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「ぶん殴ってやりたい」「腹立ちすぎて震えた」“あまりの過激描写”に憤慨する声も…だけど「人生で5本の指に入る」絶賛の神ドラマ

  • 2025.8.23

ドラマの中には、何度でも観返したくなる作品があります。今回は、そんな中から"虜になる名作ドラマ"を5本セレクトしました。本記事ではその第3弾として、ドラマ『Nのために』(TBSテレビ系)をご紹介します。高層マンションで起きた殺人事件。すべての始まりは、15年前の夏に起きた“ある出来事”でした――。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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「第17回クラリーノ美脚大賞2019」の授賞式に出席した榮倉奈々(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『Nのために』(TBSテレビ系)
  • 放送期間:2014年10月17日~12月19日
  • 出演:榮倉奈々(杉下希美 役)

2004年、超高層マンション“スカイローズガーデン”の一室で、野口貴弘(徳井義実)と妻・奈央子(小西真奈美)が殺害される事件が発生します。現場に居合わせたのは、大学生の杉下希美(榮倉奈々)、同級生の成瀬慎司(窪田正孝)、同じアパートの住人・安藤望(賀来賢人)と西崎真人(小出恵介)の4人。その後、西崎が「自分がやった」と自供し、懲役10年の判決を受けました。

それから10年後。刑期を終えた西崎の出所を前に、元警察官の高野茂(三浦友和)は、この判決に強い疑問を抱きます。証言には食い違いが多く、現場検証とも一致しないのに、なぜ有罪が確定したのか――。

さらに高野は、希美と成瀬を以前から知っていました。2人は彼が駐在として勤務していた瀬戸内海の青景島の出身で、高校時代の同級生。実は15年前の夏、この島で2人が関わった“ある事件”こそが、すべての始まりだったのです。

登場人物たちに共通するイニシャル“N”。誰が、誰のために罪を犯したのか――。過去と現在を行き来しながら、切なく重い真実が浮かび上がっていきます。

「あの夏からすべてが始まった…」15年を追いかける純愛ミステリー

映画『告白』やドラマ『贖罪』など、数々のヒット作を生み出してきた人気作家・湊かなえさん。そんな湊さんの同名小説を原作にしたドラマ『Nのために』は、現在と過去を交錯させながら「誰が、誰のために罪を犯したのか」を描く純愛ミステリーです。

タイトルにある“N”は、主要人物に共通するイニシャル。物語を追ううちに、その“ために”が誰を指すのかが浮かび上がってきます。

脚本を手がけたのは奥寺佐渡子さん。そして、プロデューサーの新井順子さんをはじめドラマ『夜行観覧車』でタッグを組んだ制作陣が再集結しました。湊作品ならではの複雑に入り組んだ時系列を、ドラマでは再編成。15年間にわたる物語を過去から順に描いたことで、サスペンスの緊張感に加え、青春ドラマとしてのみずみずしさも際立ちました。

原作者の湊かなえさんは本作を“初めてのラブストーリー”と位置づけています。しかし、それは単に紆余曲折の末に結ばれる恋愛物語ではなく、罪と愛が複雑に絡み合う“湊ワールド”ならではの究極の愛の物語です。

また、主人公・杉下希美役の榮倉奈々さんをはじめ、窪田正孝さん、賀来賢人さん、小出恵介さん、三浦友和さんといった豪華なキャスト陣も見どころです。

家も家族も奪われて――初回から炸裂した衝撃展開

ドラマの冒頭から視聴者を釘付けにしたのは、杉下希美(榮倉奈々)の過酷な家庭環境でした。

父親は東京での単身赴任中に不倫し、島へ戻ると家族を追い出して愛人と暮らし始めます。希美と弟には古びた家をあてがい、わずかな生活費しか渡さない冷酷さ。

母親もまた金銭感覚がずれていて、現実を見ようともせず高価な化粧品を買おうとする無責任ぶり…。

そんな中、父の不倫相手に食料を恵んでもらうため、希美が土下座するシーンも描かれます。この過激なシーンに「腹立ちすぎて震えた」「クソ親父と不倫女ぶん殴ってやりたい」「初回から鬱展開過ぎてしんどい」「主人公と弟が不憫すぎる」といった声が。“イヤミス(読んだ後に嫌な気分になるミステリー)の女王”湊かなえさんらしい、重苦しく残酷な現実が突き付けられる幕開けとなりました。

「その罪は、愛ゆえに――」愛する人のために背負った十字架

本作が心に強く残るのは、単なる事件の謎解きではなく「人は誰かのために罪を背負えるのか」という普遍的な問いを描いているから。毒親の姿や衝撃的な事件を描きながら、物語はやがて「罪」と「愛」がどう結びつくのかに迫っていきます。

SNSでは「毒親やDV経験者には刺さりすぎる」「観てほしいけど観てほしくない」と複雑な思いを吐露する声や、「毒親とかそういうレベルじゃない」といった怒りや動揺があふれました。

一方で「罪の意識と、究極の純愛が重なり、心が奪われずにはいられない」「私の好きなドラマ圧倒的一位」「これを超えるドラマに出会えない「人生で5本の指に入るくらい好きなドラマ」といった絶賛の声が示すように、登場人物たちのひたむきな愛が、多くの視聴者の心を掴みました。

彼らはあの時、罪を犯した。それぞれのNのために」――。このキャッチコピーが示すように、本作が問いかけるのは、「誰もが避けるはずの罪を、愛する人のためであれば背負うことができるのか」、という究極のテーマです。

憎しみや怒りではなく、守りたい人、大切な人への想いが時に罪と結びつく――。その残酷さと美しさを同時に描いたからこそ、ドラマ『Nのために』は放送から時を経た今も、“人々を虜にする名作”として語り継がれているのでしょう。


※記事は執筆時点の情報です