市場の盛り上がりと、3日間限定という希少性が重なったタイミングは、まさに完璧なの条件が揃っている。

「本当のコレクターにとって、転売目的の大量購入は迷惑でしかありません。でも、それが現実です。ちいかわコラボ時のような、非倫理的な行為が蔓延しないことを、ただただ願うばかりです」とSさんは、諦めにも似た表情を浮かべながら語った。

夏休み期間と重なる3日間限定コラボ。果たしてどんな騒動が巻き起こるのか、ポケカ界隈は固唾を呑んで見守っている。そして、この騒動が第4次ポケカバブルの引き金となる可能性さえ秘めている。


出典:ハッピーセット®「ポケモン」ご購入上限5セットまでのお願い | ニュースリリース | マクドナルド公式