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【丸の内】ルノワール×セザンヌ―モダンを拓いた2人の巨匠@三菱一号館美術館 2025年9月7日まで

  • 2025.7.25

オランジュリー&オルセーから名作来日!

丸の内の三菱一号館美術館では「オランジュリー美術館 オルセー美術館 コレクションより ルノワール×セザンヌ―モダンを拓いた2人の巨匠」展が開催されています。

出典:リビング東京Web

世界を巡った名画が、ついに日本へ

本展は、フランス、パリのオランジュリー美術館が、印象派とポスト印象派を代表する2人の画家、ルノワールとセザンヌに初めて同時にフォーカスし、企画・監修をした世界巡回展です。パリのオランジュリー美術館とオルセー美術館の協力により実現し、ミラノ、マルティニ(スイス)、香港を経て、ついに東京・丸の内の三菱一号館美術館へ。 日本ではここ三菱一号館美術館のみで開催される、たいへん貴重な芸術の饗宴です。

ルノワール ― 印象派を代表する画家

ピエール=オーギュスト・ルノワール(1841–1919)は、光や空気を描き出す印象派の代表的存在。やわらかな筆致と温かみのある色彩で、人物画や日常の情景を詩情豊かに表現しました。特に女性や子どもへの愛情あふれる描写で知られています。

出典:リビング東京Web

左:ピエール=オーギュスト・ルノワール 右:ポール・セザンヌ

セザンヌ ― モダンアートの扉を開いたポスト印象派の巨匠

ポール・セザンヌ(1839–1906)は、印象派から一歩進み、形や構成を重視したポスト印象派の先駆者。幾何学的な構造と確かな観察眼で、静物や風景、人物を新たな視点で捉え、キュビスムや20世紀美術に大きな影響を与えました。

本展では、「人物」「風景」「静物」など共通のテーマに沿って、ルノワールとセザンヌの作品が並置され、それぞれの画風やアプローチの違いを楽しむことができます。

出典:リビング東京Web

右:ピエール=オーギュスト・ルノワール《花瓶の花》1898年、油彩・カンヴァス、オランジュリー美術館 左:ポール・セザンヌ《青い花瓶》1889-1890年、油彩・カンヴァス、オルセー美術館

※主催者側の許可を得て撮影しています。

ルノワールの《桃》は、やわらかな光と明るい色づかいで、果物のやさしさやみずみずしさを感じさせます。一方、セザンヌの《青い花瓶》や《わらひもを巻いた壺、砂糖壺とりんご》は、形や構図をしっかりと組み立てて描かれており、落ち着いた印象を与えます。対象の形を丁寧にとらえるセザンヌの手法は、のちのキュビスムに影響を与えたといわれており、二人の個性と表現の違いが際立ちます。

出典:リビング東京Web

右:ピエール=オーギュスト・ルノワール《桃》1881年、油彩・カンヴァス、オランジュリー美術館 左:ポール・セザンヌ《わらひもを巻いた壺、砂糖壺とりんご》1890-1894年、油彩・カンヴァス、オランジュリー美術館

ルノワール《ピアノの前の少女たち》(1892年頃)は、姉妹と思しき少女たちが寄り添いながらピアノを囲む、穏やかで愛らしい場面を描いた一枚。やわらかな光とあたたかみのある色づかいが、ルノワールらしい幸福感を醸し出しています。

出典:リビング東京Web

手前:ピエール=オーギュスト・ルノワール《ピアノの前の少女たち》1892年頃、油彩・カンヴァス、オランジュリー美術館 左:ピエール=オーギュスト・ルノワール《2人の少女の肖像》1890―1892年、油彩・カンヴァス、オランジュリー美術館

ポール・セザンヌ《セザンヌ夫人の肖像》は、感情を抑えた静かな表情と、簡素ながらも構成的な筆致が特徴です。

出典:リビング東京Web

手前:ポール・セザンヌ《セザンヌ夫人の肖像》1885-1895年、油彩・カンヴァス、オランジュリー美術館

本展では、ルノワールのやわらかな光と色彩、セザンヌの構築的な構図という対照的な表現が、のちのピカソに与えた影響にも注目です。セザンヌの形を重視する描き方は、ピカソのキュビスム誕生に大きなヒントを与えました。ルノワールの抒情的な人物描写も、ピカソの初期作品に通じる温もりを感じさせます。二人の巨匠の作品を通して、モダンアートの源流とその継承が体感できる貴重な機会です。

「小企画展 フランス近代美術の風景画―コローからマティスまで」も同時開催されています。 是非会場で、印象派の巨匠ルノワールとセザンヌの世界を堪能されてみてはいかがでしょうか。

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