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意外に間違える人が多いかも…?「√12+√3」→正しく計算できる?

  • 2025.8.23
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今回チャレンジするのは、√どうしの足し算です。

√の付いた足し算は、普通の足し算とは計算ルールが違うのですが…。

さて、あなたは正しく計算できるでしょうか?

問題

次の計算をしなさい。
√12+√3

解答

正解は、「3√3」です。

√の中の12と3を足して√15と答えてしまった人は、残念ながら√の計算ルールがあやふやになってしまっているようです。

√どうしの足し算は、単純に√の中を足せばよいわけではありません。

次の「ポイント」にて、√の足し算の仕方を確認しておきましょう。

ポイント

√の足し算のポイントは、「√の中身を一緒にしてから計算すること」です。

まずは、√の意味を確認しておきましょう。

√a(a>0)は、二乗する(二個掛け合わせる)とaになる正の数を表します。例えば、√3なら「二乗して3になる正の数」のことで、√3×√3=3が成り立ちます。

ちなみに「二乗して3になる数」を小数で表そうとすると、1.7320508...と無限に数が続いてしまいます。つまり√3と3は全く違う数なのです。

そのため、√の足し算では、整数どうしの足し算のように、√内の数字を単純に足すことはできません。

では、どうすればよいのでしょうか。

実は、√の足し算は、いつでもできるわけではありません。以下のように、√の中が同じ数字であるときに可能になります。

<√の足し算の基本ルール>
√の中が同じ数のときに計算できる。

a√b+c√b=(a+c)√b

例:2√5+4√5=6√5

a√bは√bがa個あることを表しています(a×√bで×が省略されていると考えます)。a個の√bとc個の√bを足すので、√bはa+c個になる=(a+c)√bというわけです。

では、今回の問題はどうでしょうか。

√12+√3

12と3は違う数なので、一見計算できないように見えます。

こんなときは、√の中がもっと簡単な数にならないかを考えてみましょう。

ヒントになるのは、次の式です。

a>0、b>0のとき
√(a×a×b)
=√a×√a×√b
=a×√b ←√a×√a=aであるため
=a√b

この式を見て分かる通り、「√の中を掛け算で表す→掛け算の中にある数の二乗が含まれている場合、その数を整数にして√の外に出すこと」ができます。

ここで√12に注目してみましょう。「12=2×2×3」ですから、√12は2√3と書き換えられます。

√12
=√(2×2×3)
=√2×√2×√3
=2×√3 ←√2×√2=2であるため
=2√3

これで足される数、足す数双方の√の中身が同じ3になりました。

√12+√3
=2√3+√3

後は、√の足し算のルールに従って計算するだけです。√3は√3が1個ある状態と見て計算すると、次のようになります。

2√3+√3
=(2+1)√3
=3√3

これで答えが出ましたね。

まとめ

今回は、√どうしの足し算問題にチャレンジしました。

√の足し算では、√の中の数字が同じ場合に、√の外の整数どうしを足します。

a√b+c√b=(a+c)√b

一見、√の中が別の数字で計算できないように見える足し算は多いものです。そんなときは、√の中をより簡単な数字にして、足し算ができないか考えてみましょう。

√の計算はややこしそうですが、同じような問題をいくつかこなすと、徐々に慣れていきます。ぜひ、他の√問題にもチャレンジしてみてください。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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